【インタビュー】神宿
“どうしてもやりたかった”と語る自身初のZeppツアー開催中!
「こういうときにこそ、音楽やエンターテインメントが必要なはずなのに、誰も助けることができない期間が長く続いて、本当に辛い思いをしてきました」
2020年春、コロナ禍によって、ほぼすべてのアーティストが観客を前にしたステージに立つことを断念せざるを得なくなってしまった。
アイドルユニット・神宿のメンバーである羽島めいは、そんな日々に「私たちはどういうアイドルでいるべきか?」と悩み、考えてきたのだという。
「2019年に塩見きらが加入して、新体制がスタートしたころから『自分たちで考える』ということを意識的にやってきたので、コロナ禍でも、そうやって考えることができたんじゃないかな、と思います。8月ぐらいから、お客さんを入れてのライブを再開することができたんですけど、客席を見たら、泣いて喜んでくださっているお客さんの姿がたくさんあったんですよ。その一方でシールド越しのライブで、お客さんは全員マスクをつけて、コールも禁止されている。そういう、いままでにない状況でどうやってパフォーマンスを届ければいいのかな、と毎回、考えさせられました。ステージから煽っても、客席は基本、無言なので、最初の頃はまるでスベっている感覚で(笑)」
もちろん観客は満足しているのだが、従来のようなコール&レスポンスが成立しないので、そのあたりに演者と観客の「行き違い」が生じてしまう。なんとも、もどかしい話だが、徐々に会場の景色は変わっていった。
「サイリウムの数がすごく増えたんです。ファンの皆さんも声を出せない代わりにサイリウムでアピールしてくれるようになったんですよ。その景色がめちゃくちゃ綺麗で! 本当に私たちはファンの方と一緒に成長していっているんだな、と実感しました」
そして「伝え方」にも変化が起こる。
昨年10月21日にリリースしたアルバム『THE LIFE OF IDOL』では、メンバー全員が作詞に挑戦。新しい試みだったが、これをステージで歌うことで、これまでにはなかった化学反応が生じはじめていた。
「作詞をしたことで、本当の自分の言葉で、自分の伝えたい想いを形にすることができたんですけど、それをライブで披露していくうちに、どんどん気持ちが歌詞に乗ってくるんですよ。歌い方も若干、違ってくる。きっと、それは他のメンバーも同じだと思うし、歌う回数が増えていくたびに、どんどん楽曲が成長していくのがわかるんです。だから12月から始まったZeppツアーでは、すべてのライブが“違うもの”になっていると思います。同じ楽曲でも昨日と今日とでは違うし、今日と明日でも違う。楽曲が成長することで“その日だけのもの”が生まれていくんでしょうね」
12月19日に福岡で幕を開けた全国ツアー『Bloom of Life』では、札幌、東京、横浜、名古屋、大阪と日本中のZeppを縦断。これは神宿にとっても初のZeppツアーとなるのだが、羽島めいは「どうしてもやりたかったツアー」だと語る。
「2016年12月28日にZepp DiverCity(TOKYO)で単独ライブをやったんですけど、それが本当に楽しくって、いつかまたやりたいねってメンバーとも話していたんですけど、こうやってツアーで全国のZeppを回れるのは、本当に嬉しいです。目標のひとつが叶いました。いろいろな地方に行けるのもありがたいですよね。アルバムのリリースイベントでも、いろいろな場所に行かせていただいたんですけど、ある場所で女の子が泣きながら『来てくれてありがとう!』って言ってくれて。事情を聴いたら、お母さんから『こんな状況だから県外に出たらダメ』と厳しく言われていたみたいで、私たちのイベントにもずっと行けなかった、と。だから『わざわざ来てくれてありがとう』って。そういう意味でも全国ツアーができて、たくさんのファンの方に会うことができるのもすごく嬉しいです!」
そのツアーの追加公演が電撃決定。しかも、会場はメンバーにとって思い出の場所でもあるZepp DiverCity(TOKYO)! 激動の2020年から希望に満ちた2021年をまたいだ全国ツアーのゴールが思い出の地となるのは、どこか運命的なものを感じるし、そこから神宿の新しい歴史がはじまっていくと考えると、2021年の活動が本当に楽しみになってくる。
STAYHOME期間から、いかにしてエンターテインメントでたくさんの人たちを救えるのかを考えてきた彼女たちの「想い」をぜひ会場で直接、受け取っていただきたい。
プロフィール
カミヤド
羽島めい、一ノ瀬みか、羽島みき、小山ひな、塩見きらからなる原宿発の5人組アイドルユニット。2014年9月結成。
公演情報
KAMIYADO Zepp Tour 2020-2021 Bloom of Life
1/28(木)19:00 KT Zepp Yokohama
2/11(木・祝)17:00 Zepp Sapporo
2/17(水)19:00 Zepp Nagoya
【追加公演】2/23(火・祝)17:00 Zepp DiverCity(TOKYO)
※公演が中止・延期になる可能性がございますので詳細は各公演の公式HPをご確認ください。
インタビュー・文/小島和宏
写真/植田真紗美
構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載