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【インタビュー】山里亮太×平祐奈×田中公平「ワンピース音宴 イーストブルー編」

【インタビュー】山里亮太×平祐奈×田中公平「ワンピース音宴 イーストブルー編」

いよいよ8月に開幕する「ワンピース音宴 イーストブルー編」。
先日開催された制作発表記者会見でもMCを務め会場を盛り上げた応援サポーター、ワンピースの熱狂的なファンとして知られる山里亮太さん(南海キャンディーズ)と、かたや“初”ワンピースという平祐奈さん、さらに音楽監督を務める田中公平先生が加わり対談が実現!制作発表記者会見時に受けた衝撃やワンピース愛を軸に、公演についてたっぷりと語っていただいた。

山里さんファンならば気づいただろうが、この日山里さんは演目タイトル「イーストブルー編」に合わせて、トレードマークの赤メガネを“青メガネ”に着替えて登場。平さんもブルーのドレス、さらに山里さんに刺激されて田中先生も青フレームのメガネにしてきたと、“ブルー”満載。非常に盛り上がった対談となった。



漫画やアニメを見る時に「その中に入ったらどうなるんだろう?」って思うんです。今回それができるんじゃないかと思っています。(山里)


制作発表記者会見に多くのメディアが殺到したことでも注目の高さが伺えた「ワンピース音宴 イーストブルー編」。当日はアニメから飛び出してきたかのような仕上がり度合がハンパないキャラクターの演者たちと、海兵の衣装に身を包んだブラスバンドの演奏者たちが登壇し、会場で曲を披露した。キャラクターたちの生き生きとした動きと、会場中に響き渡るブラスの音で会場は大盛り上がり!山里さんや平さんもすっかり圧倒されたようだ。


山里 あの時はワクワクしましたよね、「すごい!」のひと言。ブラスバンドとのコラボレーションと聞いて「ブラスバンドでワンピースの曲をやるのかな?」程度に思っていたんですが、想像していたのと全然違って・・・。想像していなかったブラスバンドとの関わり方で、これとワンピースの世界観が重なったらどうなるんだろう?という期待感でいっぱいになりました。

 究極なコラボで素晴らしいなあと思いました。ワンピースのキャラクターの皆さんがアニメから飛び出してきたのかと思うほどそっくりで!日米の国境を越えて集まったブラスバンドの皆さんが気持ちを一つにして演奏している姿にも圧倒されちゃいました。

田中 でもあの演奏は本当に触りでしかなくて。まだあの時は稽古が始まって1日しか経っていなかったので。今が大変ですよ、地獄の特訓真っ最中ですから(笑)。

 え~!1日であのクオリティだったんですか?!それは凄いですね!

田中 世界中で有名な人ばっかりだし、放っておいても上手い(笑)。私が何を言うとか必要ないんですよね。だから、“悩み相談室”を構えるくらいの感覚でいようかと思っています。音楽監督じゃなくて意識監督みたいな感じでね。


本番に向けてまさにその「地獄の特訓」の真っ最中のブラスバンドチーム。公式ツイッターでその様子を見ることができるので、ぜひ覗いてみてはいかがだろうか。そして大のワンピース好きの山里さんは、制作発表記者会見でのテンションも他の追随を許さない上がりっぷり。その興奮の度合いから、見ているこちらの期待感も上がるほど。ワンピース愛の強さ・深さはハンパない。


山里 僕は、漫画やアニメを見ているときに「中に入ってその中に自分がいたらどうなるんだろう?」というかなわぬ夢を見るんですよね。それが今回の公演でできるんじゃないかと思うんです。ブラスバンドと組むことで、音があちこちから降ってきて肌で音を感じられるし、刀が当たるシーンとかは目で見るだけじゃなくて、肌で音を感じることができるようになるわけじゃないですか。いわゆる“没入感”が、これまでにあったワンピースとのコラボの中でも群を抜いてるんじゃないかなと思いますね。ワンピースは効果音が非常に特徴的ですが、その効果音にドンピシャな音を(田中)先生が作って、ブラスバンドの方たちが完成させたときにどんな気持ちになるんだろうと・・・ワクワクしますね。


山里亮太さん(南海キャンディーズ)
山里亮太さん(南海キャンディーズ)

 もうほんとにワンピースワールドの中に入らせてもらった気分でした。

田中 一つひとつの斬撃の音とか、タッタッタッタッって歩く音とかの全てを楽器で表現しようとしているんです。実は擬音を楽器で表現っていうのは、金谷さんのアイディアなんですよ。石川さんがね、「こんなことやったことあるんですよ」ってご自身がされたパフォーマンスをYouTubeで見せてくれたんです。そのレベルの高いことったらなくて、思わず金谷さんと二人で顔を見合わせて「これ・・・やっていただけます?」ってお願いしたんです(笑)。ぜひ会場でその凄さを味わっていただきたいですね。それとね、会場では音がサラウンドになるんです。誰も走り回っていないのに、どうして音がサラウンドになるの?ってきっと思います。それぞれの楽器の音を直に感じてもらうこともできるし、人間の演奏の音で作られているのが、聴きどころであり見どころですね。

山里 そういえば祐奈ちゃん、ステージ上でサンジに口説かれてたよね?(笑)ああいうキャラクターとの関わり方は普通できないからね、そういうのも楽しいよね。

 ワンピースを知らない方でもブラスバンドが好きで興味があれば、これを見てワンピースに興味を持つというのもあると思います。

田中 それは絶対にいいですね!

山里 祐奈ちゃんが言うみたいに、ワンピースを知らずにブラスバンドがフックになって観に来た人をこの世界に引っ張ってくる自信、先生的にはあるんですよね?(笑)

田中 リアルに(平が)第1号になります(ニッコリ)。

 私が第1号!(笑)

ワンピースを知らない人も、一度観たら「もっとワンピースが見たい!」ってなる。そしたらもう一回行くようになる!(平)


山里 ワンピースにはいっぱい素敵な人が出てくるし、可愛い人もかっこいい人も、ムカつくやつもいっぱい出てくるんだけど、祐奈ちゃんは何系のキャラクターが好きなの?例えば漫画でもアニメでもドラマでも演劇でも、どういう感じのが好き?

 なんか・・・ワイルドな人かな?

山里 それだったら・・・ゾロでしょ!カッコいいのよ、これが。

田中 方向音痴なんだけどね~。

山里 そうそう、ちょっと欠点があるのよ、三刀流の使い手なんだけどね。二刀流じゃなくて、三刀だからね?!男っぽくてムチャクチャカッコいいんだけど、とにかくその描写が素晴らしい。この人はこういう性格だというのを、物凄いエピソードの中にさらっと入れて、その人の人間性を見せてくれる。でもそれをどうやってブラスバンドで表現するんだろうって思っちゃいます。

田中 そこが難しいところなんです。物凄いセリフのオンパレードですからね。名言が多すぎるんですよ!

山里 そう!それなのにノンバーバルでやるっていうのが・・・。

田中 それがハードル高いんですよ。これが懸案事項でもあって、セリフについてはみんなで葛藤しているところです。「これ成り立つよね、セリフなくても」ってなったら、セリフはなくなります。

山里・平 おおお~~~~。

田中 知っている人の頭の中で名セリフが響くような、そんなステージにしたいんです。それぞれのシーンでかかっている音楽も今編曲している最中なので、アニメをずっと見ている方なら「キタキタキタキタ―――ッ!」ってなると思いますよ(笑)。でも初めて観る人が「なんのこっちゃわからない」という風にはしたくない。知っている人だけが楽しいものにはしないというのは初めから決まっているんですが、難しいですね。セリフがないというのがとにかく一番難しい。でもセリフがないことで海外公演も視野に入れられるという利点はあるんですけどね(笑)。

山里 今回“イーストブルー編”ってなってますけど、どのあたりのエピソードをどのくらいやるのか全然わからないから気になります。

田中 “イーストブルー編”は、いい仲間、しかも主要メンバーが一人ずつ増えていくところ。ルフィ一人だったのが、助けてくれる仲間が少しずつ増えていく、その一つひとつが非常に濃くて無茶苦茶いいエピソードなので、そこを見せていきます。「みんな一人じゃないんだよ、ちゃんと生きていればいい仲間ができるよ」ということを伝えたいんです。イーストブルー編だけにしたのはそのためなんです。

山里 なるほど!!じゃあ無茶苦茶感動するな~、泣けるし。イーストブルーの仲間が集まってくる前後には涙涙のエピソードがあるんですよね・・・そうなると、個人的な感覚ではバラードというか・・・切なくなっちゃう気がするなあ(笑)。

田中 いやいやいやいや(笑)。

山里 出会うときに必ず描かれる一人ひとりのエピソードで、どうやって深い悲しみを乗り越えてきたかとか、実はこんな悲しみを抱えているとかが深くわかっていくのよね。自由気ままなナミがそこに行き着くまで、たどり着いた理由なんて、まあ~泣けるのよ。最初はヒドイ状況にいるめちゃくちゃ嫌な奴なんだけど。

田中 あれは泣ける!大泣きですね。でも、こんな感じでみんなが熱弁するから困っちゃうんですよ、僕らも(笑)。

 凄いですねえ、“ワンピース会”ができちゃう感じですね。


平祐奈さん
平祐奈さん

山里 そう、それくらい、このイーストブルー編の“仲間と出会っていく”シーンには一番のドラマがあるのよ。そこを「全部描いていく」なんて・・・おそらく我々のこの言葉を聞いた人のハードルは無茶苦茶上がったと思います。でもそれを宣言したということは、そのハードルを越えられるという自信があるということですよね?

田中 5つエピソードがあるうちの3つくらいでお腹いっぱいになっちゃうから少し削らない?って打ち合わせで話になったくらい、一部を観ていただいただけで、お腹いっぱいになりますよ。

山里 いやいや、宴もありますってば(笑)。宴の時には全てから解放されて盛り上がる感じですかね。2部ではミスチルさんや東方神起さんの曲とかが演奏されるんですよね?

田中 そう、名曲がいっぱいありますからね。ブラスバンドの人たちも、こんな風に編曲したんだってきっと楽しんでくれると思う。

山里 編曲の妙というやつですね。期待しちゃうなあ~。

田中 でもね、一番伝えたいことは、“毎回演奏が違う”っていうことなんです。録音じゃなくて、人間が演奏するものだから。

 ライブですね。

田中 その毎回違うというのが醍醐味なんですよ。私もいろいろなところで指揮したりしますけど、良いとき悪いときがあるんです。だから3回くらい来てくれると、凄く面白いと思うよ。毎回違うから。

 ワンピースを知らない人も、一度観たら「もっとワンピースが見たい!」ってなるし、そしたらもう一回行くようになるかも!

山里 そうだね、それはそうかも。そのパターンが今回の一番の理想形かもしれないね。


「1部で感動していただいて、2部では本気で盛り上がって最後は搾りかすのようになって帰っていただきたい(笑)」(田中)というように、公演終わりにはお腹いっぱいの満足感と感動、さらに感情がぶんぶん振り回された後のぐったり感・・・と、とにかく満たされた気持ちで会場を後にできるようだ。


田中公平先生
田中公平先生

音圧を感じられる“音楽を体感”できる公演、それが「ワンピース音宴」


田中 新感覚ブラスパフォーマンスは、体感できるものでもあって、人にはこんな音を出せるんだ、こんなことができるんだ、ここまでできるんだというのを体感するというのが、一番会場に足を運んでほしい理由です。シルク・ドゥ・ソレイユをみたときに、観客は「わあ、こんなことができるんだ!」って思うでしょ?そのブラス版です。少しネタバレになるけれども、サンジのシーンではサンジがコックと一緒に演奏する場面もあるんですよ。例えばフライパンを足で蹴ったりとか。一人ひとりに見せ場ができるように作っています。

山里 凄いなあ、それって吉川晃司さんのシンバルキック以来だな(笑)。その音があるだけでも違ってくるでしょうし、逆に一つの音が欠けただけでも全然違う音になるんでしょうね。

田中 そう、一つも欠けちゃダメなんだよね。


ワンピースの魅力についてはもちろん、公演の見どころについてもさらに踏み込んで語ってくれたため、公演への期待がさらに高まった。最後に皆さんへのメッセージをいただいた。


山里 ワンピース好きな人は、これまでにいろいろな見方をしてきたと思うんですが、ひょっとしたらこの「ワンピース音宴」でワンピースの楽しみ方の最終形態をコンプリートできるかもしれません。ワンピース好きにはぜひそれでコンプリートをしていただきたい。そうじゃない方には、これを機にワンピースを好きになるという幸せな一歩を踏み出していただきたいと思います!

 ワンピースを大好きな方も知らない方も楽しめると思うし、世代も男女も問わないので、夏休みの学生さんもご家族と一緒に観てほしいなと思います。ワンピースは“航海”しますけれども、絶対に“後悔”しないです(全員拍手)。ワンピースパワーで夏を乗り切ってほしいなと思います!

田中 アニソンは日本を代表する世界に通用するツールなんです。それを世界中の人と一緒に体験できるように、まずここ日本で経験して欲しい。そしてそれが世界に行ったときに、世界中の人と肩を組んで一緒に「ウィーアー!」を歌えるような、そんな未来が来ると嬉しいです。まずこの日本公演を成功させて、その後に繋げていきたいと思います。よろしくお願いいたします。



山里さんは実は能力者だった・・・!!

ワンピースといえば、ルフィが食べた“ゴムゴムの実”をはじめとする「悪魔の実」。どんな能力者になりたいか、どんな能力者になってルフィ率いる麦わらの一味になろうかと考えるのも、この漫画/アニメの面白みだ。


山里 登場人物の誰かになるのは、でき上がりすぎてるからもう無理なんですよ。そこでみんなが考えるのは、ルフィ海賊団に入れるとしたら自分は何の役どころで入れるか、なんですよね。僕がいつも思うのはやっぱり悪魔の実を手にしたい。自分が一番生かせる実をもう思いついていて・・・“メラメラの実”です。

田中 メラメラの実?

山里 ネット限定っていう(笑)。

田中 それはもう食べてるじゃない!山ちゃん、能力者だったんだ!(笑)

山里 ・・・そう、実は能力者だったんです(笑)。それで海軍あたりをちょっと燃やしてやろうかなあと。


平さんは「記憶力」、田中先生は「作曲能力」の悪魔の実がそれぞれほしいということだったが、山里さんに限らずどうやら皆さんも既に能力者のようだ・・・。悪魔の実、恐るべし!!


ワンピースが大好きな人もそうでない人も、ブラスバンドが大好きな人もそうでない人も、どちらの魅力にもハマること間違いなし!
「ワンピース音宴 イーストブルー編」は2018/8/12(日)~9/2(日)まで、東京国際フォーラム ホールCにて開催。


取材・文・写真/ローソンチケット


ワンピース音宴 イーストブルー編

公演スケジュール

2018/8/12(日)~9/2(日)

会場

東京国際フォーラム ホールC

公演ページはこちら


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