【インタビュー】Rhythmic Toy World

2022/4/15(金)

Rhythmic Toy World

アルバム、ツアーを通して
ファンにエネルギーを与えたい

まっすぐな想いを曲に乗せ、多くの人の背中を押し続けるロックバンド、Rhythmic Toy Worldが新体制となって初となるミニアルバム『ココロートの種』を完成させた。 感情をそのまま詰め込んだような生々しさに心を動かされる内容になったことについて、フロントマンである内田直孝はこう語る。

「不特定多数や、限定的な誰かに向けてというより、ひとりの人間として僕はこう考えて生きているということを書いていったんです。 そこに対して何かしら共感する部分があって、聴いた人が救われれば良いなと思うし、その人たちを本気で救いたい。それが生々しい世界観になっていったんだなと」  

感じたことをおもいっきりぶつける。アニメやCMへ楽曲提供をする機会も多く、13年のキャリアを誇るバンドではあるが、 強い初期衝動感が伝わってくる。

「今回、初めての単独作と同じ気持ちで作ろうとメンバーとも話したんです。あれって、自分たちの音楽がどう響くのかもわかっていない状況だったけど、自信だけはあって、凄くきらめいていた瞬間だとも思ったし。 今、頭で考えることが多すぎて、心で感じることが少なくなっているじゃないですか。リスクヘッジも大切なことだけど、それを僕らの音楽活動に投影したくないなって」

 作品の入り口となるのは京都文教中学高等学校のダンス部とのコラボが話題にもなった「青と踊れ」だろう。コロナ禍で思うような活動ができない学生たちに「一生の思い出が残るようなことをしてあげたい」という顧問の先生からの熱い気持ちに 応えたことで実現し、書き下ろした。

「最初は学生の青春をイメージしたんですけど、33歳の僕が必死にそれを練り上げたところで、きっと彼らのリアルには届かないなと思ったんです。そこで、僕が今、感じていることを素直に書いていくことによって、 世代を超えたみんなへのファイトソングになりえるんじゃないかと考えました」

社会へ向けたシニカルな歌詞とラップが融合した「ゴーストタウン」は彼ららしさが進化した1曲。

「僕らが心の陰を描く場合、多少ひねくれていてクセが強い感じが似合うと思っていて。ちょっと斜に構えた曲に乗せてぶっ刺しにいくみたいな。 しばらくそういう曲がなかったので歌いたいと考えていたんです」

作品を締めくくる「心音」は今の社会状況によって閉塞感にさいなまれるファンへ贈るラブレターでもあり、この先も一緒に歩んでいこうという約束として響き渡る。

「映画のエンドロールのように、ライヴで最後にやる曲になると思っていて。みんなで行進しているイメージですね。いっぱい進まなくても、みんなと一緒に少しずつでも進めるならホントに幸せなことだよなって」

5月からは全公演ワンマンのリリースツアーが開催される。温かく迎えてくれるファンがいるからこそ、自らに課すハードルも高い。

「僕らにとってもそうですし、来てくださるファンの方にとっても、ライヴ1本1本に凄く意味があって、価値のある選択と時間だと思うんです。だから、それを何倍にもしてお返ししないとなって。 いかに自分たちの活動がガッツに溢れているか。その溢れ出るエネルギーをみなさんに分けていけたらなと思っています」

プロフィール

リズミックトイワールド

’09年結成のロックバンド。昨年3月より、須藤憲太郎(Ba)、内田直孝(Vo,Gt)、岸明平(Gt)(写真左から)の3人体制で活動中。

公演情報

ありおりはべりいまそかりツアー

  • 5/27(金)19:00 茨城・水戸LIGHTHOUSE
  • 6/18(土)18:30 福岡LIVE HOUSE Queblick
  • 6/24(金)19:00 宮城・LIVE HOUSE enn 2nd
  • 7/7 (木)19:00 愛知・名古屋クラブクアトロ
  • 7/8 (金)19:00 大阪・梅田Shangri-La
  • 7/15(金)19:00 神奈川・CLUB CITTA'

インタビュー・文/ヤコウリュウジ
構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載

お気に入り登録して最新情報を手に入れよう!

Rhythmic Toy World

国内アーティスト