クラシック

【インタビュー】ジュリアン・マッケイ│Daiwa House PRESENTS 熊川哲也 K-BALLET TOKYO『くるみ割り人形』・『シンデレラ』

ジュリアン・マッケイ ©Nicholas Mackay 【OTOBUTAI 2024 /法隆寺にて】

【インタビュー】ジュリアン・マッケイ

K-BALLET TOKYOが2024年11月23日(土)から東京・Bunkamuraオーチャードホールで上演する『くるみ割り人形』と、2025年1月9日(木)から東京・東京文化会館で上演する『シンデレラ』。

芸術監督の熊川哲也が作り出す、唯一無二な壮大な世界観で、普遍的なクラシックバレエながら新鮮な気持ちで楽しめると定評のある両作。今回は、同カンパニーの『蝶々夫人』『ジゼル』で主演を務め話題を呼んだダンサー、ジュリアン・マッケイが再び踊る!


現代のバレエ界の寵児と言われ、弱冠26歳にして、輝かしい経歴をもつ彼は、ロシアの名門ボリショイ・バレエ・アカデミーに、当時外国人ダンサーとして最年少の11歳で入学し、首席で卒業。17歳で出場したローザンヌ国際バレエコンクールでは輝くスター性で注目を集め、スカラシップを獲得。英国ロイヤルバレエ団で研修生として踊った後、ロシアのミハイロフスキーバレエ団に史上最年少ソリストとして入団。サンフランシスコ・バレエ団を経て現在はバイエルン国立バレエのプリンシパルとして主要な役を踊っている。また世界中のバレエ団への客演や、ガラ公演など世界各国で活躍の幅を広げている。また、世界各国で撮り下ろす彼の素顔と踊りが見られる公式Instagramはフォロワー数28.1万人を誇り、VOGUE誌、Numero誌では特集を組まれ、カルティエのアンバサダーを務めるなど舞台上でも、それ以外でも才能が注目を集める逸材だ。

多くの人の感性を刺激する彼の踊りの魅力は、磨き抜かれたテクニックに裏付けされたオリジナリティ溢れる表現力と、ロシア仕込みのダイナミックさ、そしてその麗しいルックスの総合力。テクニックが秀でたダンサーは他にもいるが、出演する作品全体の世界観を高みに導く圧倒的なパワーと華を持ち合わせている、彼のようなダンサーはなかなかいない。見る者を虜にする、バレエの世界に誘うその神芸的な魅力。
『くるみ割り人形』『シンデレラ』で、まるで魔法をかけられたような最高の奇跡を、体験できるはずだ。

そんなジュリアン・マッケイに、公演やK-BALLET TOKYOについて話を聞いた。

――K-BALLET TOKYOの印象は?

芸術監督の熊川さんは、私にとって憧れで尊敬している偉大なるダンサーです。どの作品も質が高く、これまでに『蝶々夫人』『ジゼル』と出演してきましたが、舞台装置、ライティング、衣裳と細かいディテールにこだわった世界トップクラスのものだと感じました。熊川さんが音楽についてよく理解されているので、音楽のテンポも完璧でダンサーとしても深く演じる、踊ることができるのです。
そして、ダンサーのみなさんはとても情熱的。みなさん、自身が何をやるべきかを理解して集中してレッスンに取り組んでいます。教える側の方々も、以前その役を踊ったことがある方々が自らレガシーを継承していてダンサーへのケアが行き届いています。フロアも常に完璧(笑)。カンパニー全体の、真剣な気持ちが伝わってきて一緒にレッスンをしていてモチベーションが上がります。芸術は、ただ芸術を作るだけでは足りないと思うのです。そこにいるすべての人が情熱をもって取り組んでこそ素晴らしいものが生まれると感じています。


――『くるみ割り人形』は普遍的に愛されてきた作品。どんな風に踊る予定ですか?

全幕作品の役作りは山登りに似ています。まずは音楽を聴き体にしみこませ、そこから技術的なアプローチ、役柄の心情などを考えます。そして衣裳やヘアメイクのディテールを考えてそういった準備をしている間にリハーサルが始まります。先輩方のDVDは影響されないように見すぎないようにし、それよりもどのようにこの作品を作っていくかを重点的に考えています。今回K-BALLET TOKYOの『くるみ割り人形』では、くるみ割り人形/王子、『シンデレラ』では王子を踊ります。『くるみ割り人形』は魔法の世界。6歳の頃から踊っている作品ですが、熊川版はエキサイティング!表情にしても踊りにしてもマジカルでミラクルな表現を意識し、今まで観たことがないようなファンタジックな踊りで、みなさんを虜にします!ご期待ください。

©Hidemi Seto


――『シンデレラ』では、どういった王子役を観られますか?

『シンデレラ』は、『くるみ割り人形』に比べると現実的な作品。私が踊る王子は、結婚を控え、運命に導かれるように予期せぬことが次々と起こるけれど、最後には幸せになります。予期せぬことをきっかけに幸せになれるという運命の導きのようなメッセージを王子という役を通して、伝えたいと考えています。“思いもよらなかった偶然がもたらす幸運”=セレンディピティというのでしょうか?勇気と、モチベーションを上げられる王子役でありたいですね。人生には、時には自分を解放する魔法が必要!バレエを通して私がみなさんに魔法をかけ、夢のような世界に誘います。

©Hidemi Seto


掲載日:2024/11/22



「熊川哲也 K-BALLET TOKYO Winter 2024 『くるみ割り人形』」公演情報│ローチケ[ローソンチケット]

「熊川哲也 K-BALLET TOKYO Winter 2025『シンデレラ』」公演情報│ローチケ[ローソンチケット]

ジュリアン・マッケイ ©Nicholas Mackay 【OTOBUTAI 2024 /法隆寺にて】
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