【インタビュー】Hilcrhyme

2025/9/15(月・祝)

ツアーが終わって『Moments』は完成する
2025年は進化を見せます

昨年迎えたメジャーデビュー15周年を経て、その足取りをより力強いものとし、シーンに突風を巻き起こしているHilcrhyme。息の長いアーティストとして愛され続けている現状について、MCのTOCはこう語る。

「どの時代でも人に恵まれていたなと感じています。そうでなければデビュー16周年を迎えられなかったでしょうから。デビューした2009年からCD、着うた、サブスクと時代の変遷を見てきましたが、音楽の本質は変わらないし、地方・新潟に住みながら高い意識を保てたのがよかったと思います」

「今まさにHilcrhymeは『アップデート』しています。戦闘モードですね」と、さらなる決意を滲ませるHilcrhymeの姿に、長年のファンはもちろん、新たな若い世代のリスナーも大きく共鳴している。まさにアーティストとしての好状況は加速していると言えるだろう。

「状況がいい理由は本当にわからないんです。ただ客席を見渡す限り若いなと。そして既存の曲より新曲、バラードよりもアッパーチューンの方が好まれます。僕も現在その傾向なので、それがバチっとハマっている気がします。色物的に見る人が減って、ラップアーティストとしての正当な評価をいただけている気もします」

昨年11月にリリースされた12枚目のアルバム『24/7 LOVE』を引っ提げて行われた同名ツアーはどこも満員御礼、熱く盛り上がった。2025年5月には東京と大阪でアンコール公演も開催される流れとなった。

「新規のファンと昔ながらのファンの融和した盛り上がり。最高の状態ですね。セットリストの意図と、今自分が伝えたいものをしっかりと受け止めて解釈してくれる。レベルの高いコアファンの皆さんの予想を裏切る楽曲やアートワークをつくるのが今、一番の楽しみです」

また音源としては4月に「千夜一夜 feat.仲宗根泉（HY）」をリリース。盟友・仲宗根とは2019年リリースの「事実愛」に続いて2度目のコラボであり、昨年、日比谷野外大音楽堂で開催された15周年記念公演「リサイタル2024」での共演も記憶に新しい。男女ボーカルの掛け合いを通して『千年の恋』を描いた「千夜一夜」は、アニメ「鬼人幻燈抄」のエンディングテーマとしても大きな反響を呼んだ。

「彼女（仲宗根）は沖縄、僕は新潟と、ボーカルは別撮りでしたが、終盤の掛け合い部分は、離れていても互いの熱が上がっていくのを感じました。彼女いわく、掛け合い終わりの一番高まる部分はもう2人でベッドの上にいたそうです（想像上で）。リリース後、本当にたくさんの反響をいただきました。アニメファンの方のリアクションは愛に溢れていて、海外の方が歌詞の意味を調べようとしてくれていたり、熱をとても感じました」

今年11月からは13ヶ所を巡る新たな全国ツアー『Moments』がスタートする。そこではアップデートし続けるHilcrhymeのリアルな『今』を目撃することになるはずだ。

「ツアータイトルの通り、瞬間ごとに形を変えていくツアーになるでしょう。今、現時点でもまだ1割も語れない。ツアー中に新たな作品が出来るかもしれない、そしてそれは自分も想像のつかない『未だ見ぬ自分』なんです。ツアーが終わった時にようやく『Moments』は完成するんじゃないでしょうか。新たなことへの挑戦を繰り返してきましたが、2025年は挑戦の上をいく『革新』と言ってもいいくらいの進化を見せます。瞬間、瞬間を見逃さずにいてください。全国各地、右肩上がりの動員ですが、その期待を超えていきます。よろしく！」