運慶晩年の最高傑作、東京へ。
奈良・興福寺の北円堂は、本尊の国宝 弥勒如来坐像と両脇に控える国宝 無著・世親菩薩立像が、鎌倉時代を代表する仏師・運慶晩年の傑作として広く知られています。運慶の仏像が安置される空間をそのまま伝える貴重な例である北円堂は通常非公開ですが、修理完成を記念して弥勒如来坐像の約60年ぶりの寺外公開が決定いたしました。本展は、弥勒如来坐像、無著・世親菩薩立像に加えて、かつて北円堂に安置されていた可能性の高い四天王像を合わせた7軀の国宝仏を一堂に展示し、鎌倉復興当時の北円堂内陣の再現を試みる奇跡的な企画です。
興福寺北円堂について
藤原不比等の追善供養のため、一周忌にあたる721年8月に元明・元正天皇が、長屋王に命じて建立させたと伝えます。興福寺伽藍の中では西北隅に位置していますが、ここは平城京を一望の下に見渡すことのできる一等地で、平城京造営の推進者であった不比等の霊を慰める最良の場所でした。度重なる災禍に遭い、1180年の南都焼き討ち後、1210年頃に再建されました。現存する興福寺の堂宇の中で最古の建物で、国宝に指定されています。
八角形の円堂で、内陣には同じ八角形の須弥壇があり、本尊・弥勒如来坐像をはじめとする9軀の仏像が安置されています。奈良時代の建築の特徴を残した和様建築の傑作として知られており、日本に現存する八角円堂で最も優美な建築と賞賛されています。
| 日程 |
2025/9/9(火)~2025/11/30(日) |
| 開館時間 |
9:30~17:00
※入館は閉館の30分前まで |
| 会場 |
東京国立博物館 本館 特別5室(東京・上野公園) |
| 休館日 |
2025/9/29(月)、2025/10/6(月)、14(火)、20(月)、27(月)、2025/11/4(火)、10(月)、17(月)、25(火) |