特別展「大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦」が国立科学博物館で開幕

陸と海の哺乳類が大行進! 500点以上のはく製や骨格標本から迫る生き残り作戦!!

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 前回の「大哺乳類展」から実に9年ぶり! 上野に帰ってきました特別展「大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦」

 

3/21(木・祝)より国立科学博物館(東京・上野公園)で特別展「大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦」が開催されました。

 

2010年に開催し大好評を博した「大哺乳類展」から9年、哺乳類たちが上野に大集結。今回のテーマは「生き残り作戦」として、様々な哺乳類の命をつなぐために発達した多様な姿や、能力を紹介していきます。

会場中央にある史上最大級の哺乳類大行進!

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 分類別に約200種の動物たちが大行進! 迫力満点です

 

世界中にいる哺乳類は約5,400種以上いると言われています。会場中央には海と陸、それぞれの哺乳類たちが分類別に約200種ものの、はく製標本が展示されており迫力満点です。

国立科学博物館の重要標本群の一つである「ヨシモト・コレクション」をはじめとする哺乳類のはく製標本は、手のひらサイズのものから、なんと約16メートルものマッコウクジラ(初公開)のはく製標本まで多種多様な哺乳類を見ることができます。

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 会場内は撮影OK。案内には会場近くの上野動物公園で会える哺乳類を表示

 

会場内では写真撮影OK(一部のぞき)。ただし、フラッシュ撮影や、三脚を使用しての撮影、ビデオ撮影(動画撮影)は禁止しています。自動でフラッシュを設定している方は、会場に入る前にオフ設定をしてから入場してください。

また、はく製標本の案内板には会場近くの上野動物園で会える哺乳類を表示しています。展覧会の後に上野動物公園へ行って実際の哺乳類を観察するのも楽しそうです。

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 実際に触れることできる「トラ」はく製標本。まるで生きているかのようです

 

会場内にはいくつか標本や骨格などに触れられる体験コーナーがあります。はく製標本では「トラ」に触りましたが、触る際に目が合った気がしてドキドキしました。そして、思ったよりも触り心地が良かったです。「トラ」以外にも「ゴマフアザラシ」や「インパラ」に触ることが可能です。どんな触り心地なのかは、ぜひ会場で確かめてみてください。

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 全長約16メートルもあるマッコウクジラ。3分の1を占める頭部の内部はどうなっているのでしょうか? 答えはこの裏側にあります

 

今展が初公開となるマッコウクジラは、体の構造がわかる半身の模型付き全身骨格となっています。ダイオウイカをも食べるという大きな口のほかに、頭部の仕組みなどを知ることができます。そのほか普段、見ることのできない哺乳類たちもより近くで見られるチャンスです。

哺乳類のロコモーション(移動運動)に迫る!

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 躍動感あふれるブラックバック。しなやかで美しいです

 

哺乳類のロコモーション(移動運動)は、同じ脊椎動物である魚類や爬虫類とはまったく異なります。哺乳類は多様性と自由度に富み、様々な環境に適応する能力を獲得しました。会場では、チーターの走り方、ブラックバックの跳躍力、テナガザルのブラキエーション(樹上運動)、イルカやラッコの遊泳などを、山口大学共同獣医学部の協力により、最新の解析映像も駆使して紹介しています。

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 シロサイやキリンなど、それぞれで歩き方は全く異なります

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 環境に適した歩行方法には特殊な歩行をする哺乳類も

哺乳類の「食べる」「産む・育てる」を大公開

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 ハクジラとヒゲクジラの頭部。どのように食べるのか? をモーションを入れて展示しています

 

さらに今展では、生きるために必要不可欠である「食べる」、全ての生物の目的である子孫を残すための「産む・育てる」をピックアップ。

「食べる」では、哺乳類の特徴があらわれる歯とあごを展示。両生類や爬虫類の歯は、何度でも生え替わりますが、哺乳類は多くても1回しか生え替わらないんだそうです。その哺乳類の中でもハクジラは特殊で、歯の交換は生涯行われないんだとか。そのほかにも、食べ物を丸のみする魚食動物をはじめ、ナイフのように肉を裂いたりする肉食動物や、血液を栄養とする哺乳類など様々で見ごたえ十分です。

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 マレーバクの体は白黒はっきりしている哺乳類です

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 子どものマレーバクは黒地に白線があります。ここに生き残る戦略がありました

 

「産む・育てる」では、オスがメスへアピールするために獲得した見事な戦略をはじめ、胎盤や哺乳、生まれた子どもの生き残り戦略についても注目し、幅広く哺乳類の生存戦略に迫ります。

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 第二会場では由比ガ浜海岸で漂流したシロナガスクジラの頭骨ほか研究資料が展示

 

ほかにも2018年夏に由比ガ浜海岸(神奈川鎌倉市)で漂流したシロナガスクジラの最新研究が展示されています。鯨の生態を知り、環境問題への理解を深めます。

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 哺乳類を題材としたアート作品が展示「Art of Mammals」。写真撮影は禁止

 

さらに今展とコラボレーションしている漫画『へんなものみっけ!』作者の早良明さんをはじめ、ミッフィーで知られるディック・ブルーナさんほか今展の音声ガイドを担当している俳優の瀬戸康史さんなどの哺乳類を題材としたアート作品が展示されています。こちらの写真撮影は禁止しています。

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦 ミュージアムショップ

 

海も陸も約500種類以上の哺乳類が大集合した特別展「大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦」は6/16(日)まで国立科学博物館で開催。

 

開催概要

 

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦

大哺乳類展2―みんなの生き残り作戦

 

開催期間

3/21(木・祝)~6/16(日)

時間

9:00~17:00

※金曜・土曜は20:00まで

※ただし、4/28(日)~5/5(日・祝)は20:00まで

※5/6(月・休)は18:00まで

※入場は各閉館時刻の30分前まで

休館日

月曜日および5/7(火)

※ただし、3/25(月)、4/1(月)、4/29(月・祝)、5/6(月・休)、6/10(月)は開館

※今後の諸事情により、開館時間や休館日等変更する場合がございます。国立科学博物館公式サイト等でご確認ください

会場

国立科学博物館

公式ホームページ

https://mammal-2.jp/ ※外部サイトへ移動します

 

 

(文・写真:工藤明日香/ローソンチケット)

 

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