【インタビュー】Official髭男dism

 

Official髭男dism

全国アリーナツアーの開催が決定!

 

ストリーミング再生回数でトップ3を「Pretender」「宿命」「イエスタデイ」が占めるなど、今最も「聴かれている」アーティスト、Official髭男dismが待望のメジャー1stアルバム『Traveler』をリリースした。彼らの存在を一気にお茶の間にまで拡張した前述の「Pretender」(映画『コンフィデンスマンJP~ロマンス編』主題歌をはじめ、今夏の高校野球放送で知った人も多いであろう「宿命」(2019ABC夏の高校野球応援ソング/『熱闘甲子園』テーマソング)、そして映画『HELLO WORLD』主題歌である「イエスタデイ」のほか、すでにライブで鉄板の人気曲「Stand By You」や「FIRE GROUND」「Amazing」「バッドフォーミー」などに加え、アルバムで初お目見えの楽曲も粒ぞろいの全14曲を収録している。

藤原 毎回、音楽的にいいな、面白いなと思うことを4人でやって、たまたまそのうちの「Pretender」がたくさん聴いてもらえて、次のステージに連れて行ってくれるきっかけになりましたけど、それを言うとどれも同じぐらい最高に大事な曲ばかりなんですよ。

松浦 「Pretender」で僕らを知ってくれた人がアルバムを通して聴いて、ヒゲダンのこの顔もいいな、みたいに僕らのまた違った良さを見つけてもらえたらいなと思いますね。

強力なヒット曲や既発曲が居並ぶだけに、コンセプチュアルというよりは彼らの1年半のドキュメントのような仕上がりに。

藤原 見返してみるとほんとに充実した日々を送っていたんだなってことがわかる“旅の記録”って感じですかね。アルバムとしていいものを作るというのももちろん大事なことだと思うけど、1曲1曲いいものを作るほうが僕の今の感覚には近くて。それが14曲並んだフォトアルバムみたいな、その時々の自分たちのやりたいことを切り取って作っていって、それをパッキングして世に出した感覚です。

非凡なメロディセンスやアレンジ、構成の巧みさは、ピアノポップ、ファンク、ハードなロックやR&B調のナンバーなど、様々な表情を見せるが、どれもヒゲダンらしい遊び心と歌詞のリアリティが一貫している。

さらに今回のトピックとしてメインソングライターの藤原以外にギターの小笹とベースの楢﨑の作詞作曲曲が収録されていることも見逃せない。小笹作の「Rowan」はヒップホップ・アーティストでアレンジやプロデュースも手掛けるThe Anticipation Illicit Tsuboiが全面的に参加。PUNPEEやJ.J.J.、KANDYTOWNなど、日本のアーティストで小笹のアンテナに引っかかったアーティストのほとんどがThe Anticipation Illicit Tsuboiのワークスだったことが依頼した理由だという。

小笹 Nujabesやコモンなど生楽器系のヒップホップが好きで、少しドープなものへの憧れもあったので今回、いい機会なので作ってみました。さとっちゃん(藤原)の低めのミックスボイスを使いたくて、キーを低めにして。それによってセクシーかつ侘しさや切なさが出せたかなと思います。

藤原 確かにキーが結構低くてびっくりしましたけど、歌録りのときはメンバーのディレクションでいろいろアドバイスをもらいながらやってみました。それがすごく印象に残っている曲ですね。

圧倒的な歌唱力を誇る藤原だが、高音の魅力とはまた違う味わいが加味された印象だ。

また、楢﨑作の「旅は道連れ」はメンバー4人の演奏を生っぽく仕上げた温かい1曲。メンバーは楢﨑のキャラクターが前面に出た曲だと口を揃えて言う。

楢﨑 ハッピーな感じのテンションというか、現場の空気感も入れたかったし、ヒゲダンがすごい勢いで大きくなってきた中でもちゃんと隙を見せておきたいなというか、『脇甘いっす、自分』みたいなところを(笑)表現したくて。

バンドのムードメーカーかつバランサー的な役割を果たしながら、実は俯瞰で状況を見ている彼らしい1曲とも言える。

本作『Traveler』を携えた10月からのホールツアー「Official髭男dism one- man tour19/20- Hall Travelers - 」はすでに全29公演がSold Out。3月からは単独では初のアリーナツアー「Official髭男dism Tour 2020 - Arena Travelers -」が決定。6月まで18公演を巡り、ホールツアーを含めると8ヶ月約50公演という、キャリア上未踏のチャレンジとなる。

楢﨑 ホールワンマンとアリーナワンマンでは同じ曲でも表現の仕方を変えていきたいなっていうのはあって。ホールをやりながらアリーナのアイデアもディスカッションしながら出しているところなんです。

松浦 この1年ぐらい、アルバム制作と並行してアリーナ規模のイベントにも出演したので、その経験は活きてくるなと思います。

小笹 単独でのアリーナ公演はあったんですけどツアーで行けるってことは仕掛けの量も全然変わってくるので、そこも楽しみにしてますね。

藤原 来年の6月までツアーやるんだなと思うと、ホンマかいな? だし、嬉しいことだし、やっぱり感謝ですよね。これだけやるってことはそれだけの人がライブに行きたいと思ってくれてるから実現できることなので。そこに来てくれた人には感謝と、『わ、なんか音楽ってめちゃくちゃ面白いじゃん!』というものを改めて伝えられるようなツアーにホールもアリーナもなればいいなと思っております。それにこれだけ長くやるので、僕らもどこかのタイミングで新しい曲を入れたくなるだろうし、そういうのもスピーディにライブに組み込んで、一緒に楽しんでくれたらいいですね。

藤原曰く、「回りきった後にどういう人間になってるか楽しみですね。顔つきとか変わってそうじゃない?」と自分でも想像のつかない旅に出る本音も。単に急成長と形容しにくい、ジャパニーズ・ポップ・ミュージックの進化と変化を実践中の彼らの今をぜひ目撃してほしい。2020年代のグッドミュージックはヒゲダン、そしてオーディエンスであるあなたのどちらが欠けても成立しないのだから。

 

プロフィール

オフィシャルヒゲダンディズム

藤原聡(Vo/Pf)、小笹大輔(Gt)、楢﨑誠(Ba/Sax)、松浦匡希(Drs)からなる山陰発ピアノPOPバンド。愛称は「ヒゲダン」。

 

公演情報

 

Official髭男dism Tour 2020- Arena Travelers -

 

'20/3/14(土)17:00 北海道立総合体育センター 北海きたえーる

3/15(日)17:00 北海道立総合体育センター 北海きたえーる

3/21(土)18:00 大阪城ホール

3/30(月)19:00 福岡国際センター

3/31(火)19:00 福岡国際センター

4/4(土)17:00 ポートメッセなごや 3号館

4/5(日)16:00 ポートメッセなごや 3号館

4/28(火)19:00 アスティとくしま

4/29(水・祝)17:00 アスティとくしま

5/5(火・祝)17:00 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター

5/18(月)19:00 横浜アリーナ

5/19(火)19:00 横浜アリーナ

5/26(火)19:00 東京・有明ホール(仮称)

5/27(水)19:00 東京・有明ホール(仮称)

6/13(土)17:00 広島グリーンアリーナ

6/14(日)17:00 広島グリーンアリーナ

6/27(土)17:00 宮城セキスイハイム スーパーアリーナ

6/28(日)17:00 宮城セキスイハイム スーパーアリーナ

 

 

インタビュー・文/石角友香

構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載

 

 

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