【インタビュー】Ochunism

2025/10/15(水)

Ochunism

その日だけは頑張らなくてもいい空間を作りたい

バンドとして進むべき道を悩みながら、ひたすら曲を作ることで打破したOchunism。自らを表現したワードをタイトルに冠した1stEP『Strange, Dance, Rock』を5月にリリースし、自分たちらしさを見つめながら全力で活動中だ。新作の中でも特にバンドのマインドに影響した楽曲をボーカルの凪渡に聞いた。

「「GIVE ME SHELTER」はバンド全体の空気を変えてくれた曲。赤裸々に心をさらけ出した内容なので、それが多くの人に届いたことが“等身大の自分たちを受け入れてもらえた”という実感につながりました。歌詞もアレンジも1年以上かけて何度も壊しては作り直して、ようやく今のシンプルで濃厚な形に辿り着きました。前作『Scramble』からの時間はこの曲と共に成長した時間だったと思います」

加えて、作詞者として突き抜けられたと思う曲については「まだ突き抜けられてはいません」と笑いながらも、「Ride On!!」を挙げる。

「原点回帰しつつ、自分が培ってきたものを素直に出せた曲です。歌詞とメロディは、メンバーと車で出かけたときに即興で生まれたもので、感覚的な要素と、理屈的な要素のバランスが絶妙で、軽さと重さが上手く混ざり合っているなと思います」

何より原点にある“自分が楽しいから歌う”という気持ちを奪還したことが大きいようだ。

「歌うことの楽しさは取り戻しました。ただ、その質は少し変わった気がします。歌うことが楽しくなかった時期は、希望を完全に失っていました。自分や周り、世界すらも信じられず、不信感が大きくなってすべてが敵に見えて、頑張らなきゃと思うほど空回りして…。絶望のループでした。それでも仲間やファン、支えてくださる方々のおかげで独りじゃないと気付けて、少しずつ自分を信じられるようになり、また歌が楽しいと思えるようになりました。今は“届けよう”という気持ちよりも“きっと届く”と信じて、自分らしく歌うことを大切にしています。僕はまだ未熟で、その度に仲間やファンに救われています。でも最近は、それも自分らしさだなと思います。振り返れば、幼い頃から歌は『孤独への反抗』でした。ありがたいことに今はそれをより豊かに表現できていると感じています」

EPリリース後の対バンやイベントライブにも手応えを感じている様子だ。

「今までは自分たちや、自分たちが放つ音に意識を向けていた部分が大きかったんですが、今はその意識がしっかりとお客さんに向くようになったと感じています」

その充実は2年半ぶりのワンマンツアー『Cosmic Love』で証明されるはず。

「普段頑張っているみんなが、その日だけは頑張らなくてもいいような、そんな空間を作りたいです。愛が充満する会場で、自然と笑顔がこぼれるような、心からハッピーになれる雰囲気を届けたいと思っています。今の僕らのテーマは『信じること』です。宇宙って、優しくて恐ろしくて、美しくて残酷で…。とにかく謎だらけですよね。『人を信じる』ということも同じで、掴めないけれど、確かに存在しているものだと思うんです。本気で心の底から何かを信じられたとき、宇宙すら凌駕するようなパワーが生まれるんだと思います。『愛』は、それなんじゃないかと思っています。そんな想いを込めて『Cosmic Love』と名付けました」

引き続き毎月10~15曲の新曲を書き、リリースの予定も進行中とのこと。前向きなストレンジでロックでダンスな、今のOchunismに今回のツアーで出会ってほしい。

プロフィール

Ochunism/おちゅにずむ

’19年関西で結成。ありのままの気持ちを曝け出した歌と独創的でジャンルレスな音楽を融合させる。メンバーは凪渡(Vo)、ちゅーそん(Gt)、kakeru(Ba)、イクミン(Dr)、okada(MPC)。

公演情報

Ochunism ONE MAN TOUR 2025『Cosmic Love』

  • 11/24(月・休) 17:00 福岡・The Voodoo Lounge
  • 12/7(日) 17:00 宮城・LIVE HOUSE enn 3rd
  • 12/13(土) 18:30 愛知・新栄シャングリラ
  • 12/14(日) 17:00 大阪・梅田SHANGRI-LA
  • 12/21(日) 18:00 東京・ダンスホール新世紀

インタビュー・文/石角友香
構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載


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