【インタビュー】高瀬統也

WORLD TOURは世界から日本へ！

シンガーソングライターの高瀬統也は、2020年の香港でのバイラルヒットと、2022年にリリースした「どうして feat. 野田愛実」の日本ヒットを追い風に、国内外で精力的な活動を続けている。キャッチーなメロディや、エレクトロ、R&B、シティポップ、ヒップホップ、K-POPなど様々なジャンルを織り込んだビビッドなサウンドが、多くの人の心を掴んだ。

「自分自身が楽しんで音楽をやるのはもちろんのこと、誰が聴いてもいい曲だと思えるものであってほしいんですよね。最近は自分の周りにいる人間はもちろん、過去にお世話になった人にも届く音楽を楽しみながら作りたいと思っていて、最新アルバムの『8』は10代の頃に作った曲がほとんどなんです。それを今の高瀬統也で仕上げた作品になりました」

アルバム12曲中8曲が、21歳までに制作した前名義での楽曲である。直感的に選曲をした結果、全曲を並べると出会いと別れ、新たな旅立ちまでを描いた作品となった。

「過去曲はかなり背伸びをして書いていましたね。ただ当時は背伸びをしていることにも気づいていなかったんです。当時の自分は10歳くらい上に見られることが多かったので、無意識のうちにそういう自分でいなければいけないと思っていたんでしょうね。だから当時作っていた曲が、本当の意味で今の自分の等身大になってきました。『8』もそもそもの素材を整えるような制作で、歌詞も言葉遊びを入れたり英語の文法を整えたくらいで、ほとんど変わっていないんです。とはいえ1曲1曲と向き合って完成させていったので、過去曲とはいえ新曲という感覚なんですよね」

同作を引っ提げて、7月からTAKASE TOYA WORLD TOUR 2025『8』がスタートした。7月末の台北公演から9月上旬のジャカルタ公演までは海外を10カ所回り、10月以降は札幌公演から再び日本に舞い戻る。

「一番忙しい時期に引っ越しをするのが好きなので、ジャカルタ公演と札幌公演の間の1カ月で引っ越しがしたいですね(笑)。でもそれまでに日本と海外を行ったり来たりしているから燃え尽きてるかもしれないし……。少し先の未来の自分でさえも、何をしているのかまったく想像がつかないな。でも10月以降は、ツアー前半の東名阪とはまた違うモードになっている気がします。初めて行く土地も多いので、うまい飯いっぱい食いたいですね。仙台ではステージ上で牛タンとか食べたらダメなのかな？(笑)」

東名阪のファイナルシリーズはサポートバンドとDJを招いた編成で、キャリア史上日本国内最大規模の会場で開催される。とはいえ彼の活動のスケールと会場のキャパシティのギャップに驚く人は少なくない。

「『意外と大きい会場でやってないんだね』ってよく言われるんですよ。それって現実よりもいいイメージを持たれているということだと思うんです。実際に会場の規模は着実に上がっているし、再生数も全然落ちてないし、失っているものは何もない。すごくオイシイなと思うんです(笑)。Zepp Nagoyaのステージは絶対に自分のワンマンで初めて上がりたいと思っていたので、これまでイベントにも頑なに出て来なかったんですよね。『Zeppって大きいな』と感じるタイミングではなく、自分自身がZeppに見合うアーティストになれたタイミングで初めて立てるのが嬉しいです。今回のツアーは過去最高のVJを入れたりと演出にも力を入れているし、今までどおり自分がやりたいことをやりたいようにやります。自然体で、来てくださった一人ひとりに感謝しながら楽しみたいですね」

誌面連動Q&A

• Q.
  手土産を選ぶポイントは？

A.
「みんなに食べてほしいので選ぶのは絶対に王道なもの。東京と名古屋をよく行き来しますけど、東京から買って帰るときは昔からいつも「東京ばな奈」です」