アートアクアリウム美術館
東京・日本橋に金魚3万匹が彩るアート空間
金魚を通じ日本文化の楽しさ、季節の移り変わりを味わう
アートアクアリウム美術館が2020年夏に誕生
東京・日本橋にある金魚アート空間が広がるアートアクアリウム美術館。2007年を皮切りに世界各国で開催された展覧会「アートアクアリウム」が、2020年に初の常設施設として登場しました。
今回はこれまでの展覧会よりも過去最大規模でお届けする「アートアクアリウム美術館」へ行ってみました。
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「アートアクアリウム」って?
「アートアクアリウム」とは、アート、デザイン、エンターテインメントとアクアリウムを融合させ、「アートアクアリウム」という唯一無二のアート分野を確立させたアートアクアリウムアーティストの木村英智さんが日本から世界に発信している新しいアートの展覧会です。
“日本橋の夏の風物詩”ともいえるイベントにまで成長した「アートアクアリウム」は、これまでに世界各地で計37回の展覧会が開催、現在までに累計1,000万人の来場者数を動員しています。
初となる「アートアクアリウム」常設・専用施設「アートアクアリウム美術館」では、過去最大規模の展示空間(敷地面積約2.132平方メートル)を余すところなく活用されており、金魚も過去最多の30,000匹が舞い泳ぎます。
アートアクアリウム美術館デザインチケットと交換! 集めている人には嬉しいサービス
これまでの「アートアクアリウム」と同様にアートアクアリウム美術館でもオリジナルデザインの紙チケットがあります。ローチケで買うと、ローチケ専用紙チケットになったり、電子チケットになったりで手元に残らないなどありますが、ご安心を。購入したチケットを受付窓口にて提示すると、アートアクアリウム美術館オリジナルチケット(紙)と交換することができます。チケットの種類は赤と黒の2種類! 来館記念に交換してみてはいかがでしょうか?
エリアごとの没入体感! 五感を研ぎ澄ませ第六感を呼び覚ます新感覚美術館
「浮世」エリアにある花魁道中
館内は「水端(みずはな)」「浮世」「神秘」「老松(おいまつ)」「愉悦(ゆえつ)」「土産」の全部で6エリアから構成されています。視覚で楽しむのはもちろんのこと、命・光・音・香・味の感覚を刺激し、作品に没入していくような体感が味わえるアート空間が生み出されています。前回の展覧会では、1つ1つの作品に対して没入体感をしてもらうといった狙いがありましたが、今回の常設・専用施設ではエリアごとにそれぞれ体感してもらいたいという思いが込められています。
館内の所要時間は大体30分~1時間ほど。ただし作品に見入ってしまうので、それ以上の時間がかかる場合もあります。館内ルートは一方通行で、戻ってもう一度作品を見るといった逆路は禁止。基本、一本道なので、道に迷うことはありませんが、作品の演出上全体の照明が少し暗いので、お子様と一緒に回る際は手をつないだ方が安心です。車いす・ベビーカーでも通れる余裕空間であり段差も少ないので、誰でも楽しく自分のペースで鑑賞を楽しむことができます(2階へ移動する際はエレベーター有り)。
もちろん新型コロナウイルス感染症予防対策として館内のアルコール消毒をはじめ、検温器の設置、館内適宜換気、人数制限などが行われています。チケットは日時指定制のため、来場してから並ぶことなくスムーズに館内へ入場することができます。
前回の展示会よりもパワーアップした花魁(「浮世」エリア)
アートアクアリウムの基本コンセプトである、現代における江戸の花街を象徴するエリア「浮世」。こちらでは代表作である「花魁」によって構成した超大作「花魁道中」が展示されています。
最奥にある「花魁」は、前回の展示会よりもパワーアップ! 前回作品より1.2倍大きいサイズ、金魚は約1,000匹、水量は2.5トンほどの「花魁」が登場しました。この巨大な「花魁」を含め17つの大小様々な「花魁」が連なる「花魁道中」は見た人の足を止めてしまいます。特に最初のエリア「水端」から「浮世」へ移動する合間の「静」から「動」へ移り変わる様は必見。「いつの間にか花街に迷い込んで、花魁道中に出会った」といったような情景が浮かび上がってくるほど圧倒されます。
金魚の杜(「神秘」エリア)
アクアリウム作品展示エリアの最後を飾るのは、神秘の世界に迷い込む「金魚の杜」です。こちらの作品が展示されているエリアは会場1階部分と2階部分が吹き抜けとなっており、開放感ある展示になっています。
ダイナミックな3D映像演出と水柱付近で流れる自然と一体化したような音響演出、そして進化したライティングシステムとの融合は、エリアの名前通り神秘的で幻想的な空間を作り出しています。映像は季節によって変化するので、何度訪れても見入ってしまう作品となっています。
1階と2階では見る角度により、違った作品のように見える。
1階部分は別世界を散策しているような気分になる
また「金魚の杜」は、1つの作品を別の角度から多面的に鑑賞する楽しさを体験することができます。1階部分では、水の中の世界を散策しているような、幻想世界を浮遊しているような境界があやふやになる不思議な感覚に陥りますが、2階部分では、その不思議な世界の美しさを俯瞰で眺めて楽しむことができます。人それぞれが自由に楽しみ方を発見し、体感できるのはアートアクアリウム美術館ならではの発想であり、何度訪れても魅力的な作品となっています。
夜18時以降限定! 入口付近でドリンク販売。飲みながら鑑賞も
夜18時以降に入口付近では、ドリンク販売が行われます。ソフトドリンクからアルコールまであり、飲みながら鑑賞が楽しむことができます。なお、空き瓶・空き缶は階段付近に設置されたゴミ箱へお願いします。
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アートアクアリウムの基礎となる日本文化が散りばめられた空間で季節を味わう
東京・日本橋生まれの浮世絵師・能版画家月岡耕漁 作「能楽百番」
※画像は2階から1階に向けて撮ったもの
1階の作品展示エリアから2階へ昇る階段の壁には日本橋生まれの浮世絵師・能版画家の月岡耕漁の作品「能楽百番」飾られています。こちらはアートアクアリウムアーティストの木村英智さんコレクションのひとつです。木村英智さんは様々な伝統芸能、伝統産業などを通じ、近年では特に「能楽」の持つ神秘性に魅せられているのだそうです。
水戯庵ラウンジ(「老松」エリア)では1,300個の江戸切子で作られたシャンデリアと能舞台が設置
2階へ昇った最初のエリア「老松(おいまつ)」では、1,300個の江戸切子で作られたシャンデリアと能舞台が設置されている「水戯庵ラウンジ」があります。こちらでは季節の移り変わりが楽しめるメニューが用意されています。
季節といっても春夏秋冬の4つの季節ではなく、立春や夏至、秋分、冬至などの24の節気に分類し、さらにそこから5日ずつ72の季節に分けた「二十四節気七十二候」が取り入れられたアートアクアリウムオリジナルメニューが味わえます。
淹れたての抹茶ほか5日ごとに変化する季節メニューが味わえます
京都の老舗和菓子屋と、老松とのコラボで生まれた「七十二候の和菓子とお抹茶セット」ほか、バーテンダー考案オリジナルカクテルも七十二候に合わせて1種類ずつ違うというこだわり。季節の移り変わりをメニューで繊細に感じつつ、舞台では日本の伝統芸能をはじめとした上演イベントが定期的に行われる予定です。
なお、舞台は普段の生活の中で能舞台などの日本伝統文化に触れる機会が少ない現代において「日本文化は楽しい!」を伝えたいという思いがあるため、誰もが見られるオープンスペースとなっています。
「二十四節気七十二候」が取り入れられた着物。こちらもアートアクアリウムオリジナル作品
また「老松(おいまつ)」から「愉悦(ゆえつ)」エリアの間も注目です。こちらも「二十四節気七十二候」が取り入れられた和装が展示されています。24枚の羽織と72枚の女性着物が5日に1回移り変わります。着物には金魚と花、羽織には月をテーマにしています。
毎年大人気の金魚ゼリー。前回よりも進化を遂げて再登場
「愉悦(ゆえつ)」エリアにあるカフェラウンジ「華魚繚乱」ではオリジナルメニューをはじめ、堂島ロールでお馴染みの「Moncher」《金魚更紗》ロールケーキ、「日本料理たかむら」特製のたかむら麺など有名店との本格コラボメニューが味わえます。もちろんここアートアクアリウム美術館でしか食べられないメニュー多数です。
軽食・スイーツほかに、ビール、日本酒、ワインなどアルコール類も豊富に取り揃えています。
「鶴屋吉信」のIRODORI羊かん。さくら、ますかっと、まろん、しょこら味の4種類が楽しめる
さらに「土産」エリアでも有名店とのコラボ商品が登場。「ショコラティエ Palet D'or」からショコラポワソンルージュ(=フランス語で「金魚チョコレート」)や「鶴屋吉信」のIRODORI羊かん、「日本橋長兵衛」のきんぎょ焼きなどが販売されています。
もちろんアートアクアリウム美術館オリジナル商品もあり、ここでしか購入することのできない金魚グッズが沢山あります。
またアートアクアリウム美術館を120%楽しめるコンテンツとして音声ガイド(有料)があります。音声ガイドを担当するのは俳優の斎藤工さん。各作品展示エリアにてその背景や物語を案内してくれます。
なお、館内出口へ続く階段には、これまでの「アートアクアリウム」のポスターが展示、さらに次のアートアクアリウムへと繋がっていくといった仕掛けが施されているので出口までお見逃しなく。
東京・日本橋は江戸時代より交流・交易の盛んな土地として知られています。現在も多くの老舗が立ち構えており、その時代、その時代にあった姿で残っているお店もあれば、開店当時から変わらずの姿で残っているお店もあり今と昔が融合している不思議な街です。そこの小道を入れば、幻想的な世界へと誘うアートアクアリウム美術館があります。
アートアクアリウム美術館は、その時々の季節を感じ、日本の美しいと思える「和の心」を表現し、そして何度足を運んでも楽しめる美術館となっています。ぜひ足を運んで「日本文化は美しく楽しい!」ということを五感で体感してみてはいかがでしょうか。
施設概要
アートアクアリウム美術館
営業時間
10:00~22:00
※最終受付時間は21:30です
※施設内のイベント等で営業時間は前後する場合がございます
所在地
東京都中央区日本橋本町1丁目3番9号
公式ホームページ
https://artaquarium.jp/ ※外部サイトへ移動します
▼平日限定「アフター6入場券」ほか「音声ガイド」チケットも販売中
(文・写真:工藤明日香/ローソンチケット)
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