【インタビュー】ASTERISM

2025/10/15(水)

ASTERISM

「無題」の中にある自由度の高さと音楽の多様性

活動歴はすでに10年を超えているのに平均年齢はまだ20代前半。若き超絶技巧インスト・バンドとして認知されてきたASTERISMだが、近年ではいわゆる歌モノ楽曲やコラボにも積極的に取り組みながら、国内外のより幅広い層からの支持を集めつつある。そして新たな年の幕開けにおこなわれるワンマンツアーは『Untitled』と銘打たれている。要するに“無題”ということだ。話を聞いてみたところ、どうやらこのタイトルは今現在の3人が楽しんでいる“自由度の高さ”と無関係ではないようだ。

MIO「特定の作品と紐づけられていないツアーというのを、いつかやってみたいと思ってたんです。アルバムに伴うツアーももちろん楽しいんですけど、ある意味、その作品に縛られることになるじゃないですか。そこで敢えてテーマを掲げずに、今やりたいライブのために、過去から現在に至るまでのすべての中から曲を選ぶような自由度を求めたかったんです」

HAL-CA「テーマを掲げずにおくことで、よりさまざまな要素を詰め込むことができるし、演出面でも過去にはなかったことを考えてるんです。最近では海外で演奏する機会も増えてきて、そこでの経験を通じて培われてきたパワーみたいなものもある。そういった変化もしっかりと伝えられるツアーにしたいですね」

MIYU「僕らのライブには結構ストレートな部分もあれば、ギターと7弦ベースがお互いの音域を補完して絡み合いながらドラムが音階を奏でていたりすることもあるし、さらには歌モノもある。同じライブの中でかなり多様な表現ができてると思うんです。それらをすべて1本のライブに盛り込みたいんです」

自由度の高さと音楽的な多様性。現在の彼らがそれを重んじているのは、創作面についても同じことだ。たとえば最新曲の「Blink of Ray」はライブでの起爆剤になること必至のめちゃくちゃアグレッシヴな楽曲だが、これまでとは違った手法で作られたものなのだという。

HAL-CA「普段はデスクトップで曲を作ることが多いんですけど、この曲は3人で一緒にスタジオに入って、その場で音を鳴らしながら、ゼロの状態から作ったものなんです。過去にもそうやって作ろうとしたことはありつつも、どうもうまくいかなくて。ずっとそういうスタイルに憧れてきたんですけど、10年がかりでようやくそれができるようになりました」

MIYU「最初の頃はコミュニケーションも今みたいには取れていなかった。仲が悪かったわけじゃないんだけど、やっぱり思春期の頃とかには微妙なところもあるし(笑)」

いわば各々が大人への階段を上ると同時に、ASTERISM自体もよりバンド然とした機能性を身に付けてきたということだろう。そうした彼らの成長については、今回のツアーにおいてはもちろん、現在制作が進んでいる新作アルバムにも反映されることになるはずだ。

HAL-CA「憧れてきた先輩方のアルバムが、実は今の自分たちと同じ年齢の頃に作られたものなんだと気付かされたことが最近あって。私たちとしてもここで“これぞASTERISM!”という強力なアルバムを作らなきゃヤバいぞ、と思わされたんです。これまでインスト中心にやってきつつ、歌モノも、アニソンのカヴァーも、いろいろなコラボもやってきましたけど、ここで決定的なもの、さまざまな壁を蹴り倒すようなものを出したいと思ってます」

実はその新作アルバムも、ツアー開始直前の頃に発売を迎えることになる。ASTERISMの2026年は、きわめて刺激的なものになりそうだ。


誌面連動Q&A

  • Q.
    手土産を選ぶポイントは?

A.
MIYU「人にもよるんですけど、お酒を飲む人だったら僕の実家の近くにある天山酒造の日本酒を渡します。すごく美味しいんです」

MIO「僕ら兄弟は佐賀出身で佐賀推しが強いんです。プレゼントで有田焼を持っていったり、他には有明海苔を渡したりします」

HAL-CA「たとえば誰かのライブに差し入れをする場合は、みんなで食べられるようなサイズのお菓子や甘いものです。地元で言うなら、久留米に「銀のすぷーん」という洋菓子屋さんがあるんですけど、そこのパイ生地でできたお菓子がおすすめです」

プロフィール

ASTERISM/あすてりずむ

グローバルに活動する、次世代3ピースヘヴィメタルバンド。メンバーはHAL-CA(Gt.)、MIYU(Ba.)、MIO(Dr.)

公演情報

ASTERISM Live Tour 2026 “Untitled”

  • '26/1/17(土) 18:00 福岡・INSA
  • 1/24(土) 18:00 大阪・Yogibo META VALLEY
  • 1/25(日) 18:00 愛知・ell.SIZE
  • 2/1(日) 18:00 東京・Spotify O-WEST

インタビュー・文/増田勇一
Photo/山本倫子
構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載


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