【インタビュー】T字路s

 

T字路s

愛と闘志が詰まった不屈の音楽

 

T字路sの音楽を聴くと、体中に闘志がみなぎってくる。伊東妙子と篠田智仁によるデュオは、ブルース、カントリー、ロック、R&B、レゲエ、シャンソンなど多様な音楽のエッセンスを詰め込み、“現代のブルース”とも称されている。

篠田 当時のブルースをやっていた人たちの嘆きといまの時代に生きている僕たちの嘆きは違うので、昔の音楽を真似するのではなくて、生活に根付いた音楽を目指しています。僕らの音楽をブルースと捉えてもらえるのは嬉しいですね。

彼らの大きな魅力は、伊東妙子の生命力あふれるパワフルな歌声と不屈の歌の世界。心が折れそうなときにも頼もしい味方となってくれる音楽なのだ。

 

T字路s

 

伊東 ついつい、転んでも立ち上がる、みたいな歌になってしまうんですよ。それは私の性格によるところが大きいのかもしれません。

2ndアルバム『PIT VIPER BLUES』には世界的トランペッター、エディ・ソーントンなども参加しているが、核となっているのは二人。シンプルなのに表情豊かで、一発録りによって熱も気合も生々しく封じ込められている。

篠田 ライブは二人でやることが多いので、二人で成立する音楽を作ろうという意識はありました。そこでいかにグルーヴを出すか、変化をつけるか、試して詰めて、レコーディングは気持ちを大切にしました。

「暮らしのなかで」「孤独と自由」など名曲満載。ライブでおなじみの「泪橋」も新録されて、彼らが原点を忘れず成長し続けていることも伝わってくる。“PIT VIPER”はマムシという意味がある。

伊東 静かに身を潜めているけど、人の心を一撃で射貫く毒を持ってるぞということでマムシを自分たちのテーマ・アニマルにしています。

ツアーも控えている。彼らの音楽の生の猛毒を浴びることは、聴き手の生命力を高めてくれるに違いない。

伊東 自分たちでも気に入っいてる曲ばかりなので、早くライブをやりたいです。アルバムに封じ込めた二人の気合を爆発させたいです。

 

T字路s

 

篠田 自分らはライブバンドで、ライブにこそ真骨頂があるんですよ。新作も全力で作りましたが、ライブではさらにそれ以上のものを見せられたらと思っています。

 

プロフィール

てぃーじろす

'10年5月に結成。伊東妙子(Gt,Vo)、篠田智仁(Ba/COOL WISE MAN)によるギターボーカル、ベースのデュオ。

 

公演情報

 

“PIT VIPER BLUES”リリースツアー

 

3/28(木)20:00 大阪・梅田クラブクアトロ

3/29(金)20:00 愛知・名古屋クラブクアトロ

4/4(木)20:00 宮城・仙台MACANA

4/5(金)20:00 北海道・BESSIE HALL

4/11(木)20:00 福岡・the voodoo lounge

4/12(金)19:30 広島クラブクアトロ

4/26(金)20:00 東京・LIQUIDROOM

 

 

インタビュー・文/長谷川誠

写真/阿部卓功

構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載

※写真は本誌とは異なります