【インタビュー】緑黄色社会
次世代ポップの新星、初の東名阪ホール公演!
6月に東名阪で開催された自身主催の対バンイベント『緑黄色夜祭vol.9』のみならず、今年も全国各地のフェスやイベントでその存在感を鮮烈にアピールしている緑黄色社会。
「2019年ネクストブレイク候補」として必ず名前が挙げられる新星4ピースの魅力は何と言っても、一曲ごとに限界を超えていこうとするかのような自由闊達な創造性と、それを実現する卓越したプレイアビリティ、さらにそれらの要素すべてを誰にでも一発で伝わるポップ感へ結晶させる長屋晴子のボーカルの訴求力である。
長屋晴子 そもそもの始まりが、ただ“音楽がやりたい”っていうだけで集まったので。“自分のやりたい音楽”があったりとか、趣味が合ったりとかする人が集まって“バンド組みましょう”っていうのがたぶん普通だと思うんですよ。そうじゃなくて、私たちは趣味も趣向もバラバラで、性格も違っていて、でもそれを嫌っていう人がメンバーに誰もいなくて。ただ音楽がしたい集まりだからこそ、そういうやり方が叶えられてるのかなって思います。
緑黄色社会の音楽の大きな原動力でもある、メンバー4人それぞれが作詞作曲を手掛ける多才ぶりも、お互いの想像力に一切リミッターをかけない独特の関係性から生まれるものだ。
穴見真吾 僕らはバンドを組み始めた頃、それこそ『閃光ライオット』(2013年準グランプリ)に出た後とか、やりたいことが多すぎて、だけど技術もやり方もわかんなくて。イメージというか妄想はめちゃめちゃあって、実現できてないものが今だにいっぱいあって。その中で徐々に広げられてるっていう感じですね。
小林壱誓 “次にやりたいこと”が思い浮かばなくて悩むことは一回もなくて。やりたいことをどう実現していいかわからなくて悩む、っていうことはあるんですけど(笑)。どうやったらバンドの演奏に昇華できるんだろう?って。でも、変にひとつのことでつまずいたりっていうことはないですね。
peppe 初めから“こうなりたい”っていうイメージがなかったので、とりあえずやってみるとか、見よう見まねで――自分の経験ないジャンルを自分の中に消化するんじゃなくて、自分はこうだ! みたいな感じなので。そのジャンルのプロの人が聴いたら“え?”みたいに思うのかもしれないですけど(笑)
5月には初めてバラード曲を表題曲に掲げた『幸せ -EP-』をリリース、さらに9月公開の映画『初恋ロスタイム』の書き下ろし主題歌として雄大なバラードナンバー「想い人」を提供するなど、次世代の“ポップ王道”の担い手としての片鱗も確かに窺わせている。
長屋 『幸せ』は2年前ぐらいから原型があった曲で、こういうバラードっぽい曲もいくつかあったりするんですよ。ミュージックビデオに上がってる曲がアップテンポの明るい曲が多かったので、今までの私たちのイメージっていうとそういうものだったかなあと思うんですけど。でも、こういう緑黄色社会もイメージとして見せたくて。“どっちか”じゃなくて“どっちも”にしたかったんです。それがちゃんと出せる土台ができたなっていう時期だったので。
アグレッシブなポップ感と、名曲スタンダード路線まっしぐらのメロディアスな楽曲。そんな多彩な楽曲のコントラストを、ライブのステージではより一層鮮烈に感じることができる。ツアーも回を重ねるごとに規模を広げ、11月からの全9公演のワンマンツアー『リョクシャ化計画2019』のフィナーレでは自身初の東名阪ホール公演の開催も決定している。
長屋 ホールはずっとやりたいって言ってて。毎回毎回新しい試みだからこそ、私たちも全部が全部初めてで。ライブは演出も含めてひとつの作品、っていうのを去年のワンマンツアーですごく感じて。東京のBLITZでやった公演では、結構演出もたくさん入れていて、それだけでもみんなの聴く感じとか、自分たちの気持ちも全然違ってくるし。次のワンマンツアーも、より楽しんでもらえるものにしたいですね。まだまだやりたいことはたくさんあるんで。自分たちでもまだ知らない自分たちが、秋冬に待ってる気がして。すごく楽しみなんですよね。
小林 peppeが書く曲は、そもそも“ホールでやってるところを想像して”とか、そういう作り方をしてくるんで(笑)
peppe 曲を作る時に、演出込みでイメージがあって。こういう照明で、長屋だけピンスポ当たって、ここで火が出る!みたいな(笑)
小林 プロジェクションマッピングとかもやりたいよね?
穴見 めちゃめちゃやりたい!火はまだちょっと早いと思うけど(笑)
プロフィール
リョクオウショクシャカイ
長屋晴子(Vo)、小林壱誓(Gt)、peppe(Key)、穴見真吾(Ba)の同級生3人と幼馴染で結成された愛知県出身・在住の4ピースバンド。
公演情報
リョクシャ化計画2019
11/8(金)18:30 仙台Rensa
11/9(土)17:30 新潟GOLDEN PIGS RED SATGE
11/15(金)18:30 高松MONSTER
11/17(日)17:30 札幌ペニーレーン24
11/22(金)18:30 広島クラブクアトロ
11/24(日)18:00 福岡DRUM LOGOS
11/30(土)18:00 名古屋市公会堂
12/6(金)18:30 NHK大阪ホール
12/8(日)18:00 東京・昭和女子大学 人見記念講堂
インタビュー・文/高橋智樹
写真/山本倫子
構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載