さすがにマニアックすぎる!!
特別展『昆虫 MANIAC』大阪会場限定グッズ“翅パズル”制作のウラ側
2025年9月23日(火・祝)まで大阪市立自然史博物館ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階)で開催中の特別展『昆虫 MANIAC』。五感を使ってムシの生態を知ることができる体験型展示や、カブトムシやクワガタムシなどおなじみの昆虫から世にも珍しい昆虫まで約3,000種類の標本がずらりと並ぶ展示室は圧巻!昆虫たちのまだ見ぬ驚きの多様性に迫ることができます。(※本展では昆虫および昆虫をはじめとする陸生の節足動物をムシとして扱います。)
マニアックなムシの世界にどっぷり浸かれる特別展『昆虫 MANIAC』ですが、実は展覧会オリジナルグッズも超マニアック!中でもひときわ異彩を放つのが『翅パズル』。コマルハナバチの翅(はね)の色や形を精密に再現したアクリルパズルはいったいどうやって作られたのか―監修した大阪市立自然史博物館の長谷川匡弘学芸員にグッズ制作の裏話をうかがいました。
―どうしてコマルハナバチの翅をグッズにしようと思ったのですか?
(長谷川)私は主に植物の生態について研究をしているのですが、花に来て花粉を運ぶ動物(送粉者といいます)も調べています。ハナバチは送粉者の中心的存在であり、多くの植物の繁殖に関わっていると考えられています。送粉者を調べる上では避けては通れないのですが、名前を調べるのは実はかなり難しく、その名前調べに翅脈(しみゃく)や翅室(ししつ)はとても重要なのです。2022年に博物館からハナバチのミニガイドを出すことになり、毎日何十頭ものハナバチの翅脈や翅室と向き合っていると、「この翅脈はなんてすばらしい曲線なんだ!」とか「翅室の中では断然この部屋が好きだ!」と思えるようになってきたのです。ここまで来てしまうと、あれほど覚えられなかった脈や室の名前がすっと頭に入ってくるようになる。その時、「どうせなら翅のパズルを作って、それぞれのピース(翅室)を吟味しながら組み立てていくと、もっと楽に名前が覚えられるのではないか…」と思ったのです。3年後、まさか本当に作ることになるとは思いませんでした。案を受け入れてくださった方々に感謝です。
- ※翅脈:翅を支える硬く細い棒状の構造物
- ※翅室:翅脈で囲まれた部屋
―監修者としてこだわったポイントはどこですか?
(長谷川)特に翅脈の名前が日本語名と略称(「M」「m-cu」など)、この2つが一緒に書かれているところですね。
あと、翅脈のカーブがなかなかにいい形で再現されています。翅鉤(しこう)という、前翅と後翅をひっかける鍵のようなところがあるのですが、これなんかもきれいに映っていますし、いい出来だなと自分では思っています。
―長谷川さんのお気に入りの“翅脈”と“翅室”はどれですか?
(長谷川)翅脈ですが、まず前縁脈ですね。すごく太くてかっこいいんですよ。マルハナバチって、ブイーンって音を出して飛ぶんですけど、きっとこういう脈があるからこそ、力強い飛翔が出てくるんだろうなって思うと、愛情が湧いてきて好きになりました。
あと、第2肘間脈。この曲がり具合がいい!!翅室は、縁室。しゅっとした翼のような形でかっこいいです。
―マニアックすぎるパズルですが、どのように楽しんだらいいでしょうか?
(長谷川)翅脈はパッと見ると翅を縦横に区切っているただの線ですが、ルーペや顕微鏡でじっくり見ていると、「あの曲線が美しい!」とか「ちょっとかわいい…」とか思えてくるんですよね。翅室は個性豊かな形を見ていただきたいです。毎日眺めていると、いつの間にか好きな脈や室もできてくる…方もいないことはない…気もします(笑)
―最後に、今まさに購入を迷っているお客さんへ、そして、すでに購入してくれたお客さんへ向けてメッセージをお願いします!
(長谷川)こんな変なグッズ、今までにないですし、二度と作られることはない…これは間違いないです。この機会にぜひよろしければお買い求めください。そして、すでに商品をご購入してくださった方、誠にありがとうございました。末永くお手元に置いていただければ幸いです。
翅パズルを買えるのは、特別展『昆虫 MANIAC』のオリジナルグッズ販売所のみ!長谷川さんのこだわりが詰まった逸品、ぜひお手に取ってそのマニアックさを確かめてみてください。
特別展『昆虫 MANIAC』
2025/9/23(火・祝)まで開催中
| 会場 |
大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階) |
| 開館時間 |
9:30~17:00(最終入場は16:30まで) |
| 休館日 |
2025/7/22(火)、2025/7/28(月)、2025/8/4(月)、2025/8/25(月)、2025/9/1(月)、2025/9/8(月)、2025/9/16(火) |