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【インタビュー】フェリ、ボッレ&フレンズ

フェリ、ボッレ&フレンズ
写真左からアレッサンドラ・フェリ、ロベルト・ボッレ。来日後の忙しいリハーサルの合間をぬって行われたインタビューの際、カメラを向けると快く笑顔をくれました

フェリ、ボッレ&フレンズ

二人の世界的スターダンサー、アレッサンドラ・フェリとロベルト・ボッレが中心となって繰り広げるバレエ・ガラ、〈フェリ、ボッレ&フレンズ〉が開幕する。先ごろ来日し、東京でリハーサルを重ねる二人がインタビューに応えた。

「ロベルトとは長く一緒に踊ってきたし、特別なの」と話すフェリに、「でも、日本で最後に踊ったのは12年も前だよ!」と笑うボッレ。『ロミオとジュリエット』や『椿姫』などのドラマティック・バレエでの名演が知られるフェリと、イタリアの国民的スターとして長く第一線で活躍してきたボッレとの、まさにスーパースター同士の久方ぶりの日本での共演というわけだ。


まず注目されるのが、Aプロの一演目として上演される『マルグリットとアルマン』。オペラで有名な『椿姫』を原作とする1幕もののバレエで、英国を代表する振付家フレデリック・アシュトンの作である。 「35分ほどの中で次から次へと踊りが展開し、絡み合いながら物語が進んでいく。本当に密度の濃い、美しいバレエです。アルマンはとても情熱的な青年、興味深いキャラクターだと思います」と話すボッレ。ヒロインを踊るフェリも、「ロベルトと二人では踊ったことがなかったから、日本のお客さまに見ていただく素晴らしい機会となると思ったわ。大好きなバレエだし、マルグリット役はジョン・ノイマイヤー振付の全幕バレエ『椿姫』で経験しているので、彼女の本当に深いところまで理解して踊ることができます」と話す。二人を取り巻く人物たちを、マルセロ・ゴメスやアレクサンドル・リアブコら世界的ダンサーが演じる点も見逃せない。


Bプロではまた違った趣のプログラムが用意されている。ノイマイヤーの2作品に出演するフェリは、「敬愛するジョンへの感謝の気持ちをこめて、彼の作品、『バーンスタイン組曲』と『フラトレス』を踊ります」という。一度引退し、6年間舞台を離れたのちに50歳で復帰した彼女。復帰後に取り組んだ話題作の一つが『ドゥーゼ』というバレエだった。「エレオノーラ・ドゥーゼという伝説的女優を題材にした作品ですが、『フラトレス』はその第2幕の部分。そこは死後の世界で、とても瞑想的、スピリチュアルな作品です。ドゥーゼを演じる私には、ジュリエットの美しい髪も、マルグリットの衣裳も一切ない──。私の新境地ともいえる特別な作品です」(フェリ)。同じくBプロで『オルフェウス』『作品100~モーリスのために』とノイマイヤー作品を踊るボッレ。「ほかにもローラン・プティの傑作や、現代を代表する振付家たちの、その仕事を代表するような作品が集まりました。言ってみれば全部がメイン料理。だから、A、B両プログラムともに見ていただかなくては!」と、公演の座長、また芸術監督としての表情をのぞかせた。公演は7月31日(水)より、文京シビックホールにて行われる。


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