【インタビュー】wacci
“ベツカノ”が話題のwacciが47都道府県ツアーを開催中!
2018年の8月に配信リリースされたwacciのシングル「別の人の彼女になったよ」(通称:ベツカノ)のMVの総再生回数が1500万回を超え、コメント総数は一万件を突破。1年以上経った今もなお話題となり続けていることを当事者はどう感じているのか。バンドのメインソングライターで、ボーカル&ギターの橋口洋平に話を聞いた。
「スタッフ間では賛否両論あったんですけど、自分的には手応えがあったし、メンバーが絶対に出した方がいいって信じてくれて、リリースに至った曲だったんですね。実際に出したあとは、賛否、両方の意見が力を持って、どんどんと広がって行って。YouTubeのコメント欄に書き込まれた恋愛エピソードがバズったり、いろんな人がカバーしてくれたり、テレビで紹介してもらったりして。僕らの手を離れたところで広がっていってくれたのが嬉しいなと思いますね」
同曲を含む3rdアルバム『群青リフレイン』を引っ提げて行った初の47都道府県ツアーでは、元カレと今カレの違いを綴った女性視点のラブソングを全国の新しいファンに届けた。
「聴き手の日常に寄り添う音楽をやっていきたいバンドだからこそ、自分たちの足でみんなが実際に日常を過ごしている街に行って、自分たちの歌を伝えることはすごく大事だなと思ったし、僕らの音楽を受け止めてくれる人の顔を各地で見れたことは、すごく有意義な時間だったと思いますね。この人たちをもっと笑顔にしたい、もっといい景色を作りたいという覚悟と決意が固まったツアーだったなって思います」
12月でバンド結成10周年を迎える彼らは、2年連続となる47都道府県ツアーを敢行。アコースティック/ライブハウス/ホールという、3編成でキャリア最大規模のツアーとなっている。
「ベツカノが広がっている今、このタイミングだからこそやるべきツアーだなって思ってて。曲だけは知ってるっていう人ともちゃんとコミュニケーションをとって、1曲1曲を丁寧に届けたいって思ってますね」
ライブハウスツアー中には、前回のツアー中に生まれた、仲間との絆をテーマにした「Buddy」や初のウエディングソング「結」、ドラマBiz「ハル~総合商社の女~」主題歌として書き下ろした「Baton」などを収録した4枚目のアルバムをリリース。
「ベツカノ」(ボーナストラック)に加え、別れから忘れるまでの葛藤を描いた、「ベツカノ」のサイドストーリー的な失恋ソング「足りない」などを収録した新作を『Empathy』と名付けた。
「自分たちがこの10年間で積み上げてきたものをひと言で言いたいなって考えていたときに、“エンパシー”という言葉に出会って。シンパシーは同情寄りの共感なんですけど、エンパシーにはポジティブな意味合いも含まれている。普通の日常を歌って、明日も頑張ろうって思えるような存在でいたい僕らにぴったりの言葉だと思って。wacciというバンドが生まれて10年やってきた意味が込められたアルバムになったと思うし、10年目にしてやっと、みんなが同じ土俵で笑顔になれるツアーができてるなという実感もあるんですね。そして、ライブハウスツアーの後のホールツアーでは必ず最高の景色をみんなで作りたいと思ってます。ここで1つの答えを見つけないとその先にはいけないなと思うので、10年目のその先にみんなで笑顔で行けるように、まずは、ホールツアーの成功を目指したいと思いますね」
プロフィール
ワッチ
小野裕基(Ba)、因幡始(Key)、橋口洋平(Vo/Gt )、村中慧慈(Gt)、横山祐介(Dr)から成る5人組ロックバンド。2012年にミニアルバム「ウィークリー・ウィークデイ」でメジャーデビュー。
公演情報
47都道府県ツアー 2019-20~Empathy~
インタビュー・文/永堀アツオ
構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載