クラシック
辻本玲 チェロ・リサイタル

辻本玲 チェロ・リサイタル

チケット情報

多彩な魅力に溢れた至高のチェロ名曲選!

王道を邁進する実力派・辻本玲の今年のリサイタルは、チェロをこよなく愛したショパンの「チェロ・ソナタ ト短調」と現代チェロの巨人カサドによる「無伴奏チェロ組曲」をメインとした、チェロ・ファン必聴のプログラムをお届けします!その他にも、ヤナーチェク、ペンデレツキなどバラエティに富んだ楽曲が揃いました。

最高峰の音響を誇るトッパンホールに響き渡る、芳醇なチェロの音色をご堪能ください!!


1曲目は、ヤナーチェクの「おとぎ話」。タイトル通り幻想的な部分と起伏の激しい部分が交錯する、不思議な世界にご案内します。
ペンデレツキはポーランドの作曲家・指揮者。1994年に作曲された「無伴奏チェロのためのディヴェルティメント」はチェロの可能性を追求するような技巧的で現代的な作品です。
現代チェロの巨人カサドの「無伴奏チェロ組曲」は、世界中のチェリストにとってのマスターピースで、フラメンコにも通ずるような情熱と哀愁に満ちた名作です。

後半は、チェロをこよなく愛した作曲家としても有名なショパンのロマンティックな世界をたっぷりとご堪能ください。
「序奏と華麗なるポロネーズ」はショパンが20歳の年に作曲された最初期の作品のひとつで、ゆったりした序奏と華やかなポロネーズの対照が見事な、後半の幕開けにふさわしい作品です。「チェロ・ソナタ」は、多くの聴衆に最も愛聴されているチェロ曲のひとつであると同時に、演奏表現が非常に難しい曲としても知られています。こちらは最晩年に作曲されました。美しいメロディと内容の深さが同時期のピアノ・ソナタ第3番と比較される傑作ですが、チェロもピアノも高度な演奏技術が要求される難曲です。

チェコ(ヤナーチェク)~ポーランド(ペンデレツキ)~スペイン(カサド)を旅して、風景や空気の違いを感じていただけるような前半。ショパンの初期から晩年へと、その人生を辿るような後半。
それぞれに全く違う背景を持つバラエティに富んだ様々な曲調を、辻本玲の「歌うチェロ」で是非お楽しみください。


 
辻本玲 (チェロ)
東京藝術大学音楽学部器楽科を首席で卒業。その後シベリウス・アカデミー、ベルン芸術大学に留学。第72回日本音楽コンクール第2位。2007年度青山音楽賞新人賞受賞。2009年ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール第3位入賞(日本人最高位)。2011年に東京サントリーホール他5大都市でデビュー・リサイタルを開催。2013年齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。サイトウ・キネン・オーケストラに毎年参加するほか、アルカス佐世保レジデンス・カルテットなど室内楽でも活動。日本フィルハーモニー交響楽団ソロ・チェロ奏者。使用楽器は、NPO法人イエロー・エンジェルより1724年製作のアントニオ・ストラディヴァリウスを貸与されている。 

須関裕子 (ピアノ)
桐朋女子高等学校音楽科2年在学中に、第2回チェルニー=ステファンスカ国際ピアノコンクールにて第1位。第18回園田高弘賞ピアノコンクール第3位。第16回宝塚ベガ音楽コンクール第1位。ドイツで行われた第3回国際室内楽アカデミーにてグランプリを受賞。桐朋学園大学音楽学部を卒業、同研究科を首席修了。秋山和慶氏指揮・大阪フィルハーモニー交響楽団、長田雅人氏指揮・ふじのくに交響楽団、新田孝氏指揮・ニッポンシンフォニー、鈴木秀美氏指揮・静岡交響楽団と協奏曲を共演。ソロ活動のほか、アンサンブル奏者として国内外の多くの演奏家の信望も厚く、近年では堤剛氏のリサイタルやCD等で共演している。


 

プログラム

 

ヤナーチェク:おとぎ話

チェコの作曲家であるヤナーチェクはこの曲をロシアの詩人のヴァシーリー・ジュコーフスキーの『皇帝ベレンデイの物語』にインスピレーションを受けて作曲しました。ヤナーチェク特有のハーモニーによって作られる神秘的、そして幻想的な世界観が魅力です。聴きながら色々な風景、心情を感じていただきたいと思います。


ペンデレツキ:無伴奏チェロのためのディヴェルティメント

フィンランドに留学していたときに習っていたアルト・ノラス先生が交友関係もあり、得意としていたペンデレツキの曲です。ノラス先生はこの曲を録音しており、その演奏に惹かれていつか弾いてみたいと思っていました。ペンデレツキの独特な音列、音楽語法がたくさん使われており、ややヒステリックな面とシニシズムを感じさせる曲です。


カサド:無伴奏チェロ組曲

9年前にガスパール・カサド国際チェロ・コンクールを受けた時に弾いた想い出の曲です。カサドの故郷であるスペインの民族的な舞踏のリズムや民族的な楽器のサウンドを模倣しながら、自身が大チェリストであったからこそチェロの魅力を最大限に引き出していることを感じられる曲です。


ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ ハ長調 op.3
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 op.65

ショパンといえばピアノの詩人。たくさんのピアノ曲を世に出した彼ですが、室内楽曲を4つ作曲しており、そのうち本日演奏する「序奏と華麗なるポロネーズ」「チェロ・ソナタ」を含む3曲がチェロのために書かれており、彼のチェロを愛する気持ちが伝わってきます。
特に「チェロ・ソナタ」はショパンらしい華麗で技巧的なピアノと、朗々とふくよかに歌うチェロが、ショパン晩年の大作と呼ぶにふさわしい聴きごたえのあるソナタです。