【インタビュー】ビッケブランカ
2022/5/15(日)
デビュー5周年をまとめる
セルフタイトル・ツアーを開催
いつもの日々がカラフルに彩り、あるいは誰かの感情や記憶に寄り添う芳醇なポップスを織り上げてきたビッケブランカが、メジャーデビュー5周年を迎えた。3月にはファン投票による曲を中心に選曲した初のベスト・アルバム『BEST ALBUM SUPERVILLAIN』をリリースし、同日に公開された俳優・遠藤憲一を迎えたショートムービーは、アーティスト・ビッケブランカを紐解き、これからを予感させる内容にもなった。そして4月には新曲「Changes」をリリース。制作で「いろんな気づきがあった」と語るこの「Changes」は、フランスに実在するゲイのアマチュア水球チームの奮闘を描いた映画、『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』の新作で『シャイニー・シュリンプス! 世界に羽ばたけ』の全世界共通エンディング曲に決定。物語の余韻としてサムシングを投げかける音楽であると同時に、ビッケブランカの曲としても新たな感覚に触れ、内から湧き出るエモーションで溢れた曲だ。
「この曲について表現するのが難しいんですけど。より本質的で明解で、かと言って安直ではない。今までの曲を作っている感覚ともすべてが違って。奇抜なことをやっていないんですけど、いちばんビッケブランカじゃない感じがするというか。サビがすごく自分にリンクしていて。心が乗るってこういうことなのかなって思いました」
この「Changes」がビッケブランカのキャリアのなかでどのような位置付けになっていくのかはこれから明らかになっていくわけだが、新しい一歩になるのは間違いない。8月からはセルフタイトルを冠した全国ツアー〝THE TOUR「Vicke Blanka」〟がスタートする。新しいアイディアをどんどん形にするビッケブランカゆえ、蓋を開けてみるまでどんなツアーになるかは乞うご期待。
「『Changes』という曲に加えて、セルフタイトルを冠したツアーという、このふたつの素材だけでも面白いものが作れると思います。今回のツアーは、ひとつのアルバムを視覚化するものではなく、ビッケブランカの5年間を2時間に込めるものなので、これまでとは全然違うものになりますし、きっといいものになるだろうという感覚がありますね」
ビッケブランカとしてライブをはじめてから一貫して変わらないのは、「価値のある時間になれ」ということ。2ndアルバム『wizard』のツアーでは、作品のポップワールドを目一杯広げ、観客がその世界観に没入できるようにステージセットの製作にもこだわった。
「そういうのが好きなんだと思います。例えばバンドだったら、大きな会場にバックドロップだけ下げて爆音を鳴らしてやるのも様になるけれど、昔から観ているマイケル・ジャクソンや、ミーカの1stアルバム『Life in Cartoon Motion』がリリースされた頃のライブは、演出がしっかりしていて非常に面白くて。それは『wizard』のツアーのときにスタッフと動画を共有しましたね」
5周年のひとつの集大成となる全国ツアー“THE TOUR「Vicke Blanka」”、そしてビッケブランカの2022年にも注目していきたい。
「実は、5周年をはじめるときに掲げたことが今、実現できているんです。仕事の垣根を越えることと、国境を超えること。一丁前に月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』に出演させてもらったり、フランス映画のエンディングが決まったりとか。ここまでの間にも新しいことをやれているので、この先も楽しみにしていてほしいです」
プロフィール
ビッケブランカ
今年メジャーデビュー5周年を迎えたシンガーソングライター。3月にはベストアルバム「BEST ALBUM SUPERVILLAIN」をリリース。
公演情報
THE TOUR「 Vicke Blanka」
- 8/27(土) 17:30 愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
- 9/9(金) 18:30 大阪・フェスティバルホール
- 9/16(金) 18:30 石川・金沢市文化ホール
- 9/18(日) 17:30 福岡国際会議場 メインホール
- 9/23(金・祝) 17:30 宮城・トークネットホール仙台 小ホール
- 10/10(月・祝) 17:30 北海道・札幌市教育文化会館
- 10/30(日) 17:30 東京ガーデンシアター(有明)
インタビュー・文/吉羽さおり
構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載