日本を代表する建築家であり、渋谷駅周辺の再開発において、2006年から建築デザインや景観を調整する「デザイン会議」の座長などを務める内藤廣が手がける全45のプロジェクトを、内藤自身の頭の中に宿る「赤鬼」と「青鬼」が、リング下の場外乱闘さながらに解説する、異色の展覧会です。
本展覧会は、2023年に島根県益田市の島根県立石見美術館(島根県芸術文化センター「グラントワ」内)で開催された展覧会「建築家・内藤廣 BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」の渋谷版として企画されました。
益田市での展覧会では、内藤の建築家としての思考を情熱的で自己主張の強い性格の「赤鬼」と、控えめで禁欲的な性格の「青鬼」という異なる視点から紐解き、作品を解説するという少し風変わりな展示方法も話題を呼び、12,815名の来場者を迎えました。
本展覧会では、このコンセプトを踏襲しつつ、蔵出しインタビューや「渋谷と益田」を対比的に表現した模型や映像などを新たに制作しました。渋谷駅周辺の再開発の全体像を俯瞰できる大型模型や撮り下ろしの映像作品、銀座線渋谷駅やグラントワの巨大な1/20模型など、渋谷と益田という対局にある街と向き合ったそれぞれの建築を体感できる展示になります。
日程 |
7/25(金)~8/27(水) |
開催時間 |
11:00~20:00 |
会場 |
渋谷ストリーム ホール |
主催 |
「建築家・内藤廣展 in 渋谷」実行委員会
(企画制作:株式会社内藤廣建築設計事務所 事業推進:東急株式会社) |
後援 |
渋谷区 |
協賛 |
株式会社伊藤園、オリックス不動産株式会社、鹿島建設株式会社、株式会社東急エージェンシー、東急建設株式会社、株式会社東急設計コンサルタント、東急電鉄株式会社、東急不動産株式会社、東京建物株式会社、東京地下鉄株式会社、株式会社日建設計、株式会社日本設計、パシフィックコンサルタンツ株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、ヒューリック株式会社、三井不動産株式会社、三菱地所株式会社、株式会社三菱地所設計
(五十音順に掲載) |
内藤廣メッセージ
2023年に島根県益田市で展覧会をやった時に、東京からもたくさんの方が見にきてくださいました。その中に私が関わっている渋谷の再開発に関係する方たち、とりわけ商店会のメンバーもいました。彼らから、「これをぜひ渋谷でやってほしい」との声があり、その熱意に応えるつもりで、この渋谷の展覧会を催すことにしました。
内容は益田での展示を基にしつつ、美術館とは異なる場所での展示なので、展示の仕方も変え、大きく加えたのは渋谷に関する展示です。これから渋谷がこうなっていく、というまち造り全体を俯瞰する模型を多くの方に見てもらいたかったので新たに制作しました。
「過疎」発祥の地と言われる益田と、「オーバーツーリズム」で人が集まりすぎる渋谷。この二つは我が国の都市が抱える問題を典型的かつ対比的に象徴しているようにも見えます。建築家としてのこれまでの積み上げと延長の上に現在の私の立ち位置があるとすれば、それを見ていただき、この時代に対する思いの一端を共有していただけたら幸いです。
■プロフィール
1950年生まれ。1976年早稲田大学大学院修士課程修了後、フェルナンド・イゲーラス建築設計事務所(スペイン・マドリッド)、菊竹清訓建築設計事務所を経て、1981年に内藤廣建築設計事務所を設立。2001~11年東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻にて教授、同大学にて副学長を歴任。2011年~同大学名誉教授。2023年4月から多摩美術大学学長。
主な建築作品に、海の博物館、牧野富太郎記念館、倫理研究所富士高原研修所、島根県芸術文化センター、九州大学椎木講堂、静岡県草薙総合運動場体育館、富山県美術館、とらや赤坂店、高田松原津波復興祈念公園 国営 追悼・祈念施設、東京メトロ銀座線渋谷駅、京都鳩居堂、紀尾井清堂など。
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島根県芸術文化センター(グラントワ)模型
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渋谷駅周辺模型
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過去開催イメージ
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過去開催イメージ