【インタビュー】紫 今

2024/11/15(金)

紫 今

紫 今のライブは10人のアーティストが曲ごとに出てくるような面白さ

作詞・作曲・アレンジはもちろん、MVやアートワークのプロデュースに至るまでをすべて自らで手掛ける“自作自演”アーティスト・紫 今。コンスタントに発表してきた楽曲群で、その音楽性の幅広さをシーンに提示してきたわけだが、その無限のクリエイティビティの裏には、幼い頃から触れてきた様々な音楽がルーツにあるという。

「ジャンベを演奏するストリートミュージシャンだった父と、ゴスペルをやっていた母の影響で、幼い頃からファンクやソウル、アフリカ音楽とかを聴いて育ってきたんですよ。さらにボカロはドンピシャ世代でもあるし、アニソンやJ-POP、K-POPにもハマっていって。その結果、気づいたらルーツをひとつに絞り切れないくらい自分の引き出しが多くなっていたんです。そこから生まれるアイデアは他の人の曲にはないものだと思うし、世の中的にもあんまり聴いたことのない組み合わせの音楽になっているような気がします。そもそも私が音楽をやる最大の動機は、自分にとっての完璧な理想の曲を聴きたいからなんですよね。既視感のない、完全に新しい曲を見つけるのが難しいんだったら自分で作ったほうが早いよなっていう。その思いがすべての創作の元になっています。私自身が、リスナー目線で自分の曲のファンなんですよね(笑)」

今年4月にリリースされた「魔性の女A」は、有名インフルエンサーが振り付け動画を多数投稿するなど、TikTokをはじめとするSNSで大きなバズを生み、その反響は韓国へも飛び火。IVEのガウルなどK-POPスターへも浸透した。

「どんどん攻めたことしていきたいなっていう思いがあって。その中でリリースした『魔性の女A』は自分にとって過去一、攻めた曲だったので、それが特にバイラルしたのは自分にとってかなり大きな出来事でしたね。バズに関してはあまり浮かれすぎず、冷静な目線で見ているところもあるんですけど、とはいえアーティストとしてはみんなに面白がってもらえる遊び、ギミックを楽曲に込めていくことは大事だなってあらためて思いました」

9月には新曲「正面」がリリースされた。こども遊びとして知られる「かごめかごめ」にインスパイアされて生まれたという、ポップさに満ち溢れた中毒性の高い1曲だ。

「私の中ではシンプル・イズ・ベストって感じの曲ですね。自分は『かごめかごめ』で遊んだことはないんですけど、そこにあるちょっとした怖さも含めた雰囲気がずっと好きで。その遊びをやっている映像を思い浮かべつつ、そこで人と向き合うみたいなイメージで書いていきました。他者と向き合う曲ではあるんですけど、曲中の“あなた”を自分に置き換えると、自分自身に向き合う曲にもなるっていう。ちょっとだまし絵のようなギミックも使っていますね」

今年に入ってからはイベント出演を精力的におこない、3本のワンマンライブも経験。そのパフォーマンス力にも大きな注目が集まっている。

「曲自体に幅広さがあるので、それぞれの歌唱法も必然的に変わってくるんですよ。なので一本のライブで10人ぐらいのアーティストが曲ごとに出てくるみたいな面白さ、飽きなさみたいなのがあるし、それを私一人でやっているっていうのが紫 今のライブの魅力ですね。ここからまた曲もどんどん増えていくので、ライブの濃さは何倍にもなっていくはず。まだ観たことないよって人はぜひ遊びにきてください!」

2025年には東名阪を巡るツアーも決定。その衝撃的な才能を目の当たりにしてほしい。

プロフィール

紫 今/むらさきいま

抜群の歌唱力を持ち、作詞・作曲・編曲をすべて自らおこなうマルチクリエイター。

公演情報

Mulasaki Ima LIVE 2025

  • '25/3/29(土)18:00 愛知・ell.FITS ALL
  • 3/30(日)18:00 東京・渋谷CLUB QUATTRO
  • 4/5(土)18:00 大阪・梅田Shangri-La

インタビュー・文/もりひでゆき
構成/月刊ローチケ編集部 11月15日号より転載


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