【インタビュー】大原智（ITAMI GREENJAM'25／MASHUP FESTIVAL kobe）

2025/8/15(金)

大きめの夏祭りのイメージで音楽目的で来た人もいろんなものを楽しんでほしい

兵庫県伊丹市という豊かな自然と柔らかな人柄、様々なカルチャーが生まれ育つ土地柄の上に成り立つフェス。今年で12回目を迎えるローカルフェスの雄「ITAMI GREENJAM」が目指すものは何か、主催者の大原智さんはこう語る。

「ローカルな場所で、地元の祭りみたいなものの延長線上でフェスになった事例として、うちは結構早かったと思っています。ただフェスをやっている感覚はあんまりなくて、文化祭という感じですね。文化祭という例えで言うと主役はあくまで学生（地元の人々）であり、学生がいろんなブースを作ったり、会場のしつらえを作ったり、クオリティよりも取り組むことが重要であるという考え方とまったく同じ感覚で今もやっています」

一昨年には開催10周年、そして昨年は「Restart!」というテーマを掲げ、12年目を踏み出すのが今年9月13、14日に開催される「ITAMI GREENJAM'25」。今年のテーマは？

「来場者さんに見える変化と見えない変化の二つがあって、内部では『発展』というテーマがあります。12年目にして初めて5年後、10年後を見据えて開催することを意識して、各セクションに若い人をどんどん入れて、役割を広げていってほしいという話をしています。対外的に見えるところで言うと、新陳代謝の過程において“今年は各セクションで新しい取り組みを必ず1つはしてほしい”という話をしています。毎年来てくださっている方が見たら“今年はこれが増えた”、“新しい要素が加わった”と思うことが、例年より多くなると思いますね」

幅広い観客層にアピールする、豪華アーティストのラインナップは順次発表中。「自分が好きなアーティストにたくさん出演していただいて、来場者さんも気に入ってくれれば、こんなええことないな」という考え方のもと、マーケットやフード出店などもさらに充実。楽しみ方は自由かつ多彩だ。

「SNSで“プチ・フジロックっぽい”と言われることがあるんですが、感覚的には近いものがあるかもしれない。会場の昆陽池公園は自然に溢れていて、公園全体としてはそんな広くなくて、いろんなものが楽しめる。大きめの夏祭りみたいな感じで、そこに音楽目的で来た人も乗っかってるみたいな感じだと思ってもらえばいいんじゃないかと思います」

そしてもう1つ、今年は大きなお楽しみが待っている。「ITAMI GREENJAMʼ25」の1か月後、10月4、5日に神戸メリケンパークなどベイエリア一帯で初開催される「MASHUP FESTIVAL kobe」は、兵庫県内の7つのフェスが複合的に同時開催し、1つのリストバンドで複数の会場を自由に巡ることができる、大原さんが新たに仕掛ける斬新なフェスだ。

「兵庫県は全国で4番目にフェスが多い地域で、しかも大手のイベンターさんがやっているものは1つか2つぐらいしかない。地場の人がマンパワーでやっているフェスが全国トップクラスに豊富な県で、僕が描いている世界観を実現したいという気持ちがあります。徒歩3分から10分ぐらいの距離感で、7つのフェスがそれぞれ独立して開催して、それを回遊するスタイルは今までなかったと思いますし、単純に面白そうやなと思っているんですが、皆さんいかがでしょうか？という感じですね。同日に神戸と三田でフェスをやっていて、ライブハウスでもイベントをやっていて、午前、昼、夜でハシゴするみたいなことが個人的にはあるんですが、それが徒歩圏内でできるんやったらおもろいなと思っていますし、今後も続けるつもりなんですけど、初年度に大滑りしたらもう続けれないんで(笑)。続けるためにもぜひ遊びに来てほしいですね。絶対に楽しいと思いますから」