【インタビュー】never young beach
2025/7/15(火)

10周年イヤーを締めくくる初の日本武道館公演開催!
“ネバヤン”の愛称でおなじみnever young beachが、デビュー10周年イヤーの締めくくりとして12月に初の日本武道館公演をおこなう。安部勇磨(Vo)、巽啓伍(Ba)、鈴木健人(Dr)の3人に、岡田拓郎(Gt)、下中洋介(Gt)、香田悠真(Key)というサポート・メンバーを加えて積極的にライブを展開する現在のネバヤン。初期のはっちゃけた魅力はそのままに、日本人らしい情緒を染み込ませた豊かな音楽性を発揮するようになった。
今年ソロ・アルバムもリリースし、仲間からは“たっさん”と呼ばれる巽はデビューした頃を穏やかに振り返る。
「バンドとして共有していた目標が明確にあったわけではなくて。特に僕と健ちゃん(鈴木)は音楽でご飯を食べていこうっていう気持ちが、(安部)勇磨よりも希薄だったと思います。とにかく勇磨の推進力がすごかったので、彼についていって、その過程で何かをバンドに還元していければ……って最初はそのくらいの気持ち。第一、僕は最初のアルバム(『YASHINOKI HOUSE』)のレコーディングの3カ月くらい前にベースを始めたんですよ!訳がわからないままひたすら走り続けていました」
安部がソロでのアメリカ・ツアー中のため、今回は留守を預かる巽が武道館公演にかける思いを語ってくれたのだが、珍しく一人で取材に応じる彼の言葉の一つひとつに、ソングライターでもある安部への信頼と、ネバヤンで10年活動してきた確かな手応えが滲み出ていた。
「夢中になっていろんな音楽を聴いてました。ザ・バンドのリック・ダンコからスクエアプッシャーまで、好きなベーシストは結構様々だし、ミニマルテクノとかクリックハウスもよく聴くし……。でも、ベースにフォーカスするというより、勇磨が作った歌メロにベースを寄り添わせたいって思う。僕は山本精一さんの歌ものの作品とかも好きなんですけど、あの感覚が一つのお手本になっているかもしれません」
PVの再生回数が実に1300万回以上をカウントしている代表曲「明るい未来」や「あまり行かない喫茶店で」などアップテンポで溌剌とした曲が持ち味と言われるネバヤンだが、巽はレパートリーの中でも「やさしいままで」「こころのままに」「風を吹かせて」といったミディアム・テンポ~バラードが好きだという。
「勇磨の言葉の本質がすごく現れていると思うし、彼が抱えているブルースがそこにあるような気がするんです。その上で、隙間があって、緊張感があって、どこに自分の音を入れたら勇磨の歌が生きるかなあ、みたいなことを考えているのがとても楽しいんですよ。武道館ではああいうバラードも披露できるといいな」
今でも月に一度は安部の家にメンバー全員で集まって好きな音楽や映画の話で盛り上がるそう。俳優・杉咲花の出演に思わず「本物?」とビックリさせられた、武道館公演の告知ショート・フィルムは、メンバーが好きな昭和の日本映画を連想させる。
そのフィルムの中でもお揃いの10周年記念法被を着ているが、あれもビートルズが来日した際(1966年)、飛行機から降り立った時の4人のオマージュ。そう、まさにビートルズがあの時ステージに立ったのは日本武道館だ。ちなみに、ネバヤンの武道館公演は12月8日、ジョン・レノンの命日でもある。
「カッコつけないで、来てくれたお客さんを楽しませるようなライブにしたいですね。そのためのギミックというか企画も用意したいと思っています。って、実はまだ何も考えてないんですけどね(笑)」
プロフィール
never young beach/ねばーやんぐびーち
安部勇磨(Vo/Gt)、巽啓伍(B)、鈴木健人(Dr)からなる3人組バンド。近年はアジア圏でのライブにも数多く出演。
公演情報
never young beach 10th Anniversary Live at 日本武道館
インタビュー・文/岡村詩野
構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載
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