【インタビュー】ASIAN KUNG-FU GENERATION
2作目のベスト盤を伴った全国ツアーがスタート!
2003年のデビュー以来、「リライト」「ワールドアパート」「ソラニン」といった名曲を生み出してきたASIAN KUNG-FU GENERATION(以下、アジカン)。結成20周年を超えた現在も幅広い層のリスナーから支持され続けているアジカンよりベストアルバム『BEST HIT AKG 2(2012-2018)』が届けられた。『BEST HIT AKG』(2012年)から6年ぶりのベストとなる本作は「踵で愛を打ち鳴らせ」「今を生きて」「Easter/復活祭」、新曲「生者のマーチ」など2012年以降に発表された楽曲で構成されている。アジカンの第2期のはじまりから現在までを詰め込んだ本作、そして、6月から7月にかけて開催される全国ツアー『ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2018「BONES&YAMS」』について喜多建介に聞いた。
「去年はずっとニューアルバムのレコーディングをしていて、7~8割は出来上がっているんです。ただリリースは少し先になりそうなので、その前にベストを出すのはどうだろう? という話になって。“AKG2”には2012年以降の曲が入っているんですけど、その前は正直言って、メンバーの気持ちに少しバラつきがあったんです。次のアルバムはいつ作れるかわからないという状況だったんですが、震災があって“やはり自分たちは音楽を作るしかない”という思いが生まれて。そのときに出来たのがアルバム『ランドマーク』(「踵で愛を打ち鳴らせ」「All right part2」「それでは、また明日」「アネモネの咲く春に」収録)だったんです。「夜を越えて」も当時のバンドの雰囲気がすごく出ているし、第2期の始まりという感じがしますね」
ここ数年のアジカンの音楽的な変遷を追体験できるのも、本作の大きな魅力。最も大きな変化は、アルバム『Wonder Future』(「Standard/スタンダード」「Easter/復活祭」「Planet of the Apes/猿の惑星」収録)で体験した海外レコーディングだったという。
「ゴリッとしたロックアルバムにしたいという気持ちがあったから、フー・ファイターズのスタジオを使わせてほしいとオファーしたんです。楽器の録音も全然違ったし、何よりもロスでレコーディングしているという高揚感があって。2012年以降は音数を削ぎ落としている曲が多いし、歌詞も直接的になっている気がしますね。ゴッチ(後藤正文)から“こういう歌詞を書いたんだけど、言葉が強すぎるかな?”みたいな相談されることもあるんですよ。新曲『生者のマーチ』の制作のときも“歌詞の内容を考えると、カラフルなサウンドは合わないと思う”というやり取りがあって。歌詞は基本的にゴッチに任せているんだけど、以前よりもメンバー全員で共有できていると思います」
6月からは全国ツアー『ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2018「BONES&YAMS」』がスタート。ここ数年はライブ活動も活性化している彼ら。ベスト盤を引っさげたツアーでは、アジカンの本質をダイレクトに体感できそうだ。
「セットリストはこれから決めます(笑)。まず3人(喜多、山田貴洋、伊地知潔)がやりたい曲を書き出して、それをゴッチが改善して、リハーサルで演奏しながら流れを作って。僕はあまり演奏してない曲を挙げることが多いんですけど、ほぼ却下されますね(笑)。今回は『AKG2』の曲を散りばめつつ、『HONE』『IMO』(『BEST HITAKG Official Bootleg“HONE”&“IMO”』。2012年の『BEST HIT AKG』リリース時に後藤が考案し、日記で公開していた裏ベスト的な2作)に入っているようなレアな曲もやりたいと思っていて。この数年で大きな会場のライブ、ライブハウスツアー、海外でのライブも経験してきて、その分タフになっているというか、成長できていると思っているんですよ。以前より(ステージ上で)メンバーとのアイコンタクトも増えているし、“リハはしっかりやって、ライブは楽しむ”という感じになっていて。今回のツアーも良い雰囲気でやれると思います」
海外のギターロック、パワーポップを日本語のロックミュージックに昇華し、ゼロ年代以降のバンドシーンに計り知れない影響を与えてきたアジカン。『BEST HIT AKG 2』と全国ツアーによって彼らは、その存在の大きさを改めて示すことになりそうだ。
「いつも新しいチャレンジはありますけど、サウンドが大きく変わったことはないんですよね。聴いた瞬間に“アジカンだね”と思ってもらえるような音楽を続けてきて、メンバーチェンジもなくて。若いリスナーが聴いてくれているのも嬉しいし、“捨てたもんじゃないな”という気持ちはありますね」
プロフィール
アジアンカンフージェネレーション
'96年結成。後藤正文(Vo&Gt)、喜多建介(Gt&Vo)、山田貴洋(Ba&Vo)、伊地知潔(Dr)の4人組ロックバンド。'03年にミニアルバム『崩壊アンプリファー』でメジャーデビュー。
公演情報
Tour 2018「BONES & YAMS」
6/7(木)19:00 Zepp DiverCity(TOKYO)
6/8(金)19:00 Zepp DiverCity(TOKYO)
6/10(日)18:00 SENDAI GIGS
6/14(木)19:00 Zepp Osaka Bayside
6/15(金)19:00 Zepp Osaka Bayside
6/18(月)19:00 Zepp Nagoya
6/19(火)19:00 Zepp Nagoya
6/21(木)19:00 広島クラブクアトロ
6/25(月)19:00 Zepp Tokyo
6/26(火)19:00 Zepp Tokyo
6/28(木)19:00 Zepp Sapporo
7/1(日)18:00 高松festhalle
7/3(火)19:00 福岡DRUM LOGOS
7/4(水)19:00 福岡DRUM LOGOS
7/7(土)18:30 新潟LOTS
7/8(日)18:00 高崎club FLEEZ
7/11(水)19:00 東京・新木場STUDIO COAST
7/12(木)19:00 東京・新木場STUDIO COAST
7/14(土)18:30 神戸Harbor Studio
7/17(火)19:00 LIVE ROXY Shizuoka
7/19(木)19:00 京都KBSホール
7/20(金)19:00 京都KBSホール
インタビュー・文/森朋之
構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載