【インタビュー】ゴスペラーズ

2024/5/15(水)

ゴスペラーズ

「ゴスペラーズ30周年記念祭」のために

本年12月21日にデビュー30周年を迎えるゴスペラーズは、メジャーデビュー当時からずっと“歌える場所があるならどこにでも行く”を公言し、それを体現し続けてきた。リーダー村上てつやにライブ「ゴスペラーズ30周年記念祭」について、さらに30周年を控えた、今の気持ちについて訊いた。

「いつも目の前にあるステージや、やらなければいけないことに、常に向き合って前に進んで来た、その先にあったのが30周年……って感覚なんですよね。ここまでずっと歩み続けてこられた大きな理由のひとつは、ゴスペラーズとして嫌なことはして来なかったこと。やらされたってことがない。グループとして、自分たちが楽しんで仕事にする術が、いつの間にか身についていたんです」

デビュー以降、ほぼ毎年ツアーをおこない、これまで複数回の全都道府県ツアーを実現している彼ら。このような全国規模の“ゴスペラーズ坂ツアー”に加え、東日本大震災の後に復興支援を目的として2013年からスタートしたのが“ゴスペラーズ橋ツアー”だ。前者はバンド編成、後者は5人+1DJというコンパクトなスタイル。両ツアーともゴスペラーズの活動の軸になっている。

「“坂ツアー”と“橋ツアー”が2本立てでできていることは、僕らが言い続けてきた“いろんな街に行きますよ”って言葉に嘘がありませんということを常に示すことができているんじゃないかと思ってて。行きたい街は、本当にまだまだたくさんあるんですけど(笑)。(「永遠(とわ)に」や「ひとり」の)ヒット前からやってきたこと、ヒットしても自分たちのマインドが変わらなかったこと、その“変わらない”スタンスをスケールアップした形でちゃんと見せることができたこと……これがあるから、ファンの方も信用してくれているのかなと思っていますね」

本年12月と来年1月に東阪で開催される「ゴスペラーズ30周年記念祭」。村上曰く「通常のツアーに比べたら異例の早さ(笑)」で準備が進行中だという。アリーナクラスでのライブは15年ぶりだ。

「5人がしっかり歌を届ける、パフォーマンスすることは大前提。でも正直アリーナ規模になると、5人のパワーだけでは足りない部分もある。客席側からのパワーを(ステージに)引っ張って来ないと成立しない部分もあるんです。そのお客さんが“こっちに来たい”というパワーに火を付けるというか。それは例えば、大きな仕掛けとかじゃなくて、歌い出す前のブレスだったり、そういうところにあると思っているんです。緊張感にドキドキするというか。今、これまでのアリーナでのライブ映像を見直しているんですけど、いい部分をもう1回ちゃんと集めようと思っていますね」

昔を振り返り、時折笑いながら「いい意味でプレッシャーもあります、じわじわ来てる(笑)」と本音もチラリ。

30周年を全国のファンとお祝いする、お祭り気分もありますかと訊くと「もちろん、それが一番」と言い「周年で登場するあのキャラクターも、たぶんもう……スケジュール調整?(笑)入ってるんじゃないかな」とも。

「絶対に楽しんでいただけるライブにしようと思ってます。ただ、本番が良ければそれでいいとは思ってないんです。本番を頑張るためにそれまでの日々があるんじゃなくて、そこまでの過程を頑張るために本番があると思うんです。そういう意味では、今、ゴスペラーズの5人は、これから「ゴスペラーズ30周年記念祭」のために生きるわけです。どう生きたか、目撃してほしいですね」

プロフィール

ゴスペラーズ

村上てつや、黒沢 薫、酒井雄二、北山陽一、安岡 優による5人組ボーカルグループ。代表曲は「永遠(とわ)に」「ひとり」など。

公演情報

ゴスペラーズ30周年記念祭

  • 2024/12/20(金)18:30 東京・日本武道館
  • 2024/12/21(土)17:00 東京・日本武道館
  • 2025/1/13(月・祝)17:30 大阪・大阪城ホール

インタビュー・文/伊藤亜希
構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載

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