【インタビュー】Gero
2025/9/15(月・祝)

大好きなことは楽しいおふざけライブは最高の遊び場なんです
今年2月に、憧れの地である日本武道館での単独公演『さようなら、武道館』を開催し、1万3000人の観客を熱狂の渦へと巻き込んだGero。初めての360度ステージは難易度も高くプレッシャーが大きかったものの、これまでの経験と念入りなリハーサルも手伝って、もちうる力をすべて出し切り大成功を収めた。
「ライブには綱渡りのようなスリリングな要素があると思っているんです。“初めての武道館、絶対に失敗したくない”という思いもあって、特にリズムキープが重要な楽曲はとんでもない集中力が出ましたね。だからずっとギリギリのところを走り続けるような感覚でゾーンに入っていたし、掛かる負荷も含めて全部がうまいこと転がりました。完璧なタイミングで初の武道館公演ができましたね」
2023年のホールツアー『The Beginning』で座席指定会場での感覚を掴み、2024年のZeppツアー『火花』でライブハウス公演ならではのダイナミズムをあらためて身体に馴染ませた。慎重な性格だからこそ1つ1つ意味をもってライブと向き合い、これまで積み重ねてきたすべてを武道館公演で発揮することができた。
「やるからにはしっかり準備をしたうえで覚悟を決めたいタイプなので、武道館はいつもの倍ぐらい大袈裟に時間をかけて、トレーニングやイメトレ、体調管理とか、とにかくできる限りの準備をしたんです。だからこそ今までで一番マックスのライブができたんだろうなとも思うので“普段からこれぐらいやらなあかんな…”とも思いました。毎回武道館くらいの気持ちでライブと向き合っていきたいですね」
武道館公演では、ユニット・肉チョモランマの相棒であるめいちゃんが作詞作曲をした「100万回生まれ変わっても」を初披露した。2022年に開催されためいちゃんの武道館公演を観て、自身の武道館公演の開催を決心したGeroが、初めてめいちゃんから提供された楽曲を同公演で歌唱するという非常に胸が熱くなるエピソードだが、当初はこの曲を武道館で披露する予定はなかったという。
「めいちゃんには前々から曲を書いてもらいたかったけど、彼もずっと忙しそうでお願いできずにいて。それで彼が活動休止に入ったタイミングで忍びなく頼んだら、快諾してくれたんです。楽曲はライブで何回も歌うことでブラッシュアップされていくと思っているので、武道館で初披露する予定はなくて。でもこの曲を武道館で歌うのはとても意味があると思ったから、急遽セットリストに追加しました。めいちゃん節がのびのびと効いていて、今の僕にもコミットした楽曲だと感じています」
最近はダークなテイストの楽曲を歌う機会が多かったことからGeroはハッピーでアップテンポの楽曲をオーダーしたが、めいちゃんはミドルテンポのファンクナンバーを提示した。めいちゃんから見たGeroの等身大や、めいちゃんがGeroに向ける優しさと尊敬が、この楽曲には反映されているのかもしれない。
「作詞は自分をさらけ出す必要があるので、恥ずかしいんです。彼は歌詞の内容について深くは説明しなかったけど、俺にこの歌詞を書いてくれるめいちゃんはすごくかっこいいですよね。やっぱり僕しか知らないめいちゃん、めいちゃんしか知らない僕がいるんです。喜びと苦悩がミルフィーユのようになっている状態をお互い間近で見てきて、すごく彼の気持ちがわかるし、彼も僕の考えていることを理解してくれていると思っていて。そんななか彼が活動休止を決めて、仲のいいライバル同士から“お互い頑張っていこう”と助け合える戦友になった気がしています」
そうして新たなステップに進んだGeroは、今秋から年またぎの全国ホールツアー『百鬼夜行』を開催する。タイトルにはGeroが筆頭となり全国各地から多種多様な仲間を引き連れて大団円を迎えるという意味が込められた。
「武道館を経験したことで、“さらに大きいことに挑戦していきたい。また武道館に帰りたい”と思ったんですよね。武道館のような思い出をもっと作っていくためにも、リスキーなことにチャレンジする必要があるなと…。とはいえ神戸の会場はでかすぎました(笑)。でも兵庫県は地元ですし、ホールは会場ごとにルールが違うので、それぞれのホールに合った楽しみ方を模索していきたいです。各会場、期待と規模に見合った実力をつけて臨みます。そこから新しい何かにつなげていきたいですね」
ファイナルは2026年2月にTOYOTA ARENA TOKYOにて開催される。いまだにアリーナ規模のライブに萎縮気味のGeroだが、謙虚な彼ならば観客とともにさらに壮大にフレッシュでポジティブな空間を作り出せるだろう。
「僕が人生で初めて熱中できたのが『歌ってみた』で、大好きなことは楽しいおふざけなんです。ライブはこのふたつが揃っている最高の遊び場なんですよね。終わる瞬間のスパークするような感覚、自分の感情を表現する気持ち良さ、みんなの笑顔や声、すべてが今までに経験したことの中で一番楽しいことで、しっかり身体に刻まれて忘れられないんです。だからずっとライブは続けたいですね。来年に向けても少しずつ動き出していますし、近々うれしいお知らせもできると思います。行ってない土地にも行きたいし、いつかめいちゃんとツアーを回ったりもしてみたいなあ…。まだまだ実現させたい夢がたくさんあるんです」
誌面連動Q&A
- Q.
手土産を選ぶポイントは?
A.
僕は『定番』という言葉が大好きなので、お土産を買うときは店員さんに必ず「一番人気はなんですか」と聞きます。すごくミーハーでもあるので(笑)。そして、一番人気の商品しか買いません。ある意味、僕の慎重派な性格が出ているポイントかもしれませんね。
プロフィール
Gero /げろ
'13年にロックアニソンシンガーとしてメジャーデビュー。アニメ主題歌やドラマ、ゲームなどのタイアップを多数担当。
公演情報

Gero Live Tour 2025「 百鬼夜行」
- 10/5(日)17:00 東京国際フォーラム ホールA
- 11/2(日)17:00 兵庫・神戸ワールド記念ホール
- 11/16(日)17:00 福岡サンパレス
- 12/5(金)18:00 千葉・市川市文化会館
- 12/19(金)18:00 愛知・Niterra 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
- '26/2/21(土)17:00 TOYOTA ARENA TOKYO
インタビュー・文/沖さやこ
構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載
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— ローチケ ライブ (LIVE) (@l_tike_live) September 19, 2025
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締切:9/30(火)まで
月刊ローチケ9/15号に🎙️インタビュー掲載🎶
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