【インタビュー】根木龍一&タカハシコーキ&遠藤治郎(集楽座 Collective Sounds & Cultures)

2026/10/15(木)

根木龍一&タカハシコーキ&遠藤治郎(集楽座 Collective Sounds & Cultures)

タカハシコーキ(左)、根木龍一(中央)、遠藤治郎(右)

誰もが主役で誰もが風景の一部になれる場所

この秋、都会の真ん中に2日間だけの自由空間が突然出現する。10月24、25日に東京・代々木公園野外ステージで開催される新たな体験型フェスティバル、それが『集楽座』だ。

タカハシコーキ「集楽座は、今は失われつつある『村のコミュニティ』や、お互いの顔が見える人間社会を再発見できるようなものにしたいと思って、コンセプトを作りました。現代社会を生きていると、気付くと社会的な肩書や、SNSフォロワー数などで、人を判断してしまいそうになることがあります。そういったものを一度リセットして、自分と、人と向き合う場になればと思っています。日本古来の『座』という言葉には、文化などが生まれる場所というイメージがあります。集楽座では、人が集まって新しいものが生まれていく、フェスティバルという言葉では表現しきれないコミュニティを作りたいと思っています」

根木龍一「集楽座は、代々木公園野外ステージを囲んで空間をつくるという新たなプロジェクトです。祭りでもなく、フェスでもなく、村なのかマダンなのか、アースガーデンもナイトマーケットも同時開催だから、誰でも立ち寄れる。2日間だけ都会に現れる異空間になると思います」

当日は音楽ステージに加え、アート、フード、ハンドメイドグッズ、ワークショップなどが楽しめる「アースガーデン“秋”」「東京ナイトマーケット」が同時開催。空間全体のデザインも含め、まさに多様性フェスティバルの『楽しさ』が『集まる』、それが集楽座の魅力だ。

タカハシコーキ「集楽座は音楽だけを切り取ったイベントではなく、この週末に代々木公園で起こる様々なことが重なって、1つの風景になることをイメージしています。渋谷・原宿は世界中からカルチャーや人が集まってくる場所です。その中心にある代々木公園は、ある意味余白の部分。今回、実は“代々木公園でやるなら”という所からコンセプトを考えることでスタートしました。誰もが身近に感じるこの公園で、多くの人が帰って来たくなるような、都会のふるさとを作ることにしました」

根木龍一「“代々木公園でやるなら何ができるのか”という問いからスタートしているので、面白いんですよね。可能性に満ち溢れている場所だとは思うけど、都会だから難しいこともあるし、でもここでしかできないことを考えるのが楽しいです」

遠藤治郎「代々木公園のステージ前の空間は、もともと完全にオープンなのですが、今回はそこに緩やかな内と外を隔てる集落のような建築的空間を構想しています。それは見え隠れする奥行きのある質を纏います。ステージ上にもそうしたしつらえを考えています。照明は、ライブイベントで見るような光線的なものよりも、音楽と呼応する建築の灯りというようなものが主体になると思います」

もちろん、音楽ステージの充実はフェスティバルの魅力の1つ。ライブ参加のチケットを『支援参加券』として販売するのも、他にはないユニークな試みだ。他の音楽フェスとは一味も二味も違う集楽座のコンセプトに沿った、特別なアーティストの共演に注目しよう。

タカハシコーキ「アーティストの選定は、集楽座という空間に置いたときにどんな風景を作るのか、それがお客さんにとってどんな体験になるのかを想像しながらブッキングしています。例えば民謡クルセイダーズや中西レモン&すずめのティアーズ、安部勇磨(Band Set)、T字路sは、日本人にとって原風景を体験させてくれるような存在で、ELECTRONICOS FANTASTICOS!やCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、北村蕗は、都会的な音と日本人のアイデンティティを融合したような、現代日本の縮図というか、道しるべになれる存在だと思っています」

根木龍一「オルタナティブかつ土着的であり、都市生活からも生まれている音を奏でているアーティストのラインナップになったかと思います。言葉にすると難しいけど、みんなで話し合い直感的なブッキングをしています」

いつだって、始まりのときが1番ワクワクするもの。今年が記念すべき第1回『集楽座』になるが、出演アーティストなどについては「次回のイメージもしています」と根木は話す。まずは心と身体をニュートラルにリセットし、初年度のワクワクを自由に楽しもう。集楽座へようこそ。

タカハシコーキ「タイムテーブルを確認せずに、予定も決めずに来てもらうのが、個人的には1番好きでおすすめの楽しみ方です。面白いお店があったら入ってみるのと同じ感覚で、音が聴こえてきて、気になったら立ち止まればいい。その場で出会ってほしいと思っていますし、全部見なきゃと思う必要もないのです。集楽座は、誰か特別な人のためのイベントではありません。自由に来て自由に楽しんでください。そこでたまたま誰かと知り合ったり、知らないアーティストやショップなどを好きになったり、少しでも違う自分になれたら、それが集楽座だと思っています。誰もが主役で誰もが風景の一部になれる場所、是非あなただけの集楽座を見つけに来てください」

根木龍一「『集楽座 Collective Sounds & Cultures』という新しい空間をみんなでつくっているので、初年度から来ていただくと面白いと思いますよ。集楽座を居場所にして、2日間、代々木公園を楽しむ。自由です」

集楽座 Collective Sounds & Cultures

プロフィール

タカハシコーキ

ライブハウス『青山 月見ル君想フ』に15年間務め、1000本を超える公演を制作。日本と世界を繋ぐ「新たな起点」を多角的に創出し続けている。

根木龍一/ねぎりゅういち

橋の下世界音楽祭の主催の一人。FUJI ROCK FESTIVALのNew Stage「ORANGE ECHO」のライブ制作や、各種イベントプロデュース、海外公演をブッキングするなど、国内外で活動中。

遠藤治郎/えんどうじろう

フェスティバルアーキテクト・演出家・照明家・セノグラファー・映像監督。建築・展示空間ディレクターとして、大阪・関西万博「いのちの未来」にも携わる。

公演情報

集楽座 Collective Sounds & Cultures

  • 10/24(土) 東京・代々木公園野外ステージ アースガーデン“秋”内
  • 10/25(日) 東京・代々木公園野外ステージ アースガーデン“秋”内

[出演]

  • 【10/24】鬼の右腕、北村蕗、滞空時間 Taikuh Jikang、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、民謡クルセイダーズ 他
  • 【10/25】安部勇磨(Band Set)、ELECTRONICOS FANTASTICOS!、Summer Eye、T字路s、中西レモン&すずめのティアーズ 他

インタビュー・文/宮本英夫
構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載

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