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【内覧会レポート】「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった(福岡)

【内覧会レポート】「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった(福岡)

展示アドバイザー兼監修者の高橋 望と、映画『風の谷のナウシカ』の主人公ナウシカ役の声優、島本須美が来福!

内覧 メイン

昨年から各地を巡回している展覧会、『「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった』が、4月8日(金)より福岡アジア美術館にて開催。1970年代末のアニメブームからスタジオジブリ誕生までを、日本初の本格的商業アニメ雑誌・月刊「アニメージュ」(徳間書店)の誌面や貴重な制作資料とで振り返る本展。開催を目前にした7日には内覧会が行われ、展示アドバイザー兼監修者の高橋望と、音声ガイドナビゲーターを務めた映画『風の谷のナウシカ』の主人公ナウシカ役の声優、島本須美が来福し、会場内では展示品の解説や思いなどを語ってくれた。

内覧前半 アニメージュコーナー

アニメージュの創刊号や表紙の数。初期ガンプラによる『機動戦士ガンダム』の名シーンを立体で表現したジオラマや、本展覧会でしか見ることの出来ない貴重なセル画の数々は必見!


ナウシカ役の他に、『ルパン三世 カリオストロの城』クラリス役など、宮崎駿作品で数々のヒロインの声優を務めた島本は本展について、「今では貴重となったセル画もたくさん展示されているので、それらを見ているととても懐かしくなります。特に、アニメージュが創刊した翌年に私はデビューしたので、アニメージュと私の声優としての歴史がほぼ重なりますしね」と感慨深い様子。

また、1970年代のアニメブームが起きた時代に創刊されたアニメ雑誌「アニメージュ」などの編集も担当していたという高橋は、「みなさん、ジブリは昔から存在しているイメージを抱かれているかと思いますが、最初のアニメブームがあって、『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』がヒットしていく流れがあった中で誕生したのがジブリなんです。どういう状況で、誰が頑張ってきたことで今のジブリがあるのかを、今の人たちに知ってもらいたいという思いが詰まってます。それが分かって頂ける内容になっているかと思います」と語るように、本展では『機動戦士ガンダム』をはじめ、ジブリ作品以外の展示も並ぶ。

内覧後半 ナウシカコーナー

写真右は『風の谷のナウシカ』より”巨神兵”のジオラマを完全再現した造形物。こちらもひと際目をひく


セル画や広告物・ポスター・ジオラマなど様々な資料で私たちを楽しませてくれる本展で、圧巻させられるのが造形物たち。数々の作品でキャラクターデザインや造形監修を務める造形師・竹本孝之氏によって作られた、『風の谷のナウシカ』の“風使いの腐海装束”(上記写真左)のジオラマがひときわ存在感を放ち、本展では注目すべき展示品のひとつである。その佇まいを見つめながら島本が、「マスクをしているこの造形は、なんだか今の私たちの状況(コロナ感染防止の為のマスク生活)とダブりますよね…。戦争なんてしている場合じゃないって思いますよね」と強く語る姿がとても印象的だった。

展示後半

『天空の城ラピュタ』ジオラマとワンダー・シップ号の模型(写真左)などもお目見え。本展は 『初公開 』の貴重な資料やセル画。立体造作を含む、約200点以上で構成されている


全国を巡回している本展だが、各地での反響について島本は「皆さんわりと喜んでくださっている感じで、初日から並んでくださっていましたので、福岡でもぜひ!たくさんの方に来て頂きたいですね」と笑顔を見せた。一方の高橋も、「お客さまの反響とはちょっと話は違いますが、昨年から巡回をしていると、いろんな人から「これを展示してください!」などと声がかかったりして、思わぬ人が思わぬ物を持っていたりするので、巡回するごとに展示が強化されていく感がありますね(笑)。だから、一番新しい巡回が一番充実していると言えるのかなと。あと、強化した点でいえば、各地でご当地企画をやりたいと思っていまして。今回の福岡では映画『猫の恩返し』(‘02)の森田宏幸監督が福岡出身で、彼が高校時代に所属していた美術部で作成したという自主アニメなんかもコーナー設置しています。これは福岡でしか見られないので、そういったところでもパワーアップした展示になっていると思いますから、是非お楽しみに」と、注目すべき点がたくさんあることを教えてくれた。

日本が世界に誇れるアニメというジャンル。本展は、アニメとアニメージュやジブリの歴史、その変遷だけに留まらず、それらを見て育ってきた私たちそれぞれの青春時代と数々の思い出の振り返りもプラスして楽しめ、その時代を知らない世代にとっても新鮮な体感が出来る展覧会となっているので、ぜひ足を運んでみてほしい。

「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった(福岡)公演ページはこちら

プロフィール

【プロフィール】

■高橋 望(たかはし のぞむ)
【スタジオジブリ 展示アドバイザー 兼 本展監修者】

1960年東京都生まれ。1983年徳間書店に入社し、『テレビランド』『アニメージュ』などの編集を担当。
89年にスタジオジブリに出向、『おもひでぽろぽろ』(91年)『紅の豚』(92年)『千と千尋の神隠し』(01年)などの制作や、『海がきこえる』(93年)『猫の恩返し』(02年)などのプロデューサーを務める。
その後、日本テレビ映画事業部へ。『ALWAYS 三丁目の夕日』(05年)シリーズや、アニメーション映画では『サマーウォーズ』(09年)など細田守監督作品をプロデュースした。現在は、「アニメージュとジブリ展」の監修者を務める。



■島本須美(しまもと すみ)
【本展音声ガイドナビゲーター】

声優、ナレーター。映画『風の谷のナウシカ』の主人公ナウシカ役のほか、アニメや洋画の吹き替えなど多くの作品でヒロイン役や清純な少女の声を担当。
特に宮崎駿氏関連の作品には多く出演しており、『ルパン三世カリオストロの城』でのクラリス役、『となりのトトロ』の姉妹サツキとメイの母親役、『もののけ姫』のトキ役などで活躍。
他にも、『めぞん一刻』(音無響子役)、『それいけ!アンパンマン』(しょくぱんまん役)、『名探偵コナン』、『らき☆すた』など、幅広い作品に出演している。
本展覧会の監修をつとめた三鷹の森ジブリ美術館シニアアドバイザーであり、音声ガイドでは当時アニメージュ編集部の高橋望氏と展示のみどころや当時のアニメにまつわるエピソード、ウラ話のほか、ナウシカや『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリスの名ゼリフも収録されている。


【内覧会レポート】「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった(福岡)
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