20世紀彫刻の巨人イサム・ノグチの「発見の道」を様々な作品で辿る
20世紀を代表する芸術家イサム・ノグチ(1904-1988)は、彫刻のみならず、舞台美術やプロダクトデザインなど様々な分野で大きな足跡を残しました。
しかし、彼はその生涯を通じて一貫して彫刻家であり続けました。
晩年に取り組んだ石彫は、ノグチ芸術の集大成というべき世界です。
日本人の父とアメリカ人の母との間に生まれ、アイデンティティの葛藤に苦しみながら、独自の彫刻哲学を打ち立てたノグチ。
その半世紀を超える道のりにおいて、重要な示唆を与え続けたのが、日本の伝統や文化の諸相でした。
例えば、京都の枯山水の庭園や茶の湯の作法にふれたノグチは、そこから「彫刻の在り方」を看取することができたのです。
本展では、晩年の独自の石彫に至るノグチの「発見の道」を様々な作品で辿りつつ、ノグチ芸術のエッセンスに迫ろうとするものです。
そのため、彫刻と空間は一体であると考えていたノグチの作品に相応しい、特色ある3つの展示空間の構成を試みます。
「価値あるものはすべて、最後には贈り物として残るというのはまったく本当です。芸術にとって他にどんな価値があるのでしょうか」と語っていたノグチ。
本展覧会において、われわれが今、希求してやまない何かをその作品は示してくれるに違いありません。
会期 |
2021/4/24(土)~2021/8/29(日) |
会場 |
東京都美術館 企画展示室
(〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36) |
開室時間 |
9:30~17:30
※入室は17:00まで |
休室日 |
月曜日(ただし2021/5/3(月・祝)、2021/7/26(月)、2021/8/2(月)、2021/8/9(月・祝)は開室) |