2020年3月に予定していた「こうもり」が中止を余儀なくされたのは、新型コロナウィルス感染症が世界的に拡大し始めた頃――そして今シーズン、ようやく小澤征爾音楽塾のオペラが戻ってきます。
今回の小澤征爾音楽塾は2016年に大好評だった「こうもり」を再び取り上げます。塾生がオペラを勉強するにはもってこいの演目で、前回と同じくNYメトロポリタン歌劇場のプロダクションを使用します。アイゼンシュタインはじめ主要キャストが戻ってきてくれて、デイヴィッド・ニース演出の楽しく豪華な舞台が帰ってきます。今回は国外(中国、台湾、韓国)から塾生を呼ぶことは断念しましたが、その一方で国内でのオーディションで選ばれた若い音楽家たちで、小澤征爾音楽塾オーケストラを結成します。
2000年にローム株式会社の佐藤研一郎社長(当時)のご支援で「小澤征爾音楽塾」を立ち上げて以来、オペラの制作と公演を通じて、私が最も信頼を寄せるサイトウ・キネン・オーケストラメンバーでもある先生方とともに、オーディションで選ばれた若い音楽家たちへの教育を続けて20年以上になります。彼らが、先生方の指導のもと、世界の第一線で活躍する歌手や演出家と一緒に、一つのオペラ作品を創り上げていくことは、音楽家としての一生を左右するような深くて大きな経験になります。
そして、できる限りの感染症対策を講じて、今年も京都府内の小学生たちを招待して、子どもたちに生のオペラを楽しんでもらいたいと思っています。
教育プロジェクトであると同時に、世界一流の歌手・プロダクションを同時に体感することが出来る、世界的にも他に類を見ないこのプロジェクト、是非いらしてみてください。そこで創られるオペラは、音楽の喜びとエネルギーに満ちあふれています。
小澤征爾音楽塾塾長
音楽監督 小澤征爾
時は1874年の大晦日。アイゼンシュタインは些細な罪で刑務所に入らなければならなくなりました。入所する前日、アイゼンシュタインの元を友人のファルケ博士が訪ねてきます。「ロシアの大貴族オルロフスキー公爵が開く楽しいパーティがあるから、入所前にこっそり行こう」と誘い出すファルケ博士。妻ロザリンデには「刑務所に出頭する」と深刻そうに言いながら、でも実はウキウキとパーティに向かったアイゼンシュタイン。彼が出かけた後、家に残された妻ロザリンデのところに、彼女の元恋人アルフレートがやって来ます。まるで本当の夫のように振る舞うアルフレート。するとそこに、アイゼンシュタインを連行しに刑務所長がやって来ます。今更「本当は夫ではない…」とも言えず、なんとアルフレートは刑務所に連行されてしまいます。 パーティ会場でアイゼンシュタインの心を射止めたのは、仮面を付けた美しいハンガリーの貴婦人。しかし、この貴婦人の正体は何を隠そう、妻ロザリンデ。実の妻であることに気づかず、アイゼンシュタインは必死に口説きます。 実はこのカラクリのすべては、ファルケ博士がアイゼンシュタインに仕組んだ壮大な“仕返し”でした。“仕返し”の真相は? そしてその結末は…?! 粋な大人たちが巻き起こす騒動をお楽しみに!
出演者等、記載の内容は2021年12月1日現在の予定です。
病気、怪我等の事情で出演者が変更になる場合がございます。
公演中止の場合を除き、チケットのキャンセル・払戻しはお受けいたしかねますので、あらかじめご了承下さい。
乳幼児等就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
小澤征爾音楽塾公演新型コロナウィルス感染症拡大防止ガイドラインについては
こちらをご確認ください。