大井川鐵道が
思い出であり続けられるように
笑顔を運んでいきたい
大井川鐵道 DAY OUT WITH THOMAS™
<料金(税込)>
往復座席指定チケット(新金谷↔川根温泉笹間渡)
往復乗車代+トーマスフェア入場券のセット 大人¥6,000 小人¥3,000
<スケジュール(期間/会場)>
4/26(土)~12/25(木) 新金谷駅(静岡県島田市)~川根温泉笹間渡駅(静岡県島田市)
鳥塚亮/とりづかあきら:大井川鐵道株式会社社長。いすみ鉄道、えちごトキめき鉄道の社長を歴任し、ローカル鉄道の「再生請負人」として知られる。
――静岡の清流・大井川沿いを走る大井川鐵道の大井川本線。この自然豊かな路線を「きかんしゃトーマス号」が今年も駆け抜けていく。トーマス号の魅力を、大井川鐵道社長の鳥塚亮氏は「見ると聞くとでは大違い」と迫力に太鼓判を押す。
「トーマスは本当に子どもたちに大人気。トーマス号は蒸気機関車なので、中には蒸気の迫力に怖じ気づいてしまう小さな子も(笑)。お話の世界が本物として体験できることは大きな魅力だと考えていますし、今年は原作出版から80周年ということで、私たちも力が入っています」
――期間中には、トーマスだけでなく、なかまたちも大井川鐵道に勢ぞろいする。
「始発駅となる新金谷駅の近くに、トーマスのお友だちがいて、記念撮影や体験乗車ができるパークもありますので、早めに来たり戻ってこられたりした時に楽しんでいただけたら。トーマスに乗っていると、なかまのバスが一緒に走ったり、到着した先にもお友だちが待っていたりして、『あっ、パーシーがいる!』と子どもたちは目をキラキラさせてくれています。トーマスの声のアナウンスも楽しいですし、トーマスのお弁当などもありますよ」
――子どもたちはトーマスに夢中になること間違いなしだが、大井川鐵道には大人も楽しめる魅力がたくさんあるという。
「大井川鐵道は観光鉄道です。子どもたちやファミリー向けにはトーマスで楽しんでいただけるかと思いますが、いわゆる黒いSLで昭和の旅を楽しめるというのも大きな魅力です。また、近鉄や南海で使われていた車両が走っているので、関西からいらしていただく方は、非常に懐かしいお気持ちになられるとお聞きしています。このほかにも、食堂車ですとか、夜行列車ですとか、ただ電車に乗るというだけではなく、列車の中でいろいろと楽しんでいただくような旅を取り揃えていくというのが私たちの基本姿勢です」
――大井川鐵道に乗車した際には、自然豊かな景色はもちろん、日本唯一の鉄道機構などにも注目してほしいと鳥塚社長は語る。
「沿線の景色も楽しんでいただきたいですね。始発駅は市街地ですが、大井川がすぐ横を流れるところや鉄橋を渡るところ、季節によっては桜のトンネルを走るところもあります。静岡県って都会だと思われている方が多いんですが、奥に入っていくと非常にワイルドなんですよ。ぜひ、雄大な景色を楽しんでいただきたいですね。また、大井川鐵道には、歯車を機関車につけて急な坂を上る『アプト式列車』が南アルプスあぷとラインにあります。このアプト式列車は日本で唯一となっていまして、鉄道ファンでない方も驚かれることが多いです。景色も、列車も、多種多様な魅力があると思っています」
――昨年6月に社長へ就任した鳥塚氏は、これまでローカル鉄道再生の社長を歴任し地域再生に尽力してきた。そんな鳥塚氏は、ローカル鉄道を「地域の広告塔」だと話す。
「地域の足だけでなく、地域の魅力を発信し全国区にする力がローカル鉄道にはあると考えています。トーマス号の運転が始まって10年になりますが、もう数年もすると、トーマス号に乗った子たちが親になって、子どもを連れて来てくれるようになる。こういう循環は非常に大切にしたいですし、だからこそトーマス号の運行もずっとやっていきたいです。実は私自身も、高校生の頃から蒸気機関車に乗りに、何度も大井川鐵道に来ていて、私にとっては思い出の鉄道。ふるさとのような鉄道です。多くの人にとって、大井川鐵道が思い出の鉄道であり続けられるよう、これからも笑顔を運んでいきたいですね」
――手土産を選ぶポイントは?
お土産というと誰かに買うものと自分に買うものがありますが、私は自分用に買うことが多いです。以前は行った記念に駅のキーホルダーなどを買っていましたが、最近はものを増やさないことを意識しているので、大井川鐵道では機関車が描かれた箱に入った3個入りのどら焼き「SL動輪焼き」 がオススメです。これなら一人でも何日かで食べられますから。
インタビュー・文/宮崎新之