【インタビュー】back number
全国18ヶ所36公演のアリーナツアー開催!
心の奥底をそっとなぞるような繊細で色彩豊かな歌詞と、耳なじみのよい美しいメロディーとシンプルで骨太なバンドサウンドで、多くの音楽ファンを魅了する3ピースバンド、back number。2018年7月から10月にかけて開催した『back number dome tour 2018 “stay withyou”』を即日完売させ、その人気の高さを証明した。自身最大規模の会場でのライブは、メンバーそれぞれに大いなる気づきを持たらしたようだ。
栗原 バンド史上最大のキャパシティであるドームツアーに向け、メンバーをはじめチーム一丸になってシビアに向かっていって、ステージに立ちました。最後に『ちゃんと出し切れたな』って思えたことが何よりの収穫ですね。サポートメンバーを含め6人で立って、今までで最もバンド感を感じられたというか、大きなステージに立つ心細さはありませんでした。たとえば誰かがつまずいたとしても、それに対して他のメンバーが補おうとする空気がステージで自然に生まれていたんです。リハーサルもそうですが、これまでの経験値や関係性全てが相まった今の僕らだからできたことかなと思います。
小島 真剣にリハーサルに打ち込んだからこそ、臆することなく堂々とドームと向き合えたと思います。見に来てくれた方から『ステージが見やすかった』と言っていただいて嬉しかったのですが、実は僕らからも客席がよく見えていて。立つ前は、自分が見に行っていた場所でもあるし、『こんなに広いんじゃ、(ステージ上のアーティストから自分の姿は)絶対に見えないな』と思っていたところまでちゃんと見えることは驚きでしたね。
清水 感じたことは山ほどあるんですが、感覚的なことなので言葉にするのは難しいですね……。ドームツアーを経験したことで、次に何かするときの判断基準が少し変わるってことだと思うので、何がどう影響を受けたかは時が経たないとわからないのかもしれません。ただ、やってみて素直に『よかったな』と思えたのは、俺らの音楽が『ドームに似合わないな』とか『小さい歌だな』と思わなかったこと。物理的に人数も多く距離もあるからこそ、1対1の空間をつなぐのがちゃんと楽曲だったと感じられた。歌を作った最初の感覚に、もしかしたら一番近いのかもしれません。『好き』と歌えばそれぞれが大切に思う人を思い浮かべたり、『街』も会場に集まった人数分だけ街の景色がある。それぞれがきっと全然違う景色を浮かべているんだけど、共通言語として歌がそこにあった。俺らが歌を大事にして活動してきたことが、結果として間違ってなかったのかなと思えたことが良 かったですね。
ドームツアーの後には、多くの人の涙腺を刺激したドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』主題歌で、最新シングル『オールドファッション』をリリース。その後も、3人は休むことなく楽曲制作期間に入るなど様々なチャレンジが続いた2018年。勢いもそのままに、早くも全国アリーナツアー『back number tour 2019 (タイトル未定)」が発表された。ライブを大切に活動している彼らゆえに、2年ぶりとなるアリーナツアーへの思いもひときわのようだ。
清水 アリーナツアーが決まったときは、『久々のツアーだな』という気持ちでした。ドームツアーは1本勝負×5回という感覚でしたし、ファンクラブツアーはみんなに会える『お楽しみ会』のような感覚で僕ら自身も楽しませてもらいました。ですが、今度のツアーは4月から9月と長丁場ですし、そういったロングツアーじゃないと味わえない緊張感もあるんですよ。また、ツアー初日とファイナルでは人生が丸ごと変わるくらいいろんなことが起こるし、違う人になっちゃうくらいの感覚にもなる。ライブをずっと大事にしてきた僕らにとって、大げさでなくツアーってそういうものなんですよね。だからツアーの始まりに何を思い、ファイナルでどう感じるのか個人的に楽しみでもありますね。
栗原 依与吏さんのように『別人になる』ほどではありませんが、ツアー中は毎週末のようにどこかの町でライブをしていますし、その流れの中で絶え間なくトライ&エラーをしている感じはありますね。もちろんバンドとしてはツアー初日に照準を合わせて仕上げていくんですが、実際にやっていくことで見えることもありますから。やはり初日とファイナルでは大きく違っていくのが自然なのかなと思います。
小島 たとえば、ドームツアーでは大阪でしか『オールドファッション』を披露できませんでしたが、アリーナツアーで繰り返しプレイすることで曲への習熟度も上がると思うんです。ただ長いツアーでは曲の解釈が広がりすぎてしまうこともあるので、変わることが自分のエゴに始終しないよう常に気をつけますね。少しでも迷ったら、CDを聴き直して初心に帰ることもあります。
清水 一体何回『花束』のCDをみんなで聴き直したかわからないですよ(笑)。歌も演奏も、ゲシュタルト崩壊じゃないけど繰り返すうちに段々とわからなくなることがあるんです。ただ、より良い表現を求めて試行錯誤したり、混乱することも結果的には曲にとって良いこと。『ずれてたからダメだね』じゃなく、そのわけを俺らがちゃんと理解することが大事だと思いますし、そうやって費やした時間はお客さんにも伝わるんです、絶対に。生みの親だからこそ曲を客観視するのは難しいですし、ライブを通じてお客さんとともに『この曲はこれだね』というところを確かめられるのもツアーならではの醍醐味ですね。
栗原 つまり、僕らはその日最高のライブをすることだけを考えて準備をし続ける、それがツアーなんです。ライブに来てくださる方は難しいことは考えず、その日にしか感じられない時間を楽しんでください。バラードのイメージが強いかもしれませんが、結構汗もかくので履きなれた靴と着替えをお忘れなく!
プロフィール
バックナンバー
清水依与吏(Vo.、Gu.)、小島和也(Ba.、Cho.)、栗原寿(Dr.)からなるスリーピースバンド。'11年、シングル「はなびら」でメジャーデビュー。'18年は初のドームツアーを開催した。
公演情報
back number tour 2019
2019/4/20(土)18:00 静岡 静岡エコパアリーナ
4/21(日)18:00 静岡 静岡エコパアリーナ
4/27(土)18:00 岩手 盛岡タカヤアリーナ
4/28(日)17:30 岩手 盛岡タカヤアリーナ
5/3(金・祝)18:00 長野 長野ビッグハット
5/4(土・祝)18:00 長野 長野ビッグハット
5/18(土)18:00 新潟 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
5/19(日)17:30 新潟 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
5/25(土)18:00 北海道 北海道立総合体育センター北海きたえーる
5/26(日)18:00 北海道 北海道立総合体育センター北海きたえーる
6/1(土)18:00 埼玉 さいたまスーパーアリーナ
6/2(日)18:00 埼玉 さいたまスーパーアリーナ
6/8(土)18:00 大分 別府ビーコンプラザ コンベンションホール
6/9(日)18:00 大分 別府ビーコンプラザ コンベンションホール
6/22(土)18:00 広島 広島グリーンアリーナ
6/23(日)18:00 広島 広島グリーンアリーナ
6/29(土)18:00 愛媛 愛媛県武道館
6/30(日)18:00 愛媛 愛媛県武道館
7/6(土)18:00 神奈川 横浜アリーナ
7/7(日)18:00 神奈川 横浜アリーナ
7/20(土)18:00 三重 三重県営サンアリーナ
7/21(日)18:00 三重 三重県営サンアリーナ
7/25(木)18:00 東京 日本武道館
7/26(金)18:00 東京 日本武道館
8/3(土)18:00 和歌山 和歌山ビッグホエール
8/4(日)17:30 和歌山 和歌山ビッグホエール
8/10(土)18:00 福井 サンドーム福井
8/11(日・祝)18:00 福井 サンドーム福井
8/17(土)18:00 宮城 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ
8/18(日)17:30 宮城 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ
8/23(金)18:00 大阪 大阪城ホール
8/24(土)18:00 大阪 大阪城ホール
8/31(土)18:00 福岡 マリンメッセ福岡
9/1(日)18:00 福岡 マリンメッセ福岡
9/20(金)19:00 沖縄 沖縄コンベンションセンター展示棟
9/21(土)18:00 沖縄 沖縄コンベンションセンター展示棟
インタビュー・文/橘川有子
構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載