【インタビュー】雨のパレード&King Gnu

 

雨のパレード&King Gnu

リアルな音楽の現場を目撃する、ROCK AX始動!

 

2019年、“今、目撃するべき本物のライブを、体験”をコンセプトに掲げた、日本テレビによる新LIVEブランド「ROCK AX」が始動する。その第一弾が1月22日(火)、23日(水)の2日間TOKYO DOME CITY HALLで開催されることが決定した。ライブ猛者から気鋭のバンドまでがラインナップされた初回。今回はそのなかから、無二のサウンドを磨き続ける2組、雨のパレードから福永浩平と大澤実音穂とKing Gnuから井口理と勢喜遊にイベントの思いを語ってもらった。今回、両者の共演は3年ぶりだという。

勢喜 まだKing Gnuという名前に変わる前に、青山の月見ル君想フで対バンしているんですよね。たしか今の4人になって、名前が変わる前のライブ一発目だったと思う。

井口 雨のパレードはメジャー盤を出した頃?

福永 まだインディーズだったと思う。今回のROCK AXはそれ以来の対バンなんです。でも、メンバー同士では付き合いがあるんですよね。うちのベース(是永亮祐)と仲いいんだっけ?

勢喜 僕は、毎週火曜日に六本木でセッションしているんですけど、亮ちゃんはそこによくきてくれるんですよ。

井口 共通の知り合いも多いし、どこかでふわっと繋がっているんですよね。

 

雨のパレード&King Gnu

 

対バンの機会こそなかったが、バンドのアイデンティティを確立していく時期に出会ったからこそ、互いの存在は気になっていた。福永が、いまのKing Gnuの勢いについて語ると──。

井口 それをいうなら、2年くらい前、僕らが新宿の年末イベントに出て、ライブ後に重たい機材を持って信号待ちをしていたとき、目の前にBillboard JAPANのランキングが出ていて。雨パレがバーンと出ていたんですよね。それが、強烈だった。雨パレ、今こんなになっているんだ。俺、何してるんだろうって。

雨のパレードは昨年3rdアルバム『Reason of Black Color』をリリースした。ドリーミーで内省的なエレクトロ・サウンドと、フィジカルで創造的なビートが織りなす、独自の温度感を持った音楽は、コアな音楽ファンからフェスの開放的なシーンでも評価を高めている。またKing Gnuは今年メジャー・デビューアルバム『Sympa』がリリース予定であり、先駆けて発表した1stシングル「Prayer X」が話題だ。多彩なバックボーンと自由な発想の掛け合わせが生む新世代のミクスチャーで、ファンベースを拡大している。ヴィジュアル面においてもそれぞれの審美眼がある両バンドにとって、“ライブ”とはどういうものなのか。

 

雨のパレード&King Gnu

 

福永 お客さんには、音に陶酔してもらえればいいなと思っているんです。機材の面白さや、曲間のインタールードでも、他にはない自分たちの個性が出せていたらいいなと思っていますね。

大澤 観客が手を上げていたら、盛り上がってる、みたいなライブもあると思うんですけど、わたしたちのお客さんは、音に浸ってくれる感じなんです。とくに意思表示しなくてもいい、自由に音楽を受け取ってもらえたら嬉しいですね。

井口 King Gnuのライブは泥臭い。音源を聴いて、ヴィジュアルを見て来たお客さんは、驚くと思うんです。アレンジも攻撃的だったりもする。僕らもお客さんには強制しないので、各々が楽しんでくれたらと思うんです。歌いたかったら一緒に歌おうっていう感じだしね。

勢喜 作品はあくまでライブでやることを想定せずに作っているんです。デモの時点で音数も多くて、ギターひとりでは再現できないし。再現しようと思うと、あまり面白さはないと思うんです。そこは4人でできる範囲で、工夫を凝らしてやるっていう感じですね。

 

雨のパレード&King Gnu

 

おきまりの何かを求めるよりも、ステージの上でも常にクリエイティヴで、その場でしか鳴り得ない刺激がある2組と同日には日本が誇るジャムバンド・SPECIAL OTHERSもラインナップ。“今、目撃するべき本物のライブを、体験”を掲げるROCK AXの初回にふさわしい共演を楽しみにしてほしい。

福永 イベントの第1回目のアクトに選んでもらえたのは嬉しい。もう1組のSPECIAL OTHERSと僕らはレーベルメイトなんですけど、この前対バンしたときはお互いにアコースティック・セットだったので、今回の対バンは楽しみです。今年から更に活動的に新しいことをやっていこうと考えていたところなんです。これをきっかけにスピード感をあげて、これまで以上に本気で打ち込めればと思ってます。

勢喜 King Gnuにとって、2019年の幕開けとなるのが、このROCK AX。今年は、メジャーでのアルバム『Sympa』のリリースのタイミングでもあって、まさにゼロ章から一章にという節目の年になるので。いいライブにしたいですね。

 

雨のパレード&King Gnu

 

プロフィール

アメノパレード

福永浩平(Vo)、山崎康介(Gt&Syn)、是永亮祐(Ba)、大澤実音穂(Dr)から成る4人組バンド。中毒性を持つ独創的な世界観とバンドという形態に拘らないサウンドメイクで注目されている。

 

キングヌー

クリエイター常田大希(Gt.Vo.)がSrv.Vinciという名前で活動を開始。常田、勢喜遊(Drs.Sampler)、新井和輝(Ba.)、井口理(Vo.Key.)の4名で、'17年4月からKing Gnuの名で活動中。

 

公演情報

 

ROCK AX Vol.1

 

2019/1/22(火)19:00 TOKYO DOME CITY HALL

2019/1/23(水)19:00 TOKYO DOME CITY HALL

 

 

インタビュー・文/吉羽さおり

写真/阿部卓功

構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載

※写真は本誌とは異なります