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食神さまの不思議なレストラン展 レポート

「見て、食べる体験型デジタルアート 食神さまの不思議なレストラン展」

食神さまの不思議なレストラン展 レポート

公演日:2017/1/28(土)~2017/5/21(日)

日本人が見たことの無い新感覚の「和食」の世界

日本人にとっては、きっと誰もが食べなれている「和食」。だが、和食についてどれほどのことを知っているだろうか。ご飯の炊き方や出汁のとり方や味を知っていても、和食にはまだ経験したことのない謎めいた世界が広がっているという。
「食神さまの不思議なレストラン展」では、日本人が気づいていない和食の世界が、デジタルアートを駆使してミステリアスに、ファンタジックに紡ぎ上げられているという。そこは神さまだけが集うという食の桃源郷。日本橋の路地裏を一歩踏み込んだ先に、果たしてどんな世界が広がっているのだろうか。

 

世界有数のアート集団による画期的インスタレーション

今回のインスタレーションは、和食をテーマに、世界有数のデジタルアート集団「モーメント・ファクトリー」が手がけた。モーメント・ファクトリーはモントリオールを拠点に、これまで、サグラダ・ファミリア大聖堂やシルク・ドゥ・ソレイユ、ディズニー、マドンナなど世界各国でさまざまな体験型イベントやショーを成功させたスペシャリストで、今回の催しは日本発のエキシビションとなっている。道先案内人となってくれるガイド役、狐のウカの声は乃木坂46の松村沙友里と若月佑美が担当。鈴を転がしたような無邪気な声が、夢まぼろしのような世界にそっといざなってくれるようだ。

「見て、食べる体験型デジタルアート 食神さまの不思議なレストラン展」

同会場では「スーパー浮世絵江戸の秘密展」も開催されている

 

仄暗い空間に浮かび上がる幻想的な映像

声に誘われて入った先は、暗い森の中。ぼうっと浮かび上がる提灯の灯りが幻想的で、異世界に迷い込んだような気分になる。花が咲き誇り、涼しげな竹林や散っていく紅葉、ちらちらと降り積もる雪と季節が次々と移り変わる中、その景色の奥に眠っている狐がかわいらしい声の主・ウカだろうか。景色の中に浮かび上がった明かりに触れると、まばゆく光が強くなった。さすが、ただ眺めるだけではない初めての“体験型アート”に、ワクワクしてくる。

「見て、食べる体験型デジタルアート 食神さまの不思議なレストラン展」

森の中に迷い込んだような幻想的な空間

「見て、食べる体験型デジタルアート 食神さまの不思議なレストラン展」

スクリーンに触れると反応が返って来る

 

知っているようで知らない和食のこと

場内では、さまざまな試みで和食について触れることができるようになっている。和食には欠かせない「発酵」「道具」「酒」「出汁」という和食には欠かせない4つの要素を映し出した部屋では、スクリーンの前に手をかざすと「利休箸」「茶碗」「土鍋」「醤油」「味噌」など、さまざまなものが浮かび上がってくる。普段は馴染みのあるアイテムや調味料などでも、そのひとつひとつの歴史や成り立ちは知らないことばかりだ。

「見て、食べる体験型デジタルアート 食神さまの不思議なレストラン展」

足元を照らす灯りがミステリアスな雰囲気を醸し出す

「見て、食べる体験型デジタルアート 食神さまの不思議なレストラン展」

それぞれのテーマにまつわる映像が映し出される

 

日本の主食・お米と向き合う時間

そして和食に欠かせない食材が、日本の主食・米だ。米をテーマにしたエリアでは、巨大なお茶碗に盛られたお米に実際に触れられるアートが展示されていた。盛られたお米が映像によって幻想的に演出され、高いところから低いところへお米が流れている様子だったり、等高線のようにラインが施されたりと、盛られた隆起の高低などによってその映像も都度変化していく。普段食べているお米だが、これほど大量の米を目の前にしたことはほとんどない。お米の山の中に手を入れるとひんやりと心地よかった。そのほか、味覚を視覚的に表現したというアート作品では、味を見るという道の体験をさせてくれ、どのインスタレーションも今までとは違った和食の捉え方を示してくれるようだった。

「見て、食べる体験型デジタルアート 食神さまの不思議なレストラン展」

お米に触れることで自分もアートの一部になる

 

神さまをモチーフにしたおいなりさんに舌鼓を打つ

締めくくりは全員に振舞われる「神さまのおいなり」さんをいただくことに。このおいなりさんは、美山荘の料理人・中東久人が手がけたひと品で、宗田鰹、鰯、鯖の枯れ節を絶妙なバランスで配合した出しで炊き上げたお揚げが、干し椎茸の旨味を利かせた食感のある五目の酢飯をふんわりと包んでいる。日本神話のひとつ、古事記にも登場するウカノミタマノカミをモチーフにしているという。そのほか、「実山椒をきかせた 親子出汁巻」「野菜の旨味感じる 筑前煮」などのメニューや、日替わりのスペシャルメニューも用意。イートスペースにはお出汁のよい香りが漂い、そのにおいだけでも食欲がそそられる。
見て、聞いて、触れて、香って、味わって。五感をフル活用して「和食」の奥深さを体感し、その魅力を存分に満喫させてもらった。

「見て、食べる体験型デジタルアート 食神さまの不思議なレストラン展」

美山荘の料理人・中東久人の手による「神さまのおいなり」

見て、食べる体験型デジタルアート

ショップでは作家による和食器なども購入できる

 

開催日程: 2017/1/28(土)~5/21(日)

会場:
日本橋茅場町 特設会場
東京都中央区日本橋茅場町1-8-1 (東京メトロ東西線・日比谷線「茅場町」6番、12番出口から徒歩1分 )

 

購入

 

>>同時開催「スーパー浮世絵「江戸の秘密」」のレポートはこちら