【インタビュー】銀杏BOYZ
丸裸で歌って、お客さんと気持ちよくなりたい
聴く者に寄り添い、どこまでも魂を揺さぶり続けるロックバンド・銀杏BOYZが『日本の銀杏好きの集まり』と題してキャリア史上初の日本武道館単独公演を行ったのが昨年10月。チケットはすぐにソールドアウトし、全国各地から銀杏BOYZをどこまでも愛してやまないファンが大集結。峯田和伸が「3回ある人生のターニング・ポイントのひとつになった」と語ったほど、素晴らしき熱演であり、全編がクライマックスのような感動的な名シーンばかり。それは当然のことながら、峯田自身にも深く刻まれる日となった。
「また必ずここに帰ってこれるように、また歌わなくちゃいけないという気持ちがとても強くなりました」
その模様は11月7日(水)に発売されるライブ映像作品『デイドリーム 祈り』にアンコールを含む全20曲が収められている。9月に行われた本作の上映会も、大盛況のうちに終了。画面越しで観てもほとばしる汗と会場全体を包み込む熱気が圧倒的で、強烈で凄まじい臨場感に溢れており、おもいっきり拳を握りしめたくなる。初めて観る人はもちろんのこと、実際に会場へ足を運んだ人にとっても追体験以上の衝撃を感じることだろう。
「(DVDの)編集中に自分で改めてあの日のステージを見て、自分はすごい体験をしたんだなあと。だからあの時に会場にいらっしゃっていた方々とあの場所、あの空間ごと抱きしめて肯定したいと思うし、あの場にいなかった方々にとっても純粋なライブ映像作品として喜んでもらえると思います」
そのライブ中に峯田が口にした「自分だけでは決められないけど、またやります」という宣言通り、来年1月に二度目となる日本武道館単独公演『世界がひとつになりませんように』を行うことが発表された。
「あの空間が心地よくて、またやりたいというのは思わず口に出た言葉でした。(二度目の日本武道館公演は)率直にうれしいです。大きな日の丸の下で歌うということは、歌手であり日本人である自分にとって特別なことです」
『日本の銀杏好きの集まり』では、GOING STEADY時代を含む、峯田の音楽キャリアすべてからピックアップされたオールタイム・ベストな選曲で臨み、舞台としても日本武道館だからといって特別に華美なモノはなく、シンプルな作りでいつものように生々しくバイタリティに満ちたライブが印象的だった。1月に行われる『世界がひとつになりませんように』では一体どのような構想を描いているのだろうか。非常に興味深いところである。
「まだなにも考えられていませんが、一瞬でもいいから、忘れられないシーンを見せられたらと思います。(演出に関しても)普段やっていることを武道館でもやらないと意味がないのではと思っています。なのでいつも通り、です」
また、昨年は“ロックの光と影”の三部作を完結させた次なる物語として、“恋とロック”と銘打った三部作『エンジェルベイビー』、『骨』、『恋は永遠』というシングルを7月から9月にかけて3ヶ月連続で発表したこともあり、ファンとしてはやはり新作も期待したいところ。もちろん、そちらについても尋ねてみたが、しっかりと意識が制作にも向いているのが嬉しい。
「今新しく産もうとしてる最中です。苦しい時期です。やっぱり、自分が感動するような、興奮が溢れ出るような作品をずっと創り続けていきたいです」
11月からは、『世界がひとつになりませんように』に先駆けて、Zepp DiverCity(TOKYO)を皮切りにした約1年半ぶりとなるツアーもスタートする。チケットは即日ソールドアウトしているが、SPARTA LOCALS、台風クラブ、BiSH、tetoという、旧友に加えて初めて交わるバンドまでも招いた貴重なツアー形式であり、どういった絶景が生まれていくのか。否が応でも期待が高まる。
「いつも通り歌うだけだと思います。共演者の皆さんは初対面の方や会うのが久しぶりな方もいますが、お会いできるのが楽しみです。あと、なかなか頻繁に地方をまわってるわけではないので、お客さんの、銀杏キター!みたいな興奮がこちらとしても凄くうれしいです」
最後に、改めて日本武道館単独公演『世界がひとつになりませんように』へ向けての意気込みを聞くと、実に峯田らしい、力強さと頼もしさに溢れる言葉が返ってきた。
「丸裸で歌えればと思います。お客さんともっと気持ちよくなりたいです」
プロフィール
ギンナンボーイズ
'03年1月GOING STEADYを解散。その後ボーカル峯田和伸が銀杏BOYZを結成。昨年はシングル3部作「エンジェルベイビー」「骨」「恋は永遠」をリリースし、キャリア史上初の日本武道館単独公演を開催した。
公演情報
「世界がひとつになりませんように」
2019/1/15(火)18:30 東京・日本武道館
▼プレリクエスト3次抽選先行10/24(水)21:00~10/27(土)23:59受付
インタビュー・文/ヤコウリュウジ
構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載