「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」が六本木ヒルズで開催中!!

平成最後の大発見・初公開作品が集結。進化し続ける北斎ワールド全開!

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

 

現在、六本木ヒルズ内の森アーツセンターギャラリーにて「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」が開催されています。

昔も今も絶大な人気を誇る葛飾北斎。世界で最も知られた日本の芸術家の1人であり、その評価は国内外における展覧会の相次ぐ開催や、おびただしい数の出版物によって一段と国際的な高まりを見せています。今回は、開催前に行われた内覧会の様子をお届けします。

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葛飾北斎没後170年にあたる今年に開催される本展。葛飾北斎の絵師人生を、作風の変遷と主に用いた画号よって6期に分けて紹介します。勝川派の絵師としてデビュー、活動していた「春朗期」(20~35歳頃)からはじまり、自由な発想と表現による肉筆画に専念した「画狂老人卍期」(75~90歳頃)まで壮大な画業を展開しています。

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

<<五代目市川団十郎 かげきよ>>(細判 寛政元年(1789)島根県立美術館(永田コレクション)左図)

<<五代目市川団十郎 松王丸・市川門之助 桜丸>>(細判 天明8年(1788)島根県立美術館(永田コレクション)右図)(ともに1/28まで展示)

役者絵は当時でいう絵師の宣伝材料であり、プロフィール代わりとなる

 

本展の監修は、葛飾北斎研究第一人者である永田生慈さんです。永田さんは、約70年の画業の間で葛飾北斎が名を変え、絵のスタイルを変え、画法を変えるなど、常に自分のスタイルを“アップデート”していったのは、意思であると考えており、その代表となる6つの画号で構成し、来場者に葛飾北斎の“新たな”発見をしてもらうといった意図がありました。

しかし、永田さんは本展の監修を進めていくなかで2018年に他界。その後を浮世絵研究家の岩切友里子さんと根岸美佳さんが引継ぎ、キュレーションを担当しました。内覧会にて行われたギャラリートークで根岸さんは「本展は永田先生が10年以上も前から温めていた企画であり、平成に入ってから四半世紀で、葛飾北斎の研究がどこまで進んだのか、どんなものが発見されたのか、というものを明らかにする、北斎研究の進捗をお知らせする展覧会です」と開催目的をコメント。

続けて「(葛飾北斎は)必ずしも最初から絵がうまかったわけではありません。画号を変えて、技法スタイルなどを変えていき、様々な努力をしていきました。本展ではそういった色々な葛飾北斎を見ることができますので、注目してご覧いただければと思います。また、この展覧会を通じて、ひとつでも今までの葛飾北斎のイメージが一新されればと思います」と本展への思いや作品の見どころなどを語りました。

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

<<鎌倉勝景図巻>>(木版着彩紙本一巻 寛政5~6年(1793~94)島根県立美術館(永田コレクション))(通期展示)

こちらは本邦初公開作品。約9メートルにもなる長巻で「春朗」から新たな分野への進出がうかがえます

 

十数年ぶりの東京開催となる本展は、会期中に展示替えがありますが、作品数は約480件にもおよぶ大規模展覧会となっています。特徴としては、初公開作品が多数展示されていることです。また、今回、平成の二大発見である<<隅田川両岸景色図巻>>(紙本一巻 文化2年(1805)すみだ北斎美術館)と<<雨中の虎図>>(紙本一幅 嘉永2年(1849)太田記念美術館)<<雲龍図>>(紙本一幅 嘉永2年(1849)ギメ美術館)が展示されることが決まっています。

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

特別出品<<隅田川両岸景色図巻>>(紙本一巻 文化2年(1805)すみだ北斎美術館)

平成の二大発見のひとつ。壮年期の傑作絵巻で100年ぶりにロンドンのオークションで姿を表し、2015年に里帰りした作品(2/11まで展示)

 

会期によって見られるものが違うので、何回でも北斎ワールドを楽しむことができます。ちなみに展覧会に出品している作品のほとんどが監修者・永田生慈さん収集の作品(以下、「永田コレクション」)です。集めた永田コレクションの作品数は実に2000件を超えています。それらは2017年に一括して、永田さんの故郷である島根県に寄贈。永田さんの遺志により、本展に出品された後は、島根県のみで公開されることとなっています。つまり、本展は永田コレクションを東京で見ることができる最後の機会となります。

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

<<向日葵図>>(紙本一幅 弘化4年(1847)シンシナティ美術館)(通期展示)

本邦初公開作品。80才以降の葛飾北斎の作品には年齢と画号が記されている。こちらは88才に描いたもの

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

<<弘法大師修法図>>(紙本一幅 弘化年間(1844~47)西新井大師總持寺)(通期展示)

葛飾北斎晩年、最大級の肉筆画。背景を墨一色にまとめ、三日月は青白く輝いている

 

 

なお、音声ガイドは、女優の貫地谷しほりさんがナビゲーターを、講談師の神田松之丞さんが語り役を担当。音声スペシャルでは講談の四谷怪談ダイジェストを聞くことができるので必聞です。

本展のキュレーションを担当した根岸さんはギャラリートークの中で「葛飾北斎の手がけた広いジャンル・作品の中で、まだまだ明らかになっていない部分や、どういう経緯で描かれたのか全く分かっていない作品は多く存在しています。今回の展覧会は現時点での“新”であって、これからも“新”は続いていくと思います」と話しています。

まだまだ進化を続けていく葛飾北斎。多くの新発見ができる「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」は森アーツセンターギャラリーにて3/24(日)まで開催(会期中展示替えあり)。

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新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

特設ショップ

 

開催概要

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

 

開催期間

開催中~3/24(日)

※休館日:1/29(火)、2/19(火)、2/20(水)、3/5(火)

※会期中、展示替えがあります

時間

10:00~20:00(火曜日のみ17:00まで)

※最終入館は閉館の30分前まで

会場

森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)

 

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【そのほかの画像】

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

<<津和野藩伝来摺物>>「呉竹の七賢」(摺物 寛政9年(1797)島根県立美術館(永田コレクション))(通期展示※4期に分けて全点を展示)※全118枚初公開

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

<<円窓の美人図>>(絹本額面 文化2年(1805)頃 シンシナティ美術館)(通期展示)

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

『北斎漫画』(半紙本1冊 文化11年(1814)島根県立美術館(永田コレクション))(通期展示)

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(横大判 天保初期(1830~34)頃 日本浮世絵博物館 左図)

「冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見」(横大判 天保初期(1830~34)頃 島根県立美術館 右図)(ともに2/18まで展示)

 

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED

『釈迦御一代記図会』(大本6冊 弘化2年(1845)島根県立美術館(永田コレクション))(通期展示)

 

(文・写真:工藤明日香/ローソンチケット)

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