ディズニーの名曲をオーケストラとヴォーカリストの生演奏&生歌でお届けする「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2025」が9月13日からスタートする。12月28日まで3カ月以上をかけて全国31都市を回り、全52公演を予定している大人気のツアーで指揮者を務めるリチャード・カーシーに見どころをじっくり聞いた。
――ずばり見どころは?
リチャード・カーシー(以下、RC)目玉はアニメーション映画『ライオン・キング』です。壮大なストーリーと音楽をほぼ全編にわたって、オーケストラ・ジャパンによる最高の演奏でお届けします。第一部のラインナップもバラエティー豊かで、『メリー・ポピンズ リターンズ』より「小さな火を灯せ」など、ディズニー・オン・クラシックでは初披露となる曲もいくつかあります。
――『ライオン・キング』にはどんな思い出がありますか?
1994年の映画公開時、私は米国ウィスコンシン州にあるミュージカルとオペラを上演する劇場の音楽監督でした。ディズニーのオリジナル作品、しかもエルトン・ジョンが音楽担当とあって興味津々で映画館へ行ったことを思い出します。素晴らしいストーリーと美しい映像に引き込まれ、笑ったり泣いたりと大忙し(笑)。作品の冒頭とラストで流れる「サークル・オブ・ライフ」が特に大好きでした。若い頃は単に「シンバの未来への希望」として聴いていましたが、歳を重ね両親ら大切な家族を亡くした今、この曲は私にとってまったく違う意味を持つようになっています。家族の愛や彼らから受け継いだものが自分の中に確実に宿っている…そんなふうに感じるんです。時を経てよりいっそう特別になったこのナンバーを、ライブで演奏できるのは光栄なこと。曲が持つ深い意味や歴史を、観客の方々にも感じてもらえたら嬉しいです。
――ツアーで楽しみにしていることは?
毎回のツアーで一番ワクワクするのは、観客の皆さんが初めて出会うヴォーカリストたちの魅力に引き込まれていく様子を感じられることですね。多彩で個性的なメンバーが揃っていますので、ファンの皆さんにも気に入ってもらえると信じています。私にとって日本は、第二の故郷のような存在です。温泉、東京ディズニーリゾート(R)、浅草、ラーメンなどとの“再会”が待ち遠しい(笑)。
――キャストたちには、本番前どんな言葉をかけるのでしょう?
「私たちはただ音楽を演奏するのではない、ストーリーの語り部なんだよ」と常に伝えています。一曲ごとに異なる独自の雰囲気をまとった音楽が、物語を作り上げていくんです。ディズニー・オン・クラシックのすごいところは、様々なタイプの音楽が一晩で聴けること。オーケストラとヴォーカリストは、その世界を毎晩創り上げる役目を担っているわけです。
――全国をめぐり、移動も多いツアーで集中力を保つ秘訣は?
一番大事にしているのは、公演の前に必ず瞑想することです。頭の中を無にして、気持ちを整えています。指揮者としては、音楽の細部に気を配りながら、歌手の呼吸に合わせて、全体の流れや雰囲気を作る必要があります。最悪なのは心配事をステージに持ち込むこと。「間違えたらどうしよう?」なんて考えていたら音楽に命を吹き込むことなどできません。
――最後に日本のファンへメッセージをお願いします
日本の観客が僕は世界一好きです。注意深く熱心に観て・聴いてもらえるし、情熱的で知的で、心から楽しんでくれているのを感じます。最高のオーディエンスを前にしての演奏にワクワクします。ディズニー・オン・クラシックは、愛と音楽、そして一体感が詰まったコンサートです。日頃の悩みをしばし忘れて、全身で楽しんで、最高の夜をご一緒しましょう!
インタビュー・文/山本航
構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります
【プロフィール】
リチャード・カーシー
指揮者、ピアニスト、俳優、作詞家として幅広く活躍。2019年より『ディズニー・オン・クラシック』の指揮者を務める。
「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2025」公演情報│ローチケ[ローソンチケット]