『往転』の初演は外部演出家およびキャストのもと、世田谷パブリックシアターのプロデュース公演として上演され、また、第56回岸田戯曲賞および第15回鶴屋南北戯曲賞の最終候補作としてもノミネートされました。今回は桑原裕子自身の新演出による、満を持して再演となります。
これまでKAKUTAでは、現代人が抱える様々な「生きにくさ」にスポットを当て、ふとしたことから日常を踏み外した市井の人々のドラマを普遍的な目線で描いてきました。その際、KAKUTAが大事にしてきたのは、人の「肌感覚」や「息づかい」を見つめつつ、変化する時代に生きることの苦しさ、そして素晴らしさでした。
今回はKAKUTA presents 「Monkey Biz #1」の名の下でこうした視点をふまえながらも、多彩なゲストを招くことで、新たな風をもたらします。
初演の2011年は震災の年であり、閉塞感が支配していました。そうした閉塞感、「いびつ」な社会を切り出したのが『往転』でした。それから9年の時をへて、いま、桑原のホームグラウドであるKAKUTAのプロデュース公演として「往転」を再構築することで、時代を超えた普遍な人間の姿を描くドラマとしての新たな魅力を引き出すことに挑戦します。
<あらすじ>
ある夏の日に高速夜行バスに乗り合わせた3組の男女とその運転手を中心に、4つの物語が進行する。
リストラされた男と、かつての愛人だった女性とが、彼女の母親の遺言に従い、兄妹に遺骨を渡していく「アンチェイン・マイ・ハート」。
双子の兄弟が経営する桃農園に、兄の婚約者だと名乗る女性が現れ、困惑する弟。彼女の素性と兄の思いが徐々に明らかになる「桃」。
自宅の二階から飛び降り、入院することになった女性が、昏睡状態から目覚めた同室の男性と交流を深めていく「いきたい」。
息子の友人と偶然バス停で出会い、同じ目的地へ向かう女性を描いた「横転」。
時間軸を行き来しながら、徐々にそれぞれが抱える悩みや葛藤が浮き彫りになる物語。
作・演出
桑原裕子
出演
峯村リエ 入江雅人/小島聖 米村亮太朗
異儀田夏葉 多田香織 置田浩紳 森崎健康 吉田紗也美/長村航希/成清正紀 岡まゆみ
日程
2020/2/20(木)~3/1(日)
会場
下北沢 本多劇場
料金
席種 | 料金 |
一般 | ¥5,800 |
サービスデー | ¥5,500 |
全席指定・税込
<サービスデー>
2/20(木)19:00回、2/21(金)19:00回、2/22(土)18:00回、2/26(水)19:00回
未就学児童の入場はご遠慮ください