およそ100年前、「大阪」、「東京」、「パリ」の3つの街に生き、短くも鮮烈な生涯を終えた画家、佐伯祐三(1898-1928)。1924年に初めてパリに渡ってからわずか4年余りの本格的画業の中で、都市の風景を題材とする独自の様式に達しました。特に、一時帰国を挟んだ後の2回目の滞仏期に到達した、繊細で踊るような線描による一連のパリ風景は、画家の代名詞とされ、その比類ない個性は今でも多くの人を魅了し続けています。私たちは、佐伯の絵画に向き合う時、風景に対峙する画家の眼、筆を走らせる画家の身体を強く想起させられます。そして、描かれた街並の中に、画家の内面や深い精神性を感じ取ります。それゆえ作品はしばしば、画家自身を映したもの自画像にたとえられます。本展では、佐伯が描いた「大阪」「東京」「パリ」の3つの街に注目し、画家が自らの表現を獲得する過程に迫ります。
展覧会には、日本最大級の質と量を誇る大阪中之島美術館の佐伯祐三コレクションを中心に、画家の代表作が一堂に集結。展覧会初出品となる作品も出展されます。15年ぶりの大回顧展となる本展は、佐伯芸術の魅力を再発見する機会となることでしょう。
会期 |
4/15(土)~6/25(日) |
会場 |
大阪中之島美術館 5階展示室 |
開館時間 |
10:00~17:00 (入場は16:30まで) |
休館日 |
月曜日(5/1(月)を除く) |