【インタビュー】斉藤和義

 

斉藤和義

「自然体の自分を出せた」スタジオライブ感溢れる20作目

 

斉藤和義が2年ぶりの新作『202020』をリリースする。2020年、20枚目のアルバムなので、読み方は「にーまるにーまるにーまる」。

キャリアの節目となる作品にこんなザックリしたタイトルを付けるところが、いかにも自然体の彼らしい。前作『Toys Blood Music』はアナログシンセサイザーやドラムマシンを駆使して“一人打ち込みサウンド”に挑戦した異色作だったが、本作では制作のアプローチを一転。気心の知れたメンバーとスタジオに入って、ライブ感あふれるギター・ロックを展開している。

「一人でチマチマと多重録音するのも好きなんですが、今回はもう少し気楽に、力みすぎずに作ってみたかったんです。それでリハーサル・スタジオに最低限のレコーディング機材を持ち込んで。メンバーと即興でアレンジを考えつつ、一発録りのセッションに近いやり方で録っていきました。演奏のグルーヴを出すために、歌もあえて同録。そうやって作った音源を聴いてみると、ラフな空気感がかえって気持ちよくて。『うん、これでも全然問題ないじゃん』と(笑)。ダビング処理もほとんどせず、結局、リハスタの5日間で、収録曲の半分以上が完成。これまで作ってきた20枚の中で一番気負いなく自分の色が出せたアルバムだと思います」

ギターの真壁陽平、ベースの山口寛雄は2018年の『Toys Blood Music』ツアーを支えたバンドメンバー。今回が初共演のドラムス・平里修一は、2月末からスタートする本作のアルバム・ツアーへの参加が決まっている。自らさまざまな楽器をこなし、多くの楽曲を“一人多重録音”で作ってきた斉藤にとって、このようにライブと地続きのレコーディングはこれまでにはあまりない試みだ。

「たぶんプレーヤーとしての相性もよかったんでしょうね。3人とも凄いテクニックの持ち主で、俺が口でアイデアを説明すると、あっという間に形にしてくれる。自分一人でダビングを重ねると、どうしても曲の完成形が予想できちゃう部分もありますが、セッション形式だとその場のノリで思いがけないフレーズや展開も生まれてきます。それもまた新鮮で、すごく面白かった」

日々の鬱屈をユーモアたっぷりにまき散らす痛快ファンクロックの「万事休す」。キレキレのジャズファンクのリズムに乗せ妄想が爆発する「シャーク」。レイジーなアメリカン・ロックの手触りが懐かしい「Room Number 999」。セッションで生まれた新曲はどれも、楽器と楽器の音が1つの空間内でぶつかり、豊かに響き合っている。その自然な一体感が何とも言えず心地よい。

「勢いを出したかったので、テイク数もほとんど重ねてません。楽曲にもよるけど、平均するとせいぜい2~3回じゃないかな。あと俺の中では最初に『今回は歌詞で悩まない』って決めたのも、大きかった気がします。いつもはオケが先に完成して、詞だけ宿題みたいに残っちゃうことが多いけど、今回は『何か気の利いた表現はないかな』とか『ちょっと深みがありげな言葉を書かなきゃ』みたいな煩悩は一切捨てて(笑)。むしろ思い付きでもいいから、まず最初に歌詞を作って、後から極力いじらないようにしています。時間をかけて素敵な言い回しを探すより今はそっちの気分なのかなと」

心に浮かんだ言葉を、キャッチーで憶えやすいメロディーに載せて、身体に染み込んだロックのコードとリズムで鳴らす──。思いきり肩の力が抜けた手法は、53歳の現在まで全力疾走してきた自信の裏返しでもあるのだろう。またそこには、昨年始動したカーリングシトーンズの活動も少なからず影響しているという。

「今回のレコーディングに入る直前に、ちょうどカーリングシトーンズのアルバムを作っていたんです。みんなでデモ音源を持ち寄り、合宿でお酒とか飲みながら大笑いしてやってく感じが、俺にはすごくよくて。自分のソロもこのぐらいの温度感で作れたらいいなって。シングル盤で例えると、力まずに書いたB面のカップリング曲がたくさん入ってるイメージかな(笑)。実際には“一人多重録音”スタイルで作った既発のシングル曲も収録しているので、結果的にはいいバランスに収まった気がしています」

2/29(土)からは本アルバムを引っさげて全国52公演のツアーがスタート。古き良き打ち込みビートをバックに歌われる「アレ」や、フジテレビ系アニメ『ちびまる子ちゃん』エンディング主題歌「いつもの風景」、伊坂幸太郎原作の映画『アイネクライネナハトムジーク』主題歌「小さな夜」など、本作に収録の“一人多重録音”のシングル曲も、新たにバンド編成で披露されることになりそうだ。

「レコーディングと同じ最小編成で、ソリッドなギター・サウンドを鳴らせればいいなと。昔からの定番もこの4人で演れば違って聞こえるはず。ここ数年のライブとはかなり違った感じになるんじゃないかと、今から楽しみにしています」

 

プロフィール

サイトウ カズヨシ

'93年にデビュー。翌年「歩いて帰ろう」で注目を集め、「歌うたいのバラッド」「ずっと好きだった」「やさしくなりたい」などが大ヒット。自他共に認めるライブアーティスト。2020年2月より全52公演におよぶ全国ツアーを開催する。

 

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公演情報

 

KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2020 “202020”

 

2/29(土)17:00 埼玉・川口総合文化センター リリア メインホール

3/1(日)17:00 埼玉・川口総合文化センター リリア メインホール

3/6(金)18:30 神奈川県民ホール 大ホール

3/8(日)17:30 東京・オリンパスホール八王子

3/12(木)18:30 なら100年会館 大ホール

3/14(土)17:30 和歌山県民文化会館 大ホール

3/15(日)17:30 岡山市民会館

3/17(火)18:30 レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール

3/21(土)17:00 広島・ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 大ホール

3/22(日)17:00 山口市民会館 大ホール

3/24(火)18:30 島根県民会館 大ホール

3/26(木)18:30 神戸国際会館 こくさいホール

4/1(水)18:30 大阪・フェスティバルホール

4/2(木)18:30 大阪・フェスティバルホール

4/4(土)17:00 YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)

4/5(日)17:00 ベイシア文化ホール(群馬県民会館) 大ホール

4/11(土)17:00 静岡市民文化会館 大ホール

4/12(日)17:00 名古屋国際会議場 センチュリーホール

4/16(木)18:30 東京・中野サンプラザホール

4/17(金)18:30 東京・中野サンプラザホール

4/19(日)17:00 千葉・市川市文化会館 大ホール

4/23(木)18:30 滋賀・ひこね市文化プラザ グランドホール

4/25(土)17:00 三重県文化会館 大ホール

4/26(日)17:30 岐阜・バロー文化ホール(多治見市文化会館) 大ホール

5/2(土)17:30 石川・本多の森ホール

5/3(日・祝)17:30 ホクト文化ホール(長野県県民文化会館) 大ホール

5/5(火・祝)17:30 新潟県民会館

5/12(火)18:30 北海道・コーチャンフォー 釧路文化ホール(釧路市民文化会館) 大ホール

5/13(水)18:30 北海道・帯広市民文化ホール 大ホール

5/15(金)18:30 札幌文化芸術劇場 hitaru

5/17(日)17:00 北海道・函館市民会館

5/21(木)18:30 仙台サンプラザホール

5/23(土)17:00 とうほう・みんなの文化センター(福島県文化センター)

5/24(日)17:00 やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)

5/26(火)18:30 秋田・湯沢文化会館

6/4(木)18:30 長崎ブリックホール

6/6(土)17:00 鹿児島市民文化ホール 第1

6/7(日)17:00 熊本城ホール

6/9(火)18:30 東京ガーデンシアター(有明)

6/13(土)17:00 リンクステーションホール青森(青森市文化会館)

6/14(日)17:00 岩手県民会館

6/16(火)18:30 宇都宮市文化会館 大ホール

6/20(土)17:00 福岡サンパレス ホテル&ホール

6/21(日)17:00 福岡サンパレス ホテル&ホール

6/23(火)18:30 広島文化学園HBGホール

6/25(木)18:30 松山市民会館 大ホール

6/26(金)18:30 徳島・鳴門市文化会館

7/1(水)18:30 神奈川・相模女子大学 グリーンホール(相模原市文化会館)

7/5(日)17:00 兵庫・姫路市文化センター 大ホール

7/6(月)18:30 ロームシアター京都 メインホール

7/8(水)18:30 大阪・オリックス劇場

7/9(木)18:30 大阪・オリックス劇場

 

 

インタビュー・文/大谷隆之

構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載

 

 

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