【インタビュー】黒夢

2026/3/15(日)

黒夢

残りの人生、あとどれくらい楽しい時間を過ごせるのかを逆算しながら来てほしい

2025年、10年ぶりに東京ガーデンシアター公演で歴史的復活を遂げた清春と人時による伝説のロックバンド、黒夢。この公演を皮切りにZeppツアー、さらにはサマソニをはじめとするフェスの出演など、10年前は誰も想像しなかった活動を精力的に展開。今年も勢いそのままに活動を継続する黒夢について、清春に話を聞いた。「デビューして30年、お互い50代、最後にやっておこう」と復活させた黒夢。だが、バンドの復活劇は当たり外れがある。

「シンプルにダサいかダサくないか、だと昔は思っていました。今はもう、この国自体の良識が丸くてヌルいほうに変わっているので、よく分からないですよね」

そんなヌルい時代だからこそ、今回の復活劇で彼らは後期・黒夢の傑作アルバム『CORKSCREW』にスポットを当てたのかもしれない。「やるたびに身体は慣れていきました」というライブは、50代とは思えないほどの破壊力。皮肉や毒を含んだ危ない歌をパンキッシュなサウンドにのせ、吐き散らかしていくステージングは誰よりも尖りまくっていて、恐ろしいほどスリリングでロックだ。バンド結成当時から周囲との馴れ合いを拒み、業界にもファンにも媚びない生き方を貫いてきた黒夢の“他とは違う、周りは関係ない”という強烈なアティテュードは、今の日本に桁外れの衝撃を与え、時代は再び黒夢へと傾きはじめた。

今回の復活で、会話がなかった時代もあったメンバーの関係性は大きく変化した。

「今はお互い、どうにかするところは変わったんじゃないかな」

黒夢をとりまく状況も変わった。

「男性(の観客)が果てしないぐらいに多いこと。あとは、所詮フェス文化という現代っぽいものにたくさん出演できるような存在であったことでしょうか」

そんな黒夢は今春、完全リテイク・セルフカバーアルバムを2枚同時にリリースする。これも10年前は想像できなかったことだ。カバーするにあたって曲を聴き直したところ「キーが低い。若さが溢れています」と感じた楽曲たち。それらを再構築して、いまの黒夢サウンドに落とし込む役目は「人時さん任せです」と話す。そもそも、なぜこのタイミングで本作を作ろうと思ったのか。「身辺整理ですかね」という清春の意味深なコメントに反して、今作に収録される楽曲のなかから、いまも黒夢の絶対的アンセムとして君臨している「Like@Angel」が、映画『ザ・クロウ』の日本版イメージソングに大抜擢された。ライブの最後に演奏するたびに、オーディエンスが大合唱を巻き起こすこの曲は「共感を求めることなどはなく、代弁はできていたんじゃないかな」という黒夢らしいアプローチでファンに愛されてきた曲だ。

そんな黒夢が7月17日からTOYOTA ARENA TOKYOにて3デイズ公演を開催。さらに、9月6日には東京ガーデンシアターにてライブを開催する。公演タイトルは『THE PERFECT DAYS TO DIE』。黒夢復活時の記者会見で「次の復活はないと思っています。やれることをなるべく話し合って“いいな”と思えばやって、死のうかなと思います」と話していた清春の発言と今回の公演タイトルの関連性は?

「はい、あります」

もはや黒夢は「人生の概念」だと語る清春だが、本公演後の黒夢の未来は「お互いが今後の人生をどう捉えるかによります」と冷静だ。しかし、黒夢に相応しい死に方はもう考えている。

「無告知で突然なんだと思います」

そうなる前に、黒夢をまだ観たことがない人は「残りの人生のなかで、あとどれくらい楽しい時間を過ごせるのかを逆算しながら来ていただければ」と意気込みを語ってくれた。

プロフィール

黒夢/くろゆめ

清春(Vo)と⼈時(Ba)の2⼈からなるロックユニット。'26年には初のセルフカバーアルバムが2作品同時リリースされることも発表された。

公演情報

ザ パーフェクト デイズ トゥ ダイ

  • 7/17(金) 19:00 TOYOTA ARENA TOKYO
  • 7/18(土) 18:00 TOYOTA ARENA TOKYO
  • 7/19(日) 16:00 TOYOTA ARENA TOKYO
  • 9/6(日) 16:00 東京ガーデンシアター(有明)

インタビュー・文/東條祥恵
構成/月刊ローチケ編集部 3月15日号より転載


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