演劇
「ベター・ハーフ」

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『ベター・ハーフ』
「ベター・ハーフ」とは、自分が必要とする、もう一人のこと。
あらすじ:
物語は4人の男女によって紡がれる。
始まりは誤解だった。広告代理店勤務の諏訪は、上司の沖村から「ネットで知り合った女性に自分の代わりに会ってきて欲しい」というムチャクチャな依頼を受ける。じつは、ネットでは、中年の沖村は自分の年齢を偽り、二十代の諏訪の写真を送ったのだという。驚くが上司の依頼を拒否できない諏訪。待ち合わせ場所に行けば、そこには、若い女性、平澤が待っていた。
だが、平澤もまた、友人の小早川の代わりに来ていた。小早川は、男の体を持って生まれ、女性の性を自認するトランスジェンダー、MTFと呼ばれる女性だった。直接、沖村と会うことに怯え、平澤に身代わりを頼んでいたのだ。デートから帰った平澤は、録画した諏訪の映像を見せる。諏訪の姿にきゅんきゅんする小早川。次のデートでは、絶対に一緒に行こうと説得する平澤。
一方、上司の沖村は、ホテルのロビーでピアノを弾きながら歌っている小早川を目撃する。その歌声と姿に強く惹かれる沖村。リアルの世界で偶然に二人は出会ったのだ。だが、小早川は、沖村に興味を示さない。
平澤と一緒に来たデートで、小早川は思い切って諏訪に、「チャットをしていたのは自分だ」と告白する。諏訪は、ためらい、一緒に来ていた平澤に「そういう趣味、かんべんしてよ」とつぶやく。
そして、諏訪は、平澤を決して好きになってはいけない、上司の代わりなんだと思えば思うほど、平澤に惹かれていく自分に気づいて愕然とする。そして、思い切って、平澤に自分もまた代理だったと告げる。そして、あらためて自分とつきあって欲しいと。衝撃を受ける平澤。小早川の気持ちを思わず考えてしまう。
こうして、すれ違い、ぶつかり、別れ、つながる、四人の愛の物語は始まった。
作・演出:鴻上尚史
CAST:
風間俊介、松井玲奈、中村 中、片桐 仁