フジテレビ球体展望室に圧巻のスピノサウルスのロボが!「オダイバ恐竜博覧会2024」開幕
東京・台場のフジテレビにて「オダイバ恐竜博覧会2024 -福井から“ヤツラ”が新幹線でやってくる!-」が2024年3月20日より開幕。開幕に先駆け、監修統括を務める柴田正輝先生(福井県立恐竜博物館主任研究員/福井県立大学恐竜学研究所教授)による解説付きの報道陣向け内覧会が行われた。
北陸新幹線の福井・敦賀延伸に合わせて、福井県及び、福井県立恐竜博物館の特別協力を得て開催されているこちらの博覧会。展示は第1から第3までの3つの会場で構成されており、柴田教授は、フジテレビで開催されるこの博覧会の展示について「普通の博物館ほど堅くなく、恐竜を楽しんでもらおうという展示になっています」と説明する。
第1会場の「恐竜って何だ??」では、まさにタイトル通り「みなさん、知っているようで知らない、恐竜がどういう生物かを説明している」(柴田教授)とのこと。例えば、人気のプテラノドンなどの翼竜や、エラスモサウルスなどの首長竜は、生物学上は「恐竜」ではないといったことなどが、わかりやすく説明されている。
そして、会場中央には実物大(約12メートル)のティラノサウルスの生体復元ロボットが展示されており、トリケラトプスを捕食するシーンを再現。柴田教授によると「実物大でこれほど精巧に動くものは世界にもなかなかない」とのことで、肉食恐竜の狩りの瞬間を間近で観察している気分が味わえるが、ロボットとわかっていても身震いするほどの迫力がある。
第2会場は「恐竜研究最前線!」と題して、柴田教授も所属する福井県立恐竜博物館の研究員たちが「各々、どんな研究をしているのか?」を紹介している。ちなみに柴田教授は、発掘に加え、イグアノドン類を専門的に研究しており、他の研究員の中には恐竜の「脳」に特化した研究を進めている人もいるという。
また、ここではこれまで福井県で見つかった全6種類の新種の恐竜のうち3種類(フクイラプトル、フクイサウルス、フクイベナートル)の全身骨格を展示。また、2023年9月に新種として新たに名前が付けられたティラノミムス・フクイエンシスの部分骨格が福井以外で初めて展示される。
そして、フジテレビの球体展望室 はちたまが第3会場となっており「王者の部屋」というテーマでの展示が行われている。恐竜の王者と言われるとティラノサウルスを想像しがちだが、柴田教授は「今回はティラノサウルスと並ぶ最大の肉食恐竜のスピノサウルスにフィーチャーし、実物大のロボットを展示しており、その迫力に圧倒されます」と言葉に力を込める。
特に、以前はティラノサウルスと同じく陸上で2足歩行をしていたと考えられてきたスピノサウルスだが、近年の研究では水棲だったという学説が唱えられており、こちらの展示もその学説に合わせたスイミングスタイルのロボットとなっている。東京一帯の景色を眺望できる「はちたま」で「まるで空を飛んでいるように見えたら」と語る柴田教授。第1会場のティラノサウルスに負けず劣らずの圧巻の展示となっている。
このほか、会場には、ホンモノの化石発掘の体験プログラム(土日GW開催)や、北陸新幹線延伸を記念した鉄道ジオラマコーナー、試乗できる「W7ミニ新幹線かがやき」、福井のご当地グルメを集めたコーナーなど、まさに老若男女を問わず楽しめる展示やブースが盛りだくさんの博覧会となっている。
取材・文:黒豆直樹