【インタビュー】GREENROOM FESTIVAL'22(Organizer 釜萢直起)

2022/3/15(火)

GREENROOM FESTIVAL'22(Organizer 釜萢直起)

人と人が繋がれるコミュニティのお祭りに!

サーフ/ビーチ・カルチャーをルーツに持ち、毎年5月に横浜の赤レンガ倉庫を舞台に開催されている音楽とアートのフェスティバル「グリーンルーム・フェスティバル」。コロナ禍に突入した2020年は16年目にして初の中止を余儀なくされたが、昨年は制限がありながらも無事に開催され、多くのオーディエンスがカルチャーに触れる時間を過ごした。
代表の釜萢直起氏はその成果を次のように語る。

「去年開催できたことはとても大きかったと思います。コロナ対策をしながらの開催で、想定していたことと現場で起きることが違ったりもしたんですけど、その分積み上げたものを今年の開催に生かせると思うし、一昨年の中止を経て、コロナ禍の中でもしっかり開催ができたことで、改めて音楽やカルチャーの素晴らしさを確認できました。なので、今はすごく前向きに、今年の開催に向けて進んでいるところです」

もちろん、今年の開催も制限を設け、コロナ対策を万全にした状態で開催される予定となっている。そのなかで、釜萢氏は「数字」よりも「クオリティ」にこだわりたいと言う。

「キャパシティの制限がある中で、目指すのは集客人数を増やすことではなくて、クオリティで日本一になって、オーディエンスに感動して帰ってもらうことなんです。具体的に言うと、今年はメイン・ステージをかなりブラッシュアップしていて、サイズも音響もパワーアップしているし、大きいLEDを使ったりとか、ディテールの部分にだいぶこだわっています。将来的には海外の大物アーティストも迎えたいので、ステージのクオリティに関してはどんどんチャレンジしていきたい。一般的に、フェスはリハーサルがそんなにできないんですけど、アーティストにただ演奏してもらうのではなく、演出面についても話し合いながら、一緒に作っていけるようなフェスを目指しています」

「グリーンルーム・フェスティバル」は音楽・アート・フィルムなどを通じて、海やビーチの大切さを伝え、減少傾向にあるビーチを保護し、その場所でのライフ・スタイルを伝えていくことも理念として掲げている。そのため、ただライブが楽しめるエリアだけでなく、誰でも参加できる無料エリアも非常に充実していることが大きな特徴となっている。

「今年は環境に関するメッセージやプログラムも増やしたいと思っていて、赤レンガにでっかいプロジェクションマッピングを投影して、実寸大の鯨を泳がせるような試みをしたりして海の大切さを知ってもらおうと思っています。無料エリアにはサーフ・ブランドのブースがたくさん出るので、今年の夏のムードが味わえると思いますね。やっぱり、スポーツと音楽は切っても切り離せないものだと思うんです。冬のオリンピックでも、スノーボードの平野歩夢選手がずっと音楽を聴きながら滑っていて、そういうカルチャーですから。以前は無料エリアにも大きな音楽ステージがあったのですが、今の状況だとそれを作るのが難しい分、ライブ以外の形でもお客さんに楽しんでもらえるように、アートに関しても充実させる予定です」

もちろん、アーティストのラインナップに関しても抜かりはない。お馴染みの顔から、初登場となる気鋭の若手まで、音楽ファンのツボを心得た充実の出演者が発表されている。

「Nulbarichはここ最近毎年のように出てもらってるんですけど、去年初めてトリを務めてもらって、それはすごく感動しました。フェスの開催に関していろんな意見もある中、最後までやれたことの安堵感と、Nulbarichがトリを務めたことの嬉しさが混ざり合って、感情的な気持ちになりました。あとは、昨年初めて出てくれたDragon Ashが今年も引き続き出てくれるので、すごく楽しみですし、CharaさんとUAさんは今年どちらも周年で、どんなステージになるのか楽しみです。初めて出てくれるバンドで言うと、ROTH BART BARON、Kroiも出ます。このあたりは今を表現してくれるアーティストですし、すごくいいバランスのラインナップになっていると思います」

フェスの開催意義が問われる時代において、ただ音楽を楽しむだけではなく、カルチャーを発信することを理念として掲げる都市型フェスの存在はやはりとても重要だ。

「僕らはただコンサートを開催したいわけじゃなくて、コミュニティを作っていきたいと思ってるんです。人は人と繋がることで幸せになっていけると思うから、音楽・アート・スポーツ・ファッションを通して人と人が繋がれる、コミュニティのお祭りみたいなものを作っていきたい。そこに参加することによって、海の大切さも伝わるといいなと思っています」

プロフィール

カマヤチ ナオキ

カマヤチ ナオキ GREENROOM代表取締役。
'73年、東京・町田市生まれ。'99年にGREENROOMを設立し、'05年に同名の音楽フェス「GREENROOM FESTIVAL」を初開催した。

 

公演情報

GREENROOM FESTIVAL’22

  • 5/28(土)・5/29(日) 神奈川・横浜赤レンガ地区野外特設会場
  • ※出演者などの詳細は公演情報ページにてご確認ください。

インタビュー・文/金子厚武
構成/月刊ローチケ編集部 3月15日号より転載

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