【インタビュー】髭

 

髭

スローでミドルなナンバーのみを演奏する特別企画
「Ballade Party Mustache」を東京と大阪で開催

 

2018年に15周年イヤーを迎え、2019年も初期作の再現ライブや夜の本気ダンスとの2マンツアーなどで駆け抜けた髭が、3月に東阪で「Ballade Party Mustache(以下、BPM)」を開催する。このイベントは、髭の楽曲の中からスローでミドルなナンバーをチョイスして演奏するという特別企画。熱狂を生むロックバンドとしての髭とは異なる、ロマンチックでメランコリックな髭を堪能できる一夜になるはずだ。ボーカル/ギターの須藤寿に話を聞いた。

 

「ライブをすること自体は今ももちろん楽しいですけど、キャリアを重ねてくると、自分たちが自分たちのライブをより楽しめるようにするために、推進力となるコンセプトを常に考えるようになってきたんです。会社の人が企画会議をするように、僕たちもライブに対するモチベーションを上げるための話し合いを常にやってきて、これまでもいろんな企画をやってきたんですけど、『まだやってないこと何かな?』と思ったときに、大きな音でバーンってやるだけじゃなくて、歌にフォーカスした曲だけをチョイスしたセットリストっていうのはやったことないねって。で、実際に去年やってみたら、結構評判が良かったんです。一年たくさんライブをやる中で、こういう日があってもいいよねって」

 

通常のライブとは異なり、「BPM」ではセットリストが事前に公開され、入場時にセットリストが記載されたポストカードが配布される。また、会場にはイス席が用意され、座ってゆっくり演奏を楽しむことができるのも醍醐味だ。

 

「関係者の人って、入場時にその日のセットリストがもらえるじゃないですか?あれを見ながらライブを観るのって、俺意外とアリだなと思ってて。もちろん、『事前にセットリストは知りたくない』っていう人もいると思うけど、先に知って、『この曲聴けるんだ』みたいなのも楽しいし、『BPM』だったらそれもアリなんじゃないかなって。しかも、それがただの紙じゃなくて、ポストカードだったら、持って帰って、その日の思い出にもなるし」

 

「BPM」は去年の1月に渋谷クラブクアトロで初開催され、8月8日の「HiGENOHi」に渋谷WWWXで2回目を開催。セットリストは大幅に入れ替えられ、通常のライブではめったに演奏されないレア曲も多数演奏された。3回目となる今回は3月20日(金・祝)に東京・キネマ倶楽部、3月28日(土)に大阪・味園ユニバースで開催され、大阪では初開催となる。

 

「1回目は自分たちも暗中模索だったというか、やりながら、『こんな感じか』って、雰囲気を掴んでいった感じだったけど、8月はゆっくり気持ちよくやれました。『このライブ、汗かかなくていいな』って(笑)。今回のキネマ倶楽部とユニバースって、どっちもものすごく雰囲気のある会場だから、みんなに座ってゆっくり聴いてもらうっていう『BPM』のコンセプトにもすごく合ってるんじゃないかな」

 

また、1月21日には今年からサポートドラムとしてMO’SOME TONEBENDERの藤田勇が参加することを発表。藤田とは去年の夏から今年のレコーディングに向けてリハーサルを重ね、バンドのノリをより近づけるために、ライブも参加してもらうことにしたという。

 

「去年の3月に新代田FEVERでART-SCHOOLとの対バンがあったんですけど(藤田はART-SCHOOLのサポートメンバーでもある)、その日木下くんが出れなくなっちゃって、急遽髭のワンマンになったんです。で、そのときのアンコールで木下くん以外の3人とジャムったら、勇さんと手合せした感覚がすごくよくて。それから2~3か月くらいして、渋谷で飲んでたら偶然会ったんですよ。そのときに、『新曲を勇さんが叩いたらどうなるのかな?』って思って、『今度スタジオ遊びで入りましょう』って話をして。もちろん、謙介(佐藤謙介/昨年までの髭のサポートドラマー)もいるわけだけど、創作に関しては制限せずに考えてみようと思って、勇さんとスタジオ入ったらやっぱりよくて。それで『これはしっかりやってみたいな』って思ったんです」

 

髭とMO'SOME TONEBENDERといえば、サイケ、グランジ、さらにはテクノなど、共通のルーツを持ちつつ、それぞれ日本のバンドシーンをオルタナティブな形で牽引してきたバンドだけに、両者の化学反応がどんな未来を見せてくれるのか、今からとても楽しみだ。「Ballade Party Mustache」は、そんな新たな物語のプロローグでもある。

 

「2020年前半のライブはスリリングなことがいっぱいあると思う。勇さんっていうエンジンを乗っけてやるライブって、去年一回やっただけだから、できたてのバンドのカオティックな状態を観れるのって、きっと楽しいんじゃないかな。いっぱい間違うだろうけど(笑)、でも始めたばかりだからこそのパッションって絶対あるから、個人的にもそれはすごく楽しみ。『BPM』では新曲もやりたいと思ってて、やっぱり新しい曲をいいって思ってもらえたら、それが一番嬉しいから、溜めこまずに発表していきたいですね」

 

 

プロフィール

ヒゲ

須藤寿(Vo,G)、斉藤祐樹(G)、宮川トモユキ(B)、佐藤"mimic"康一(Dr,Per)、の4人によるロックバンド。2003年ミニアルバム『LOVE LOVE LOVE』でデビュー。 2004年にFUJI ROCKFESTIVALに初出演を果たし、2005年『Thank you,Beatles!』でメジャー・シーンに躍り出た。
以来、サイケデリックかつロマンチックな髭ワールドで、シーンを魅了し続けている。

 

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公演情報

 

『Ballade Party Mustache』

 

3/20(金・祝) 東京キネマ倶楽部

3/28(土) 大阪・味園ユニバース

 

2/8(土)10:00 一般発売開始!

 

インタビュー・文/金子厚武

 

 

 

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