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スーパー浮世絵「江戸の秘密」展 レポート

スーパー浮世絵「江戸の秘密」展レポート

スーパー浮世絵「江戸の秘密」展 レポート

公演日:2017/1/28(土)~2017/5/21(日)

心奪われる没入感。いざ、浮世絵の世界へ!

江戸時代に日本で生まれた絵画「浮世絵」。
今では美術館に所蔵されるような芸術作品だが、当時の人々は絵画としてだけでなく、庶民がホットなトレンドやニュースを知るための大衆メディアとして、広く親しまれていたそう。言わば浮世絵は、現代で言うところのテレビやネット。浮世絵の世界を紐解いていけば、当時のファッションの着こなしやグルメの流行、スキャンダラスな色恋沙汰まで、さまざまな秘密が露わになっていくのだ。最新のデジタル技術によって暴かれる、額縁から飛び出した“べらぼうに、エモい。”浮世絵の秘密に迫っていく。

 

門外不出の貴重な作品がデジタルデータで勢ぞろい

展示されている浮世絵は、ボストン美術館に所蔵されている貴重な作品のデジタルデータが使用されている。その中には門外不出のスポルディング・コレクションの作品もあり、まるで浮世絵の世界に入ったかのような没入感のある楽しみ方ができる美術展となっている。館内に流れている解説音声は六代目・片岡愛之助が務めており、江戸時代に出版された旅行マニュアルの著者“八隅蘆菴”に扮して軽快な口調で案内してくれる。

「スーパー浮世絵「江戸の秘密」展」

同会場では「食神さまの不思議なレストラン」も開催されている

 

いろいろな視点から江戸の世俗を体感

最初に出迎えてくれた浮世絵は、「東海道五十三次之内 日本橋 朝之景」。天秤棒を担いだ町人が実際に歩いているように映し出され、街の賑わいや喧騒も流れてきていきなり江戸時代にタイムスリップしたかのよう。実際に橋の上を渡ろうとすると、橋の下の水面には「魚づくし 鯉」「魚づくし 鮎」などで描かれた魚が泳いでいる姿も見える。作品を当時の景色のままに見ているうちに、だんだんと自分も江戸っ子になったかのような気分に。歌舞伎のエリアでは、当時のスターたちが目くるめく登場し、威勢のいい呼び声が響き渡る。「能」が貴族の楽しみであったのに対し、歌舞伎は庶民がラフでカジュアルに楽しんだ娯楽。コンサート会場でアイドルのポスターや生写真を買い求めるファンと同じように、歌舞伎役者の浮世絵を当時の人々はこぞって買い求めたのだろう。

「スーパー浮世絵「江戸の秘密」展」

あわただしく町人が行き交う日本橋の風景

「スーパー浮世絵「江戸の秘密」展」

イケメン歌舞伎役者が次々と映し出される

 

トレンドや流行に敏感な江戸時代の庶民たち

江戸時代は、戦乱を終えて平和が長く続いた時代。庶民は歌舞伎などを楽しむ余裕もできて、ファッションにもこだわりはじめた。髪の結い方や着物の着こなしにもトレンドがあり、ファッションリーダーや“カリスマ美容師”のような存在も町にはいたという。今でも髪のセット具合やメークのノリに一喜一憂しているのと同じで、当時の人々もいろいろと試行錯誤してはオシャレを楽しんでいたと知って、髪や着物のちょっとした違いを見つけるたびに、人間くささが感じられて一気に江戸が身近になってくる。

「スーパー浮世絵「江戸の秘密」展」

江戸っ子たちはファッションにも敏感!

 

海の幸が豊かな江戸の町、ド迫力の波が迫る!

スクリーンいっぱいに映し出されたのは、ザブンサブンと荒れ狂う波。その合間に、トビウオや巨大魚などが次々と飛び出し、ド迫力の海が迫ってくるこのエリアでは、江戸の町がいかに海の幸に恵まれた場所かを体感できる。また蛸や魚などの小道具を手にして撮影できる作品もあり、「富嶽三十六景 神奈川沖波裏」などを使った海の映像は絶好のフォトスポットだ。かつて魚の市場であった魚河岸は日本橋と江戸橋の間にあったそうで、関東大震災をきっかけに築地へ移転されることになったという。だが、移転に反対する声も多くモメにモメまくり、移転が完了するには結局10年以上もかかったとか。はてさて、最近もどこかで聞いたような気がする話だが…。

「スーパー浮世絵「江戸の秘密」展」

背丈よりも高い波はド迫力。大きな魚に注意!

 

四季折々の花魁道中、遊郭・吉原の楽しみ方

そして、最後は華やかな花魁が登場。幕府公認の遊郭・吉原は男性だけの歓楽街ではなく、多くの観光客が詰め掛ける場だったそうだが、やはり花形は独特の文化を発展させた花魁の世界。浮世絵では花魁の美しさをより際立たせるため、浮世絵では通常ではありえないほどの数の簪が描かれるなど、さまざまな工夫が施されているという。移ろう季節の中、しゃなりしゃなりと歩く花魁の姿は実に優美。ぐるりと並んだ格子の向こうには、見世に並んだ美女たちが物憂げな表情で並んでいて、近づくと視線を合わせて一瞬微笑みかける。その刹那に、当時の男たちは色めき立った違いない。このほかにも会場には、町民の間でまことしやかに語り継がれた怪談エリアなど、さまざまな体感スポットが盛りだくさん。鑑賞ではなく、旅行のような気分で訪れてみてはいかがだろうか。

「スーパー浮世絵「江戸の秘密」展」

穏やかな笑顔で歩く花魁たちに見とれてしまう

 

開催期間: 2017/1/28(土)~5/21(日)

会場:
日本橋茅場町 特設会場
東京都中央区日本橋茅場町1-8-1 (東京メトロ東西線・日比谷線「茅場町」6番、12番出口から徒歩1分 )

 

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>>同時開催「食神さまの不思議なレストラン展」のレポートはこちら