喜劇の名手・鈴木聡の粋な傑作が、松村武の演出で鮮やかにリバイバル。
ふぉ~ゆ~福田悠太×辰巳雄大が魅せる、滑稽で哀しくも人情あふれる青春譚。
青雲の志と生臭な現実のはざまで、翻弄され、葛藤して。誰もが思いあたる青春物語、いや、人生の物語。
本作『腹黒弁天町』は、喜劇の名手・鈴木聡が夏目漱石の名著「坊っちゃん」の世界にインスパイアされて書き上げ、1994年、劇団ラッパ屋の公演として初演された秀作です。それから四半世紀の時を越え、このたびパルコ・プロデュースとして、劇作家・演出家・俳優として八面六臂に活躍中の松村武の演出で上演が決定しました。
パルコ・プロデュースでは2020年1月、鈴木聡の作品で劇団ラッパ屋にて1994年に初演・98年に再演された『阿呆浪士』を上演。ひょんなことから赤穂浪士の名を騙り、しまいには討入りにまで行ってしまう“阿呆浪士”……というユニークなアイディアと、いわば“本歌取”な手法が光る傑作喜劇を、若い俳優を中心とした座組で華やかに蘇らせ、大いに好評を博しました。そして今回上演される『腹黒弁天町』のインスピレーションは、夏目漱石の名著「坊っちゃん」から。東京から赴任してきた若い教師が田舎町で出会う、計略や陰謀にまみれた教師たち、町の有力者、マドンナ、芸者……「坊っちゃん」の匂いがそこかしこに漂う世界観に、温かな人情と抗いきれない現実が哀しくも可笑しく入り交じる“鈴木聡節”が見事に掛け合わされた傑作。血の通った粋な名作は時代や世代を問わず、このたびも皆さまの心に、エンターテインメントの確かな灯りを届けることでしょう。
理想と現実のはざまで思い悩み揺れ動くのは、いつの時代も変わらぬ若者の常。誰もが思いあたる人生の物語が、この春、時を越えて令和の世に蘇ります。どうぞご期待ください。
時は明治時代後期。
陰謀渦巻く田舎町、弁天町に東京から赴任した二人の青年教師、財前涼太と山岡大介。未来への希望に燃える二人は、弁天町に向かう車中で、芸者の小雪と出会う。手練手管の小雪に山岡はデレデレとなるが、財前は断固として小雪の誘いに乗らない。弁天町駅で二人を迎えたのは教頭の村井尻。そこに芸者と一緒に人力車に乗った校長・権田原が現れる。その姿に嫌悪感を覚える二人に「清濁併せのむ」ことの重要性を伝える村井尻。前途多難な気配を感じ、理想と希望を信じることを誓い合う二人だったが、いつしか現実に呑み込まれていく山岡に対し、財前は小雪に溺れ、己の心のままに身を持ち崩していく。二人の歩む道は対照的に分かれて……。二人の青年教師が、理想・正義と社会の俗・欲望との間で、翻弄され葛藤する青春物語、いや、人生の物語。
作
鈴木聡
演出
松村武
出演
福田悠太(ふぉ~ゆ~) 辰巳雄大(ふぉ~ゆ~) / 伊勢佳世 伊藤純奈 木村靖司 土屋佑壱 政岡泰志 /
長谷部洋子 亀岡孝洋 福久聡吾 柳瀬芽美 スガ・オロペサ・チヅル ピーターピーター /
中村まこと 久保酎吉
日程・会場
公演日 |
会場 |
2/4(金)~2/20(日) |
東京・紀伊國屋ホール |
2/22(火)・2/23(水・祝) |
大阪・松下IMPホール |
料金
本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。
公演中止など、主催者がやむを得ないと判断する場合以外の払い戻しはいたしません。
本公演のチケット購入時に登録の氏名・緊急連絡先は、万が一来場者から感染者が発生した場合など必要に応じて保健所等の公的機関へ提供させていただく場合がございます。予めご了承くださいませ。
本公演の感染症拡大予防に対する取り組みとお客様へのお願いにつきましては、公演直前に各主催WEBサイトに改めて掲載いたしますので、ご確認の上ご来場くださいませ。
未就学児の入場はご遠慮ください。
車椅子でご来場予定のお客様は、あらかじめご観劇券(チケット)をご購入の上、座席番号を各公演のお問合せ先までお早めにご連絡くださいませ(受付はご観劇日前日まで)。ご観劇当日、係員が車椅子スペースまでご案内いたします。また、車椅子スペースには限りがございますため、ご購入のお座席でご観劇いただく場合もございます。予めご了承くださいませ。