【インタビュー】己龍

 

己龍

夢を追いかける僕らの姿を見せることがみんなの生きる活力になる!

 

「和製ホラー」「痛絶ノスタルジック」をコンセプトに活動しているヴィジュアル系バンドの己龍。病んだ心を叫ぶ歌詞や、和要素を組み入れたマイナー調の激しい音楽性が話題を集め、過去に二度、日本武道館で単独公演をおこなったように高い支持を得ている。2020年は有観客でのライブがままならないことから、配信ライブを中心に活動。だが、何時までも手をこまねいているわけにはいかないと、今年の彼らは攻めに転じた。その始まりの行動として示したのが、Zepp Tour4公演と、3回目となる日本武道館公演だった。

遠海准司 コロナ禍の中、生きることに辛さや大変さを覚えているファンたちからの声は、今も、僕らのもとにたくさん届いています。だからと言って、僕らまで『今はしょうがないよね』と言いたくはないんです。僕らがバンド活動をおこなう大きな理由が『みんなの生きる活力であること』であり、僕らが夢を叶えていく姿を通して『諦めなければ夢は叶う』という想いを伝えていくこと。だからこそ、あえてこの時期に日本武道館公演という大きな目標を掲げ、みんなに生きる楽しみを与えたかったんです。

夢を追い求めるその姿へ励まされ、勇気をもらえるように、何時の時代に於いてもアーティストは人々の憧れとなる存在として輝き続けていて欲しい。ファンならみんなそう思っている。だからこそ、今回の己龍の行動は、嬉しい心の活力になった。

九条武政 コロナ禍によって、一般の人たちのみならず、夢を与える立場であるアーティストまでもが気持ちを暗くしている。みんなの気持ちが沈みがちなところへ、僕たちが『日本武道館公演を決めたよ』『また挑戦するよ』と前向きな姿勢を見せることで、みんなの気持ちもちょっとは明るくなれる。それが、己龍の存在してゆく理由なんです。

今回、大会場ばかりをツアーへ組み込んだのも、ライブ会場に生まれる熱を求めている大勢の人たちの気持ちに応えるため。

酒井参輝 みんなに夢を見せられる場所として、日本武道館に決めました。我々が音楽活動という道を選んだのは、音楽で自分たちの生き様を示すため。失敗を恐れて後手にまわるよりも、現状を新たに切り開く道を自分たちで率先して作りたかったんです。

ツアーに先駆け、己龍はシングル「鵺」を2月17日に発売する。この楽曲は、大会場が似合うスケール大きな楽曲でありながら、同時に、己龍らしい速くて激しくてうるさい要素も満載している。

一色日和 何かと自粛自粛と騒がれる世の中だからこそ、何時も通りの激しく攻める姿勢を見せるのは、僕らの中ではとても大事なこと。その姿勢を示したのが『鵺』になります。

黒崎眞弥 自分らの中に大衆に受け入れられやすい音楽をやりたい意識はないからね。そういうバンドが、日本武道館で公演をおこなうって夢があるじゃない。しかも、今回で3回目。過去の経験から己龍としての楽しませ方はつかんできたから、さらに面白い見せ方の公演になるんじゃないかな。

世の中の状況によって、音楽を取り巻く環境にもその都度変化が起きるように、メンバーも先の先まで見通した活動を組めないもどかしさは感じている。それでも動かないことには、何も環境は変わらない。だからこそ、己龍は変革という道を選べば、それを2021年実践していくことを誓ってくれた。

 

プロフィール

キリュウ

2007年9月結成。痛い内容の歌詞を生々しく表現する、ヴォーカル黒崎眞弥の世界観と共に、和製ホラーを表現するステージングに定評を持つ。

 

公演情報

 

己龍単独巡業「千幾鵺行」

 

【~酒井参輝生誕祭~】2/24(水)18:00 Zepp DiverCity Tokyo

3/12(金)19:00 Zepp Fukuoka

3/14(日)18:00 Zepp Nagoya

3/26(金)19:00 Zepp Osaka Bayside

【~千秋楽~】4/10(土)17:00 東京・日本武道館

 

 

インタビュー・文/長澤智典

構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載

 

 

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