【インタビュー】Aimer

 

Aimer

新たに示される「太陽」と「雨」の景色!

 

時に内面の闇を激しく震わせ、時に優しくも儚い歌声で光を照らすAimerの15枚目となる記念すべきトリプルAサイドシングル「Black Bird / Tiny Dancers /思い出は奇麗で」が9月5日(水)に発売された。収録曲「Black Bird」は、映画『累-かさね-』(9月7日公開)の主題歌となっている。

「実写映画の主題歌を担当するのは私の夢でもあったので、『累-かさね-』のエンドロールで『Black Bird』が流れた時は心から嬉しかったです。それに、お客さんと一緒になって自分の歌を聴く機会なんて滅多にありませんから、妙な緊張も覚えました(笑)」

映画『累-かさね-』とは、天才的な演技の才能をもって生まれながらも顔に大きな傷がある少女・累(芳根京子)と、美しい容姿をもつも花開かずにいる舞台女優・ニナ(土屋太鳳)が、キスで相手の顔を奪い取る不思議な口紅を使って入れ替わり、それぞれの目的を果たしつつも、むき出しの欲望が入り乱れる愛憎劇だ。

「『Black Bird』というタイトルは、誰もが持っているであろう執着心や嫉妬心を『黒い鳥』というイメージに重ねて名付けました。誰かを羨ましく思ったり、自分の足りないものを欲しがる気持ちは誰の心にも少しはあるだろうし、私自身も黒い鳥を心のなかで飼っています。なので、レコーディングは楽曲に身を委ねて歌いました。また、この映画の累とニナのように、相反するものを一つに宿すことは歌手として私が大切にしたい要素でもあったので、映画と絶妙にリンクした楽曲に仕上がったと思っています」

シングル2曲目に収録されている「Tiny Dancers」はAimerのアップテンポ・チューン「ONE」に並ぶ色彩豊かな踊れる楽曲。父の日にMVが先行配信された3曲目の「思い出は奇麗で」は、聴く人の記憶を刺激するノスタルジックな楽曲となっている。

「『Tiny Dancers』はSonyの楽曲オーディション『SonyMusic presents 全国作曲コンクール』で入賞された高橋奎さんの作品を選ばせていただき、歌詞を高橋さんと共作しながら『ONE』のような踊れるエレクトロなアレンジを加えて作りました。『思い出は奇麗で』は、今回のシングルでセルフカバーした『今日から思い出』という曲のMVのアニメーションに出演する少女に向けて作った楽曲です。その少女は『今日から思い出』のMVで悲しい運命を辿るので、新曲ではその少女の救いになるようなMVを作りたいという想いがあったんです。また、『思い出は奇麗で』は聴いてる人の記憶を刺激するような、温かい曲になるように歌いました」

10月31日(水)からは自身最多となる20ヶ所を巡るホールツアー『Aimer Hall Tour 18/19“soleil et pluie”』が始まる。amazarashiとアジア4都市を巡ったアジアツアーや、スロヴァキア国立放送交響楽団とともに行われたクラシック編成のライブなど、今年はAimerにとってチャレンジングなライブイヤーだったといっても過言ではない。そんなAimerの現時点での集大成となるパフォーマンスが“soleil et pluie”で観られそうだ。

「昨年念願でもあった武道館ライブを終えて、もっと色々なタイプのライブを経験したいと考えるようになったんです。なので、アジアツアーやオーケストラ編成でライブをさせていただき、結果、自分を見つめなおすとてもいい経験になりました。お客さんの状態やバンドの編成が違っても自分の色があるライブをするにはどうしたらいいのか考えるきっかけになり、Aimerだからできることはなんだろうと、これまでの自分を踏まえた未来を考えるようになったんです」

ホールツアー“soleil et pluie”は日本語で「太陽と雨」という意味だ。

「今回は『太陽と雨』という軸で自分の世界を二分して提示したいと思っています。これまでは、自分の音楽を全て『白』と『黒』で分類して考えていました。しかし、『ONE』や『Tiny Dancers』をはじめとした色彩豊かな楽曲は、モノトーンでは区分できないと思ったんです。そこで、ツアータイトルをこれまでの色彩感の雰囲気とは少し違うものにしました。今回のホールツアーでは、今まで大事にしてきた音楽世界をより深めつつ、Aimerを初めて見るという方も楽しめる温かいものにもしたいと思っています。なので、初めての方も気負わずに来ていただいて、楽しんでいただけたら嬉しいですし、これまでのAimerの音楽を知ってくださっている方は、一緒に新しい景色を見に行けたらいいなと思っています」

Aimerが示す、新しい景色とは!? 今後の活動からも目が離せない。

 

プロフィール

エメ

'11年9月、シングル「六等星の夜」でメジャーデビュー。甘く独特な揺らぎをもつ歌声で奥行きのある音楽世界を表現。

 

公演情報

 

Aimer Hall Tour 18/19“soleil et pluie”

 

10/31(水)18:30 千葉・市川市文化会館

11/3(土・祝) 17:00 福岡サンパレスホテル&ホール

11/4(日)17:00 広島文化学園HBGホール

11/9(金)18:30 岡山市民会館

11/10(土)17:00 松山市民会館 大ホール

11/23(金・祝)17:00 宇都宮市文化会館

11/25(日)17:00 大宮ソニックシティ 大ホール

11/30(金)18:30 札幌文化芸術劇場 hitaru

12/8(土)17:00 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 大ホール

12/9(日)17:00 なら100年会館

12/18(火)18:30 東京国際フォーラム ホールA

12/19(水)18:30 東京国際フォーラム ホールA

12/24(月・休)17:00 静岡・アクトシティ浜松 大ホール

'19/1/5(土)17:00 仙台サンプラザホール

1/6(日)17:00 盛岡市民文化ホール 大ホール

1/13(日)17:00 兵庫・神戸国際会館こくさいホール

1/14(月・祝)17:00 名古屋国際会議場センチュリーホール

1/18(金)18:30 新潟テルサ

1/20(日)17:00 石川・本多の森ホール

1/25(金)18:30 大阪・フェスティバルホール

1/26(土)16:00 大阪・フェスティバルホール

 

 

インタビュー・文/大宮ガスト

構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載