【インタビュー】LE VELVETS
2025/8/15(金)

新たな3人のLE VELVETSとはどうあるべきか、と向き合いました
クラシックをベースにしながら多岐にわたる楽曲を歌い上げ、独自の世界観を確立しているヴォーカルグループ、LE VELVETS。昨年9月をもって佐賀龍彦が脳梗塞のリハビリに専念するために脱退し、今年1月より宮原浩暢、日野真一郎、佐藤隆紀の3人体制にて再始動となったが、グループとして改めて見つめ直す時間が必要だったという。
日野「佐賀くんが脳梗塞で突然、長期休養となってしまった際、3人で必死にLE VELVETSを守った期間もありましたが、中途半端なモノはお見せできませんし、一旦、ここで立ち止まって新たに構築したい気持ちがありました」
佐藤「それぞれが忙しい時期も続いていましたし、何かをやりながら再構築するというのはやっぱり大変なんですよ」
宮原「新たな3人のLE VELVETSとはどうあるべきか、と向き合いました。クラシックをベースに様々なジャンルを歌うという原点は変えずに、クラシカルクロスオーバーのパワフルさや迫力、自分たちにしかできない音楽、そういった未来を探していましたね」
今年は佐藤がミュージカル『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャン役を、宮原がリーディングオペラ『蝶々夫人』でシャープレス役を務めたり、日野はソロコンサートやディナーショーを開催したりと、3人ともに多忙を極めたが、そういった活動がお互いに刺激となり、いいフィードバックもあるという。
宮原「それぞれ尊敬する部分があるので刺激しかないですね。だからこそ、ちゃんと自分らしさを見つけて主張できるようにしなければ、と思っています」
日野「自分が経験できないことを2人から聞くことができますし、凄くプラスですね」
佐藤「ミュージカルだとLE VELVETSでは使わない発声だったり、新たな発見もたくさんありますね。そういったモノは自分たちでも使えるようにと持って帰ってきます」
結成から17年、卓越した技術を持つ彼らだが、そういった研鑽を怠ることはない。
宮原「進化しないと衰退してしまう。キープにこだわると(成長が)止まってしまいますから」
佐藤「ちゃんと進化しているとそれがお客様にも伝わって、コンサートが終わったときに起こる拍手の熱量が違うんです」
そんな彼らが恒例となる秋のツアーを東阪福で開催する。『The Rising Voices』という力強いタイトルもつけられた。
日野「今までにないモノは絶対にやりたいですね。もちろん、これまで聴いていただいていた曲もありますが、3人で歌うことによってまた新鮮に聴こえるんじゃないかと思います」
佐藤「これを歌うのか、という驚きの曲もどこかに入れたいな、と。また、これからトライしていく部分ではありますが、シャンソンだったり、ツイスト的な盛り上がるような曲だったり、そういったモノも候補に挙げています」
詳細についてはこれから精査していくという段階ではあるが、コンサートに向けられた3人の眼差しはとても頼もしい。
佐藤「3人で初となるツアーになりますので、どんなショーになるのか、僕たちもワクワクしながら作っている段階ですが、皆さんと音楽を一緒に楽しむ時間を共有したいと思います」
日野「やっぱり、コンサートというモノは皆様がいてくださるおかげで作れますから、一緒に作るコンサートにしたいですね」
宮原「お待たせしてしまったなという思いもありますが、その分、準備する時間を作れましたし、改めてLE VELVETSはいいな、と感じてもらえるようなパフォーマンスをします」
誌面連動Q&A
- Q.
手土産を選ぶポイントは?
A.
日野「僕は福岡出身なので鈴懸のどら焼きが自分も好きで、差し入れする時によく持っていきます。日持ちしないから前もって買っておくことができないので、めっちゃ並んで買います」
宮原「甘いものが好きな人なら、どら焼きとかカステラ、僕の地元・静岡の治一郎のバウムクーヘンとか。お酒が好きな人ならワインをプレゼントしたり、相手の好みが何なのかというのを気にします。その中で自分が味わって美味しいと思ったものを選びます」
プロフィール
LE VELVETS/るべるべっつ
’08年、クラシッククロスオーバーをコンセプトに誕生したバリトン(宮原浩暢)、テノール(日野真一郎、佐藤隆紀)で構成されたヴォーカルグループ。
公演情報
LE VELVETS CONCERT TOUR 2025「The Rising Voices」
- 10/13(月・祝) 17:30 NHK大阪ホール
- 10/17(金) 17:00 東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
- 11/4(火) 17:30 福岡・J:COM北九州芸術劇場 中劇場
インタビュー・文/ヤコウリュウジ
構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載